レビュー

ビールがごっつい旨くなる缶オープナー「Draft Top 2.0」を試してみた

ビールが一段と旨くなるという「Draft Top 2.0」

 夏の夜に飲む、キンッキンに冷えたビールの旨さったらない。日中がどんなに暑くても、ダイエットのための日課のワークアウトがどんなにハードでも、ビールが冷蔵庫で待ってくれていると思えば頑張れる。おかげで体重は増えもしなければ減りもしない。

 そんなところへ、缶ビールをもっと旨くするという「Draft Top 2.0」なるアイテムが近く登場するという噂が聞こえてきた。ビールが今以上に旨くなったら(体重的な意味で)本当に困ったことになりそうだけれど、それが本当なのか気になったので、さっそくお借りして試してみることにした。

「Draft Top 2.0」
薄くて収納しやすく、安全に使える缶切りと言うこともできる

 この「Draft Top 2.0」は、ビールなどの缶飲料専用のオープナー、要するに缶切りだ。缶の上部を安全かつ簡単に丸ごと切り取って、飲み口を大きくできる。クラウドファンディングサイト「Kibidango」および「GREEN FUNDING」で2021年8月5日まで支援を募っており、3500円の支援額で同製品が1個手に入る。達成率は2021年7月時点で5000%を超えており、注目度はかなり高いようだ。

クラウドファンディングでは支援額が5000%を超えた

 元々、海外発のDraft Topという製品があり、Draft Top 2.0は日本向けにバージョンアップしたもの。海外のビール缶とは微妙にサイズの異なる日本のビール缶にもフィットするように改良し、独自の工夫もあって開けやすさがアップしているらしい。

 製品としては未発売ということもあって、お借りできたのはそのプロトタイプ版。実際の製品版とは細部で異なる部分があるかもしれないが、仕様としては改良されたDraft Top 2.0と同一のものとなる。ビール缶だけでなく、似た形状のカクテル系飲料やジュースなどの缶にも対応する。

日本のビール缶や海外のビール缶に対応。缶の上部の構造が似たものであれば、ビール以外の缶飲料にも使える

 使い方は、慣れてしまえば簡単だ。Draft Top 2.0のサイドにあるレバーをいったん開いてから缶の上部にかぶせ、レバーを戻してそれごと握り込む。これによって、Draft Top 2.0が内蔵するカッター(ブレード)が缶の上部内側に食い込む形になる。

サイドのレバーを開いた状態にして缶にかぶせる
レバーを閉じる

 この状態でがっしり握ったまま、もう片方の手で缶をつかみ、回転させよう。一方向に回すよりは、時計回りと反時計回りを交互に、両手でツイストさせるように動かすと良さそうだ。ただし、あまり激しく揺らしてしまうと泡が吹き出る恐れがあるので慎重に。

がっしり握り込んでツイストさせるように回転させる

 しばらく回してパキッという音が聞こえ、握っている缶が柔らかく感じたらカットできた証拠。慌てずDraft Top 2.0を取り外し、もう一度レバーを引き出して、突起部分を使ってテコのようなイメージで押し込み、フタ部分を中に落とす。これでできあがりだ。

音が聞こえて缶が柔らかくなったらカットできている
レバー部分の突起を使ってフタを中に落とす
フタ部分は完全に沈んでしまうため、あらかじめアルコールスプレーや除菌シートなどできれいにしておくのがおすすめ
カット中に揺らしてしまったためか、泡がじわじわ上がってきた。急いですする

 見た目としては、ただビール缶の飲み口が大きくなっただけ。それでどんな意味があるの? と疑問に感じるかもしれないけれど、実のところ、思っていた以上にうれしい効果がある。

 まず、なんといっても飲み口が広いのでグイグイ飲めてしまう。ビールの苦み、旨み、そして冷たさが一気に口の中に広がるのだ。あまりにもグイグイ飲めてしまうので、あんなになみなみとあったビールが一体どこへ消えたんだ!? と驚きがち。

カットした箇所は滑らかに処理され、手で触れたり口をつけても怪我しない

 そして、味だけでなく、香りもぐっと強くなる。クラフト系ビールで試すとその傾向は特に強い。いわゆるマスプロダクション系のビールと飲み比べても、今まではそれほど大きな味の違いを感じることはなかったのに、Draft Top 2.0で開けて飲み比べると全くの別物。ビールがもつ香りをより一層楽しめて、味わいの違いをはっきりと感じ取れるようになった。

 飲み口が広くなることによるメリットは他にもある。半分くらい飲んだところでジンジャーエールを注いでシャンディガフにしたり、カクテル系飲料なら氷を入れて冷やしたり、レモンやライムを絞ったり、などなど、ちょっとしたアレンジが気軽にできる。

 また、飲みやすくするためにグラスに移すような手間がいらなくなり、洗い物が減るのもいいところ、わずかな飲み残しもしっかり出し切れて、すすぎ洗いもしやすいので、ゴミ箱のイヤなニオイを防ぐことにもつながるだろう。

 ちなみに、アルコール分のない、アルコールテイスト飲料にも試しにDraft Top 2.0を使ってみた。この場合は、味や香りがはっきりわかるようになるためか、小さい飲み口越しのときはなんとなくあるように感じられたアルコール風味がほぼゼロに。まるでただのジュースを飲んでいるような感覚で、ちょっと損した気分になってしまった……。

アルコールテイスト飲料は、ただのジュースになった気がする
氷を入れやすいので、おいしく飲むことはできる

 Draft Top 2.0はどんな缶飲料も確実においしくする、とは言えないけれど、少なくともビールなどのアルコール飲料は、たとえ飲み慣れたブランドであっても、味わいがぐっとアップしてこれまでに感じたことのない旨みを感じられるはず。Draft Top 2.0を手に入れたなら、ビールの消費量アップは覚悟しておきたい。