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バーボン「フォアローゼズ」、マスターディスティラーがこだわりを紹介

2024年4月18日 取材

フォアローゼズ マスターディスティラーのブレント・エリオット氏(右)とキリンビール マスターブレンダ―の田中城太氏(左)

 キリンビールは4月18日、同社が輸入販売するバーボンウイスキー「フォアローゼズ(Four Roses)」のブランド体験会を都内で開催した。

 フォアローゼズは、3月出荷分からラベルやパッケージのデザインをリニューアル。ブランドの世界観を表現しながら、30代のライトユーザーの飲用機会を創出することを目指し、デザインが変更されることになった。ブランドの象徴となっている4輪のバラを瓶の肩口にレリーフで表現。ラベルやバラの背景に金縁を配置することで、クラフト感や上質感を演出している。

新しくなったパッケージデザイン

 今回開催された体験会には、マスターディスティラーのブレント・エリオット氏も駆けつけ、同ブランドの伝統について説明した。

 同氏は、フォアローゼズは同ブランドを立ち上げたポール・ジョーンズJr.氏のラブストーリーに由来していることや、2パターンの原料配合比率(マッシュビル)と5種類の酵母を組み合わせた10種類の原酒を製造し、それらをブレンドして商品のバリエーションを作りつつ、品質を一定に保つ努力をしていることを紹介。

 楽しみ方としては、最初にストレートで、次に水を足して、最後に氷を入れて、という3段階で飲み進めるのがオススメとする同氏だが、日本で人気のハイボールや、米国でコカ・コーラかペプシかで意見が割れるコーラ割りなども含め、家族や友人と一緒に自由に楽しく飲むのが同社が提案する“Mellow Moment”というスタイルだと語った。

 そんなフォアローゼズだが、1943年にシーグラムに買収された後、1950年代後半には米国での販売が中止され、ヨーロッパやアジア向けの輸出専用商品となっていた。1971年には日本での販売も開始され、以来、バーボン好きが多いとされる日本の消費者がフォアローゼズを支えることになる。2002年にはキリンビールが同ブランドと生産設備を買収し、米国での販売も再開している。

 こうした背景もあり、グローバル展開されている3商品以外に、「フォアローゼズ ブラック」「フォアローゼズ プラチナ」の2商品が日本限定で販売されている。エリオット氏によれば、いずれも舌が肥えた日本の消費者に向けたブレンドとなっており、「皮肉なことに、原酒は試せるが、ボトルは私も日本に来ないと買えない。日本に来るときには知人から買ってきてと頼まれ、買って帰ることになる」と笑顔で語っていた。

フォアローゼズ ブラック
フォアローゼズ プラチナ

 途中からはキリンビールのマスターブレンダ― 田中城太氏も同席し、フォアローゼズの特徴を説明した。同氏は「一般的なバーボンはロバストでガツンと来ることをウリにしているが、フォアローゼズはバーボンらしくないと言われるぐらいトゲのないバラ。すごくスムーズでメロウ(まろやか)」と表現。「こんなにきれいなバーボン、こんなに手間暇かけて作っているバーボンは無い」と賞賛していた。

 なお、今回の体験会が開催された東京・渋谷のレストラン「NEW LIGHT」(バルニバービ)では、フォアローゼズを使用したオリジナルのカクテルとデザートが4月19日から期間限定で提供される。

NEW LIGHTのオリジナルカクテル。中央が「4 U -for you-」(1400円)、右は「コーンジュレップ」(1400円)
NEW LIGHTのオリジナルデザート。左が「フォアローゼズ 愛の薔薇のティラミス」(1650円)、右が「ショコラテリーヌ」(990円)