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「コップに注いだギネスビールの泡が作り出す模様の発生メカニズム」をキリンと大阪大学がスーパーコンピューターを使って解明
2021年6月22日 17:00
- 2021年6月22日 発表
キリンホールディングスの飲料未来研究所は、大阪大学大学院基礎工学研究科流体工学グループの渡村友昭助教、杉山和靖教授らとの共同研究で、「コップに注いだギネスビールの泡が作り出す模様の発生メカニズム」の数式表現を世界で初めて実現したと発表した。
本研究成果は、米国科学誌「Physical Review E」で6月8日0時(日本時間)に公開さた。
キリンと大阪大学大学院基礎工学研究科は2019年の共同研究で、「ドラフトギネス」の泡は「雨水が傾斜面を下降する際に現れる模様」と同様に、「コップの傾斜面を液体の固まりが転がり落ちることによって模様が発生する」ことを明らかにした。
しかし、炭酸水やコーラでは泡は模様を作ることがなく、同じ泡でも“ギネスビール”と運動の様子が違う理由を説明できなかった。また、今までの実験を主体とした研究方法では、研究対象が液体であるため泡の量や大きさの制御が不可能であり、今回、スーパーコンピューターを使ったシミュレーションを実施し、泡が作る模様の発生条件の数式化に成功したことで、泡が密に存在して集団で振る舞う一定の条件により泡の模様が発生することを解明したという。
本研究で泡の模様の出現は、「安定か不安定を表す指標(フルード数)」と「泡が密か疎かを表す指標(濃度界面の解像度)」という2つの要因によって決定することが明らかになった。また、数式化により、コップの形に応じた模様の有無を予測することを可能にした。