ニュース

「クラフトボス ソイラテ」9月19日登場、担当者が語る開発の裏側

2023年9月11日 取材

サントリー食品インターナショナル SBF ジャパン ブランド開発事業部の駒木亜美氏(右)とSBF ジャパン 商品開発部の浦田采香氏(左)

 サントリー食品インターナショナルは、9月19日に「クラフトボス ソイラテ」を発売する。容量は500mlで、200円(税別)程度で販売される。発売に先立ち、11日に説明会が開催された。

 SBF ジャパン ブランド開発事業部の駒木亜美氏によれば、クラフトボスシリーズにおいては、ブラック、ラテに続き、今年4月に発売した「甘くないイタリアーノ」の3本柱でブランド本体の強化を図るとともに、今回の商品でコーヒーの可能性を広げると、その位置づけを説明。

 同氏は、「植物乳の市場が10年前と比べて約2倍に成長しており、今後も拡大していくと見込んでいる。ソイラテと言えば、女性とか健康とかという風に思われがちだが、実は蓋を開けてみると若年層では男女ともに飲用経験が高い」とした上で、実際にユーザー調査を行なうと、近年はおいしさでソイラテを選ぶ人が増えているとして、今回の商品を開発することにしたと開発背景を語った。

「クラフトボス ソイラテ」の開発背景

 こうした“おいしさ”については、近年の乳技術の進化が大きく貢献している。そもそもミルク感については、牛乳由来の乳原料を多く用いれば簡単に実現できるが、関連法規による縛りによって、3%以上を占めると乳飲料規格となり、ペットボトルでの販売が行なえなくなってしまう。そこで、同社では乳飲料と植物原料をあわせてハイブリッドで使用することで、コーヒー飲料としてミルクの風味が楽しめるラテ商品を販売できるようにしてきた。

 しかし、SBF ジャパン 商品開発部の浦田采香氏は、今回のソイラテにおいては、納得が行く味わいを実現するのにかなり苦労したと振り返る。同氏によると、植物素材は熱に弱く、製造時に殺菌処理を行なうと熱がかかり、独特のクセのある香りや口に残るようなべたつきが生じてしまう。こうした課題をクリアするために200回以上の試作を繰り返したという。

 浦田氏によれば、「開発当初、開発チームで試飲した際に“がんもどき”の味がすると酷評された」とのことだが、ソイの濃さと味わいのバランスを追求することで解決を図った。具体的には、カフェで提供されているソイラテよりもソイの濃さをあっさりとさせつつ、クセが少なくキレのある北海道産大豆豆乳と、ボディ感が強い大豆粉末を組み合わせることで味わいの面での満足感を補った。

説明会では通称“がんもどきラテ”との飲み比べも。これはこれでおいしい気も……

 コーヒーについても、ウガンダ産の浅煎り豆とブラジル産の深煎り豆をブレンドして使うことでソイを引き立てる風味の実現を目指した。さらにエスプレッソを用いることで、カフェのソイラテのようなコクを実現したという。

 これまでのソイラテはどちらかというと健康志向の印象が強く、それを意識したパッケージデザインになることが多かったが、今回の商品はおいしさや特別感を軸にしたデザインになっており、駒木氏は、まずはカフェでラテを注文する際にソイにカスタマイズするようなユーザーをターゲットにしたいとしている。

クラフトボス ソイラテ