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ハンバーグだけじゃない、びっくりドンキーのこだわり。ビールは自社醸造、コーヒーは豆を現地で直接買い付け

2024年7月16日・17日 取材

びっくりドンキーのびっくりなこだわりをご紹介

 2023年に55周年を迎えたハンバーグレストラン「びっくりドンキー」(アレフ)。今回、編集部はびっくりドンキーチェーン本部アレフの本社がある北海道で行なわれたプレスツアーに参加し、ビール醸造所やコーヒー焙煎所を見学してきた。

「そこまでこだわってるの!?」なハンバーグだけじゃない、びっくりなこだわりを見てきたのでレポートする。

びっくりドンキーのびっくりなこだわり

美味しさは大前提。実は食材、環境へのこだわりも……

 びっくりドンキーは「食は人を良くする」との信念のもと、美味しさは大前提として、食材だけではなく、その先にある農業や環境までを徹底的に探究。ハンバーグに使っている牛肉と豚肉はホルモン剤を使用せず、できる限りストレスの少ない環境下でのびのびと育ったものを調達している。

 野菜も品質と安全性にこだわり、全国各地の生産者と協力し、独自の基準で栽培されたものを使用。土からこだわり、有害な土壌消毒はせず、有機肥料での土づくり、農薬をできる限り使わないといったことに取り組んでいる。

 米は殺虫剤・殺菌剤を使わずに除草剤の使用を1回までに制限したオリジナル米を使用し、店舗ではできるだけ炊きたてを提供するため、一度にたくさん炊かず、4キロ炊き、2キロ炊き、1キロ炊きの炊飯器でこまめに何度も炊き続けている。

 実は食材だけではなく、ドリンクへのこだわりも深いびっくりドンキー。なんとビールは自社で醸造し、ドイツの伝統的な製法でつくっている。さらにコーヒーは豆の産地から選定し、ブラジル、グァテマラ、ペルー、エチオピアといった現地の生産者の元へ担当者が直接買い付けに行き、調達している。

びっくりドンキーのビールをつくっている「小樽ビール銭函醸造所」へ行ってきた

小樽ビール銭函醸造所

 小樽ビール銭函醸造所では、1516年にドイツで制定された「ビール純粋令」を基に製造し、原材料・製法にとことんこだわったビールを自社醸造している。

「ビール純粋令」とは、原材料を麦芽・ホップ・水・酵母のみと定めた法律。小樽ビール醸造所の佐藤祐正氏は、麦芽とアロマホップ、自家培養の酵母と北海道の軟水だけを使い、真摯にビールづくりをしていると熱く説明した。

小樽ビール醸造所 佐藤祐正氏
ドイツの伝統的な製法を守りビールを醸造
1次発酵後の「若ビール」を試飲。この時点でアルコール分は約4%。苦みが強くとんがった味がした
酵母バイオ室も見学。室内は酵母の香りが充満し、リンゴ酢のような香りが。酵母が変わるとビールの風味も変わるので大事な役割を担っている
ビールには上面発酵と下面発酵があり、酵母の性格の違いによって発酵の仕方が異なる

 醸造所の見学が終わったあとは、ピルスナー、ヴァイス、ドンケルの3種類のビールを試飲。どれも全く違った味わいで、ついゴクゴクっと飲み過ぎてしまう……。

 ピルスナーはホップの香りが特徴的で、スッキリ飲みやすい。ヴァイスはフルーティで少しジンに似た感じで、酵母と小麦麦芽のタンパクにより濁っている。ドンケルは見た目が暗くキャラメルフレーバーが鼻から抜け、見た目ほどクセがない。

ピルスナー
ヴァイス
ドンケル
プレッツェルと一緒に3種のビールを飲み比べ
小樽ビール銭函醸造所ではレギュラービール3種類に加え、21種類のビールを提供してきた
「小樽ビール」ブランドのビールも製造している

小樽ビール銭函醸造所

所在地: 小樽市銭函3-263-19
TEL: 0134-61-2280(平日9時~17時受付)
料金: 1980円
見学開始時間: 11時・15時(各時間3組または20名が上限)
※見学希望日の1か月前から予約受付(1週間前までに要予約)

 また、小樽運河沿いにある醸造所直営のビアパブ「小樽倉庫No.1(小樽ビール)」は、醸造施設を併設。店内ではピルスナー、ヴァイス、ドンケルなどの地ビールを楽しめる。

倉庫を改装したビアパブ
店内には醸造施設を併設し、ドイツの伝統的な製法でつくった小樽ビールを楽しめる

小樽倉庫No.1(小樽ビール)

所在地: 北海道小樽市港町5-4
TEL: 0134-21-2323
営業時間: 11時~22時(ラストオーダーは21時)
休み: 不定休

自社調達・自社焙煎の香り高いコーヒー

 続いてコーヒーの深すぎるこだわりを紹介していく。びっくりドンキーのコーヒーは、ひとつの産地の豆だけを使用したシングルオリジン(時期により産地が変わる)と、ブレンドを展開。豆の産地選定から調達を自社で、さらに焙煎まで自社工場で行なっている。

担当者が現地までコーヒー豆を調達
ブレンドコーヒーは現在、ブラジル、ペルー、グァテマラの3種類の豆をブレンド
色彩選別
ロースト
ローストした豆は計量し袋詰めされる

 ブレンドは年や季節によって各地の豆の品質を社内のQグレーダー(コーヒーの品質などを評価できる資格を持つコーヒー鑑定士)が見極め、最適な味わいに仕上げている。

 地球の裏側まで自分たちの足を使い、付き合いの長い産地のほか、新たな取引先の開拓も常に行なっているという。独自の情報網で世界各地からコーヒー豆のサンプルを取り寄せ、コーヒーの液体を試飲し、香りや味をいろいろな角度から評価する「カッピング」を月に1度実施。

 これとは別に、自社で焙煎したコーヒー豆を店舗に出荷する際のカッピング(ロットサンプル評価)は、毎日行なっている。

 産地との直接取引で高品質な豆をできるだけ価格を抑えつつ、全国の店舗への安定供給を実現している。商社などを通さず、担当者が産地と直接買い付けするので誰がどこで栽培した豆か、処理方法も把握されており安心。そこまでしてこだわり尽くして提供しているコーヒーが店舗で290円から飲めて、11時までのモーニングではおかわり自由!

できたてのコーヒーを試飲

 1杯のコーヒーにある背景を知って飲むと、さらに美味しく感じる。自社焙煎工場でできたてのコーヒーを試飲したが、個人の喫茶店で出されるような深みのある個性的な味わい。びっくりドンキーといえば、ハンバーグ! ランチ! ディナー! なイメージだが、モーニングやカフェ利用も十分に楽しめるだろう。

びっくりドンキーのコーヒーメニュー

・「ホットコーヒー(シングルオリジン/ブレンド)」(290円)
・「アイスコーヒーS(シングルオリジン)」(290円)
・「アイスコーヒーL(シングルオリジン/ブレンド)」(340円)
・「ホットカフェラテ」(340円)
・「アイスカフェラテS」(340円)
・「アイスカフェラテL」(390円)
・「アイスクリーミーラテS」(480円)
・「アイスクリーミーラテL」(530円)
・「びっくりアイスコーヒー(シングルオリジン/ブレンド)」(530円)
・「びっくりアイスカフェラテ」(580円)
※地域・店舗によって価格は異なる

「ホットコーヒー(シングルオリジン)」(290円)
「ホットコーヒー(ブレンド)」(290円)
「アイスコーヒーL(シングルオリジン)」(340円)
「アイスコーヒーL(ブレンド)」(340円)
「ホットカフェラテ」(340円)
「アイスカフェラテL」(390円)
「アイスクリーミーラテL」(530円)

小樽運河を眺めながら食べられる「びっくりドンキー 小樽運河店」で食事してきた

 びっくりドンキー 小樽運河店は、倉庫を改装した石造りの店舗。小樽運河沿いにあり、運河を眺めながら食事ができる。

びっくりドンキー 小樽運河店
サイドメニューのロングセラー「イカの箱舟」
イカの唐揚げものって食べ応えのある「マーメイドサラダ」
定番「びっくりフライドポテト」
醤油ダレとマヨソースで味わうホクホクの「ブロッコリーの箱舟」
創業初期からある「レギュラーバーグステーキ」
イタリア直輸入の「薪窯マルゲリータ」
北海道名物のザンギ(鶏唐揚げ)をびっくりドンキー風にアレンジした「ザンギ&ポテト」
脂肪分少な目のナチュラルビーフを大根おろしソースで食べる「コロコロステーキ」
ノンアルの「ドンキーフリー(レモン)」(期間限定)
びっくりドンキーのドリンクといえば「つぶつぶ食感イチゴミルク」
びっくりドンキーといえば大型木製メニュー。タッチパネル注文の店舗も増えているが、タッチパネルのなかに木製メニューが現われる仕様となっている
店員さんのサロンに謎の数式が。これは「-(マイナス)29」が“ひきにく”、「831」が“やさい”、「※」が“こめ”、「!」がびっくりドンキーの“びっくり”を意味し、バーグディッシュを表現

びっくりドンキー 小樽運河店

所在地: 北海道小樽市港町5-4
TEL: 0134-21-2227
営業時間: 8時~0時(ラストオーダーは23時30分)
[モーニング]8時~11時(10時まではモーニングメニューのみ)
[ランチ]10時~17時

 ここまでこだわっているのに、もっとそれを押し出さないのですか? と担当者に聞いたところ「びっくりドンキーは美味しい! 楽しい! をもっと味わってもらいたくてやっているので、お客さまに感心されるのを求めているわけではない」とコメント。「ラーメン屋で店主のこだわりが書いてあったら、スープがちょっと美味しく感じるみたいなエッセンスとして知ってもらえたら」と語った。

 こだわりや想いを知ったうえで食べるのと、なんとなく食べるのとでは、食べたときの感動もちがうだろう。モーニングでの朝活、カフェ利用、ちょい飲みなどさまざまなシーンに合わせて利用してみては。