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アイリスオーヤマ、初のペットボトル緑茶「綠」発売。すっきりとした味わいで朝に飲む習慣を提案

吉沢亮さん出演の新CMも

2025年6月2日 発売
アイリスオーヤマ「アイリスのお茶 綠(りょく)」

 アイリスオーヤマは6月2日、緑茶飲料事業への参入を発表した。ペットボトル飲料「アイリスのお茶 綠(りょく)」を順次発売する。内容量は500mL。公式通販サイト「アイリスプラザ」での価格は、24本で1780円。

朝に飲みたいお茶を目指し、ゴクゴク飲めるすっきりとした味わいに

 開発にあたって同社が実施したアンケートでは、緑茶を飲むタイミングとして起床直後や朝食時など朝に飲むという人がほかの時間帯と比べて少なかったことに着目。新しい飲用習慣を提案し、潜在需要を掘り出すべく、「朝に飲むなら、アイリスのお茶」というコンセプトを掲げた。

 朝に適したすっきりとした飲み心地を目指し、低温密閉抽出製法によって渋みと苦みを抑えて爽やかな香りを引き立たせた。さっぱりとしたのどごしを重視し、にごりは残さずに仕上げている。

商品名は旧字の「綠」。プラスチック製品を得意とする同社らしく、実はボトルも自社製だという
左から、アイリスオーヤマ株式会社 執行役員 勝間浩之氏、ブランドアンバサダー 吉沢亮さん、早稲田大学 名誉教授 柴田重信氏

 商品名の「綠」は緑の旧字で、緑茶の長い歴史を大切にしたいという思いを込めた。ブランドアンバサダーには吉沢亮さんを起用し、テレビCMを全国で順次放映する。

 発表会には、早稲田大学 名誉教授の柴田重信氏も登壇。時間栄養学の観点から、朝に緑茶を飲むメリットとして、「紫外線による肌のダメージを軽減できるとされるカテキンを日中の外出に向けて摂取しておける」ほか、「朝にカフェインを含むお茶を飲む習慣を付けることで体内時計を整えられる」といった考えを語った。

 販売目標は、2025年6月~2026年5月の1年間で70億円。設備投資額は約150億円で、鳥栖・埼玉の2拠点と2026年竣工予定の舞鶴工場で生産する。

アイリスオーヤマの食品事業はお米からスタート。最近では備蓄米の販売も担っている
飲料水事業では、これまではミネラルウォーターや炭酸水を主に扱ってきた

 プラスチック製品を祖業とするアイリスオーヤマが食品事業に参入したきっかけは、2011年の東日本大震災までさかのぼる。宮城県に本社を置く同社は、被災の経験から食品インフラの重要性を痛感し、災害対策も念頭に置いて食品事業に参入。2013年にまずは精米事業をスタートし、2015年にはパックごはん、2021年に飲料水の生産・販売を開始した。

 被災地へと迅速に物資を届けるうえでの強みとして、各地に点在する19カ所の拠点から100~300km程度で全国どこへでも配送できるという物流体制が挙げられる。災害とは異なるが、食品事業を通じた社会貢献の取り組みとしては、政府備蓄米の随意契約による精米・流通・販売に名乗りを上げたことも記憶に新しい。

 食品事業全体の売上は、2024年時点で420億円。2030年までに1000億円到達を目指し、成長戦略の柱として飲料水事業に注力するとしている。

東日本大震災をきっかけに食品事業に参入し、2019年から約3倍に成長
近年規模が拡大している茶飲料市場に進出する
コンセプトは「朝に飲むお茶」
設備投資や物流体制について