おいしさの秘密と私のこだわり

スシローのバイヤーが語るアイルランド沖の鮪の魅力

FOOD & LIFE COMPANIES 仕入課の山上雅則氏

 スシロー(FOOD & LIFE COMPANIES)は、2月23日に「絶対王者スシローの鮪」まつりをスタートした。同フェアを縁の下で支える仕入課の山上雅則氏に鮪(まぐろ)へのこだわりを聞いた。

――今回のフェアでは、アイルランド沖で獲れた天然本鮪をアピールされていますが、どんな特徴があるんでしょうか?

山上氏:アイルランド沖では10月~11月に鮪を獲るんですが、水温が低く、10度ぐらいに下がるので、脂がすごく乗るんです。加えて、餌が豊富な漁場で、エビとイカがすごいんです。鮪はエビとイカを食べて味が乗っておいしくなります。

 それから、10月~11月のアイルランド沖には、ハリケーンが来て、海が荒れます。漁師さんも大変で危ないんですが、波が荒れると鮪は底を泳いで餌をとりに行くので、脂が乗って、運動もするので身もしまって、おいしくなる条件がすべて揃っているんですね。

 世界で一番おいしいのは、このアイルランドの本鮪だと思って今回やらせてもらっています。

――買い付けるのは難しいのでしょうか?

山上氏:値段が高い鮪なので、工夫しないとスシローの売価に落とし込むのが難しいところがあり、なかなか今まで販売できませんでした。一匹まるごと仕入れて、無駄なく使いきるようにしているからこそ提供できるんです。頭もラーメンの出汁をとるのに使いますし、筋のところも鉄火巻きにしたり、あぶったり、使えるところはとことん使っています。

天然本鮪盛り合わせ

――山上さんとしては、鮪の仕入れが一番楽しいと感じていらっしゃるんでしょうか。

山上氏:鮪が一番とは言わないですが、鮪は面白いです。おいしいのはもちろんですが、工夫ができるじゃないですか。中落ちをとるとか、カツにするとか、おはぎにするとか、鉄火巻にするとか、大間の鮪もそうですが、今までスシローで販売できなかったものを販売できるように工夫できる方がチャンスがあって面白い。でも、なかなかここで工夫できない魚もあるわけです。知恵を絞ると何とかなるときもあるんですね。ならないときもあるんですが(笑)。

――盛り合わせの中ではどれがイチオシですか?

山上氏:アイルランドのものは中とろがおいしいと思います。表現が難しいですが、鮪らしい香りや味が強いんです。本当に「中とろを食べた」という感じで、鮪好きが好きそうな中とろで、人によっては醤油をつけなくても食べられるというくらい、元々味が濃く、香りもいいですね。

 今回、その盛り合わせを提供しますが、銀座に行くと5000円ぐらいするかもしれません。それが580円(税別)っていうのは、これで最後とは言わないですが、しばらくはできないです。

――ありがとうございました。

「絶対王者スシローの鮪」まつり