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サントリー、コロナ禍で高まる健康意識を受けて「オールフリー」2商品に注力
2021年10月12日 18:46
- 2021年10月12日 発表
サントリービールは、ノンアルコール飲料についての市場調査レポートとともに、「オールフリー」ブランドのマーケティング戦略を発表した。
同調査は、9月6日~13日にかけてインターネット上で首都圏在住の20~60代男女、約3万人を対象に実施されたもの。調査によれば、2020年のノンアルコール飲料市場は2313万ケースだったが、2021年には約2570万ケースに増加し、今後も市場規模が拡大する見込み。
同社 マーケティング本部 ブランド戦略部長の梅原武士氏によれば、コロナ禍において業務向けの瓶や樽の出荷比率は減少したものの、家飲み需要により家庭用の缶の出荷が増えた。
こうした傾向はアルコール飲料についても認められるが、在宅勤務が増えたことで健康に対する意識が高まり、ビール愛飲者を中心に積極的にノンアルコール飲料を選択する動きが確認できたという。
同社では、定番商品の「オールフリー」と内臓脂肪を減らすという機能性を持たせた「からだを想うオールフリー」の2商品を展開しており、出荷総数や認知度では前者が上回るものの、成長率では後者に勢いがあることから、まだまだ伸びしろがあると判断。
梅原氏は、秋は時期的に「健康診断」「人間ドック」「休肝日」といった言葉がSNS上でよく投稿されるというデータもあることから、オールフリーについてはリフレッシュ、からだを想うオールフリーについては健康機能をそれぞれ訴求ポイントとし、30~50代の働き盛り世代をターゲットにキャンペーンを展開するとしている。
競合他社は今年に入ってから相次いでアルコール度数が1%以下の“微アルコール”の飲料を発売しているが、同氏は「カテゴリーとしてはノンアルとは別のもの。アルコールが入っていないという安心感と、微量でありながらもアルコールが入っている商品の印象は異なる」とした上で、「現時点で何か商品を発売するということは決まっていない」と語った。
また、ノンアル市場全体については、「競争が激しくなっているのは事実だが、まだまだノンアルに関心を持っていない人が多い。(コロナ禍で)今まで興味を持っていなかった人が最近は興味を持つようになってきた。まだ知らないという人にオールフリーを知ってもらうことが大事」だとして、さらなる新商品の投入よりも現行の2商品をしっかり拡販していくことに注力したいとしている。