ニュース

パンやスイーツから馬刺しまで! ローソンの新しい冷凍食品を試食してみた

2021年11月25日 発表

ローソンが冷凍食品のメニューを拡大

 ローソンは11月30日から順次、冷凍食品メニューを拡大する。弁当やベーカリー、スイーツ、鮮肉鮮魚など幅広く冷凍食品の新商品を取りそろえつつ、さらに店舗改装で冷凍食品売り場を増やすことで、外出自粛などの影響で高まった買い置きできる食品へのニーズに応えていく。

発売予定の冷凍食品
冷凍デザート2製品。いずれも解凍不要

 冷凍デザートとしては、「4種のマカロン」(430円、11月30日発売)、「フォンダンショコラ 2個入り」(399円、12月7日発売)が発売される。油脂分の多いクリームを使うなどの工夫により、いずれも解凍する必要はなくそのままで食べられるのが特徴。フォンダンショコラは電子レンジで温めても美味しく食べられる。

4種のマカロン
フォンダンショコラ

 発表会ではサンプルとしてフォンダンショコラが提供された。濃いチョコの生地に濃いチョコソースが封入されていて、とにかく存分にチョコレートを味わえる一品だ。一見すると小さいが、1個が62gとそこそこのボリュームがあり、味が濃いこともあって、小さなスプーンで少しづつ食べれば1個でも高い満足感を得られる。また、1個287kcalとカロリーが高めなので、筆者のようなカロリーを気にしないといけないオジサンは、一気に2個を食べ切らないように強い心が求められる。

冷凍ベーカリーの2製品。いずれも健康志向

 冷凍ベーカリーとしては、「ブランのイングリッシュマフィン 2個入り」(278円、12月14日発売)と「ブランのクロワッサン 2個入り」(248円、12月14日発売)が発売される。こちらはいずれもブラン(小麦やオーツの糠)を使ったもので、糖質が少ないなどの特徴がある。こちらは電子レンジでの解凍後、トースターで調理する。

ブランのイングリッシュマフィン
ブランのクロワッサン

 発表会ではお土産としてブランのクロワッサンが提供された。こちらはブランの風味がそこそこあり、クロワッサンらしい風味を期待しているとちょっと違うかもしれないが、1個32gあたり糖質4.8g(食物繊維4.5g)と、主食としてはかなり低糖質なので、糖質制限には最適だ。ただしバター入りマーガリンがかなり使われているので、脂質は9.3g、カロリーは1個133kcalとなっている。

冷凍弁当
冷凍ラーメン
容器ごと解凍加熱すればそのまま食べられる

 冷凍弁当としては、「6種具材の中華丼」(399円、1月25日発売)、「旨辛!麻婆豆腐丼」(399円、1月25日発売)、「淡麗醤油らぁ麺」(399円、12月以降全国展開)、「濃厚鶏白湯らぁ麺」(399円、12月以降全国展開)が発売される。ラーメンの2商品はすでに一部店舗にて発売中。いずれの商品も工場での弁当製造と同じ工程で作り、添加物を抑えつつ、器ごと瞬間冷凍してあるので、解凍加熱するだけですぐに食べられる商品になっている。

畜肉・水産系商品
鮮馬刺し 赤身スライス
牛ユッケ風
こちらも発売予定の新商品「バルサミコソースで食べるローストポーク」(348円)

 水産品や畜肉系としては、「鮮馬刺し 赤身スライス」(798円、1月25日発売)、「牛ユッケ風」(798円、1月25日発売)、「真鯛お刺身」(498円、1月18日発売)、「カンパチお刺身」(498円、1月18日発売)が、いずれも関東近畿北陸の一部店舗で先行発売される。冷凍工程は1回だけで、アルコール凍結などの技術も使うことで、ほとんどドリップの出ない商品となっている。

 発表会ではサンプルとして鮮馬刺し赤身スライスが提供された。こちらは冷凍食品とは思えない、ちゃんとした馬刺しだ。安い居酒屋で出てくる、半分凍ったままでドリップ出まくりの馬刺しなどと違い、格段に生肉感が強い。提供されたものはちゃんと解凍されていたが、こちらの商品はしっかりとパックされ、そのまま流水解凍できるので、自分でやっても手間はかからず、安定した品質で食べられそうでもある。

新商品だけでなく売り場も拡大。売上は5年で5倍を目指す

コロナ下で定着したライフスタイル

 新型コロナウイルス感染症の流行により、新しいライフスタイルが広がった。リモートワークやまとめ買い、デリバリーなどが普及し、時間の使い方や価値観にも変化がもたらされている。

コロナ下で伸びた商品カテゴリー

 こうしたことを背景に、ローソンでは「冷凍食品」「まちかど厨房」「スイーツ」「日配惣菜」「常温和洋菓子」などの商品ジャンルが伸びている。これらの商品は緊急事態宣言が解除されたあとも伸びていて、ローソンではアフターコロナの今後もこの傾向が続くと見ている。

 コンビニの食品というと、弁当やおにぎりなど、工場で作って売るものというイメージも強いが、今後はそうした商品を減らしてでも、冷凍食品やスイーツ、店内のキッチンで調理する「まちかど厨房」など、ニーズが高まっている商品ジャンルを強化していくという。

 工場生産の弁当から冷凍食品と「まちかど厨房」へのシフトにはいくつかの効果がある。まずは利用者にとっての利便性と美味しさの向上だ。近年は冷凍技術と解凍技術の進歩で、冷凍食品のクオリティは向上し、さまざまな食品も冷凍で提供できるようになった。弁当と違い、とりあえず買って家の冷凍庫に入れておいて、数日後、食べたいときに食べる、といったこともできる。一方の「まちかど厨房」は、店内に調理室のある店舗に限られるが、工場の弁当に比べると出来立てを食べられるメリットがある。

 廃棄する食品、フードロスを減らすメリットもある。冷凍食品は賞味期限が長いので、売れ残りによるフードロスは発生しにくい。また、利用者がスーパーなどで食材を買って自身で調理するのに比べると、本来は廃棄されるような規格外の農作物なども使えるし、容器のゴミや生ごみも減らせる、あるいは適切な処理が行なえるので、環境負荷を減らせる。

実施中の店舗改装のポイント

 冷凍食品などへのシフトのため、今回のように新商品を投入していくとともに、店舗を改装し、売り場を変えていく。冷凍食品は冷凍庫や冷凍平台を増やし、同じく需要が増えているデザートについてもケースを増やし、レジ横のホットスナックについてはセルフサービス化も進める。

店舗改装の効果。冷凍食品は商品数も売り上げも伸びている

 店舗の改装は2021年上期に800店舗で実施済みで、理想的な改装が実施された店舗では、約5〜10%の売り上げ改善が見られているという。2021年度中には合計で約5000店舗の改装を目指す。

ローソンだからできる品ぞろえを目指していく

 こうした工夫により、消費者に「ローソンの冷凍食品なら大丈夫だよね」という認知を広げ、2025年には2020年比で冷凍食品の売り上げを5倍にまで伸ばすことを目標としている。