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メルシャン2022年の事業方針説明会、販売目標は前年比104%

主要ブランドと新規ブランドでワイン市場の開拓を目指す

2022年2月2日 発表

メルシャン 代表取締役社長の長林道生氏(左)とマーケティング部長の山口明彦氏(右)

 メルシャンは2月2日、2022年の事業方針説明会を開催し、代表取締役社長の長林道生氏とマーケティング部長の山口明彦氏が説明を行なった。

 長林氏は、2021年を振り返り、国内のワイン市場は前年比で-10%となり、コロナ禍で外食産業が大きな影響を受けた一方、健康志向の高まりやあえて飲まないというニーズの高まりでノンアルコールやローアルコールのカテゴリーが伸び、エシカル消費の浸透でオーガニックワインのカテゴリーも伸びたとする。

 こうした状況下において、同社では若い世代を中心に間口を拡大する戦略を展開してきたが、販売数量(前年比)では市場全体の90%を下回る87%という実績しか残せず、北米のコンテナ不足などの影響もあり、輸入ワインでの苦戦が続いたという。

 同氏は、2008年以降、ワインの市場規模は拡大してきたが、ここ数年は頭打ちで、価格競争やブランドの同質化、コモディティ化などで、やや目新しさに欠ける状況にあると市場の課題を指摘。キリングループとして掲げるCSV(Creating Shared Value)経営を実践しながら、3月に立ち上げる「Mercian Wines」などの新たな商品群でワイン市場の開拓を図っていくとする。

 2022年の販売目標(前年比)は、市場全体の103%という見込みを若干上回る104%に設定。若年層を中心にウケている「おいしい酸化防止剤無添加ワイン シードル」やノンアルコールの「MOCK Bar」、プレミアムなチリワイン「カッシェロ・デル・ディアブロ」といった高成長が期待できる分野に注力しながら、新ブランドの「Mercian Wines」で新たな顧客層の獲得を目指す。

 国内製造の「おいしい酸化防止剤無添加ワイン」は3月上旬にリニューアルを図り、収穫後24時間以内に搾汁した果汁を使用するというこだわりを進化させるとともに、パッケージとして使用しているペットボトルを改良。34gから29gに5g軽量化することで、年間で約83トンのPET樹脂削減と約286トンのCO2排出量削減を見込んでいる。

新旧のペットボトルの比較。新タイプはボトルの中央付近に溝が切られているほか、くびれ方も微妙に異なり、軽量化しながらも強度を保っているという

 環境配慮の取り組みでは、「フランジア」のバッグ・イン・ボックスや「フロンテラ」のワインフレッシュサーバーの外箱や内袋、コックを改良。現行品より一回り小さくするとともに、約25%の軽量化を実現する。

 山口氏は、3月に新ブランドの「Mercian Wines」を立ち上げる背景を説明。贅沢な気分を求める声が大きくなる一方で、ワイン選びに自信が無いという消費者が多く、同社が持つ安心感や信頼感で新たなワインの価値を提案することで、市場の活性化につなげたいとする。

 ディスカバーシリーズでは、異なる原産国の2つのワインをブレンドすることにチャレンジ。世界の35のワイナリーの185種類のサンプルを吟味し、約300回の試作とブラインド調査により、日本人が好むであろう絶妙なバランスのブレンドを生み出したという。

 ラグジュアリー・コレクションシリーズ第1弾となる「メルシャン・ワインズ ボルドー」では、伝統に縛られるボルドーの中において、マルベックを復活させたいという情熱に燃えるヴィニョーブル・マンゴー社のジュリアン・マンゴー氏と協力し、“少し軽めでありながらエレガント”な新しいボルドーワインの開発に取り組んだとしている。