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ケンタッキーがバーガーに本気で向き合う理由

2022年10月11日 発表

発表会に登場した賀来賢人

 日本ケンタッキー・フライドチキンは10月11日、「ケンタッキーバーガー本気宣言」と題した発表会を都内で開催した。

目指すはランチタイムでの売上拡大

 代表取締役社長の判治孝之氏は冒頭で、「ケンタッキーは、ファストフードの中でもクリスマスや皆さんがお集まりになられる特別な日にご利用いただくということがかなり需要を占めるブランド」だとする一方で、「日常的に皆さまにも使っていただくということには、お客さまの観点からいっても、まだまださまざまな課題があるというふうに認識している」と説明。

 その上で、「魅力的な商品、魅力的なプロモーションを展開することによって、より多くの方にKFCの魅力をお伝えして、より身近なブランドになっていただきたい」と語った。

代表取締役社長の判治孝之氏

 具体的には、「オリジナルチキンのおいしさを実感できるキャンペーン」「ランチメニューの充実」「季節や時間帯などのニーズに合わせた商品展開」の3つの軸で価値を高めていく方針。あわせてデリバリー対応や、スマホアプリを中心としたデジタル戦略も加速させていくという。

 同氏によれば、ランチタイムの売上規模は全体の26.4%となっており、この時間帯に向けた商品やサービスを強化することで、さらなる売上拡大を目指す上で、重要な役割を担うのが今回のバーガーとなる。

 判治氏は、1枚肉だから実現できるジューシーさや食べごたえや、圧力釜を使って揚げたおいしさ、オリジナルのハーブやスパイス、さまざまな具材とのマッチングといった点で自社の商品が優れているとしながらも、「サンドという名称からイメージされる商品と、私どもが提供させていただく商品とのギャップがどうしても拭えないため、よりお客さまに想起していただきやすい名称に変更させていただく」と、“サンド”から“バーガー”に名称を変更する理由を説明した。

バーガー(サンド)の認知率は50%未満、まだまだ成長の余地あり

上席執行役員 マーケティング本部 副本部長 CMO 兼 マーケティング部長の小室武史氏

 続いて登壇した上席執行役員 マーケティング本部 副本部長 CMO 兼 マーケティング部長の小室武史氏は、さまざまな商品やお得なパック商品などを提案することで、「昨年度のケンタッキーの1日あたりの来客数は3年前と比較してプラス21%と大幅に増やすことができた」と振り返りながらも、「ケンタッキーにおけるバーガーの認知率は50%に届かないレベルになっている。まだまだ成長の余地がある」と指摘する。

 名称の変更とともに、定番2品に加え、新メニュー3品を投入、さらに、ランチタイム(10時~16時)にバーガーセットを100円引きで販売することで、同社としての課題を解決していくことにした。

バーガーと本気で向き合う賀来賢人、クリスピーバーガーの開発をリクエスト

 発表会の後半には、同社のテレビCMにカーネル・サンダース役で出演し、無類のケンタッキー好きを自認する俳優の賀来賢人も登壇。

賀来賢人

 好きなバーガー(サンド)を聞かれた賀来は、「暫定1位は和風チキンカツバーガー。あの和風感なのか、ちょっとギャップがあるバーガーというか、でもガツッとした食感で食べごたえがありながら、和風ならではの控えめというのがちょうどいい」と熱く語った。

 さらに、ケンタッキーに本気で作って欲しいバーガーを聞かれ、「カーネルクリスピーのバーガーが食べてみたい。結構、カーネルクリスピーを持って帰って、ご飯と味噌汁を食べる“クリスピー定食”というのをやっている。クリスピー自体の味がしっかりついているから、シンプルなバーガーとかも良さそう」と、ケンタッキー好きならではの発想を披露していた。

 その後、新作となるチーズチキンフィレバーガーとダブルチキンフィレバーガーを壇上で試食した賀来は、「チーズの本気がすごい。こってりしすぎず何個でも行けちゃう」「ケンタッキーがダブルで本気だと話しかけてくる」などとコメントし、バーガーと真剣に向き合っていた。

 なお、新作3品のうち、ダブルチキンフィレバーガーは期間限定で販売されたこともあるメニューで、全くの新作となるのは辛口チキンフィレバーガーとチーズチキンフィレバーガーの2品となる。いずれも使われる素材自体はオリジナルのチキンフィレバーガーと基本的に同じだが、それぞれ新開発のソースが用いられている。

 辛口チキンフィレバーガー向けには、10~20通りのスパイスの組み合わせから独自の辛口マヨソースを開発。本格的な辛さでありながら、旨味も感じられるバランスを目指したという。

 チーズチキンフィレバーガー用のチーズについては、骨なしケンタッキーに合うチーズを約10種類の中から厳選し、形状や厚みを0.1mm単位で調整したとのこと。実際に試食してみると、クリーミーなソースの味わいが口いっぱいに広がった。