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コカ・コーラ、電子マネーサービス「Coke ON Wallet」スタート

2022年11月10日 発表

 日本コカ・コーラは、11月下旬から電子マネーサービス「Coke ON Wallet(コークオン ウォレット)」の提供を開始する。

 サービスとしては、同社独自のポイント機能「Coke ON ポイント」とプリペイドサービス「Coke ON マネー」で構成される。インフキュリオンが第三者型前払式支払手段発行者となり提供される。

 Coke ON ポイントでは、キャンペーンへの参加やCoke ON Walletへのチャージなどでポイントを獲得でき、貯めたポイントは1ポイント1円で商品購入時に利用できる。

 Coke ON マネーは、Coke ON対応の自動販売機で利用できる電子マネーで、登録した銀行口座から1円単位(200円~)でチャージできる。1000円以上のチャージで5%のポイントが還元される。

 同社では、対応自販機を使って現金でCoke ON マネーをチャージできる「自販機チャージ」サービスを2023年内に開始する予定だとしている。

 サービスの開始にあわせ、11月下旬から2023年3月31日まで、Coke ON Walletのユーザーを対象に1000円以上のチャージで還元されるポイントを5%から10%に引き上げるキャンペーンが実施される。キャンペーンは予定額に達し次第終了となる。

 10日、都内で開催された発表会では、ベンディング事業部 シニアマネジャーの永井宏明氏が新サービス開始の背景を説明した。

日本コカ・コーラ ベンディング事業部 シニアマネジャーの永井宏明氏
インフキュリオン BaaSプラットフォーム事業部 マネジャーの藤岡茂一氏

 同氏は「我々として解決していきたいビジネス課題がある。コカ・コーラは2つの顔を持っており、1つは88万台の自動販売機を運営している小売店・リテーラーとしての側面で、無人の販売店でお客さまにどのように対応していくのかという課題がある。また、飲料ブランドのコカ・コーラとしては非常に多くのプロモーションキャンペーンを実施しており、よりフレキシブルで魅力的なキャンペーンを実現していきたいという課題がある」とした上で、それを解決するのが今回の取り組みだと語った。

 電子マネーとともにポイント機能を実装することで、今まで以上に柔軟な自販機前でのプロモーションが可能となり、例えば、よくお茶を買う人に対して同ジャンルの新商品を訴求するために多めにポイントを付与することを提案するなど、個々人に応じた施策を展開していくという。商品を購入するたびにもらえるスタンプなどの仕組みも従来通り利用できる。

 また、今後の計画として示された自販機チャージについては、現金購入の際の釣り銭を小銭ではなく電子マネーとして払い出したり、ポケットの中の小銭を自販機に入れて電子マネーにチャージし、貯金箱感覚で利用できるようにしたりすることを想定しているとのこと。

 Coke ON Walletの運用を担当するインフキュリオン BaaSプラットフォーム事業部 マネジャーの藤岡茂一氏によれば、同サービスはインフキュリオンのWallet Stationというプラットフォーム上で構築されており、企業の“オリジナルPay”を実現するための手段として、すでに大手のコンビニやスーパーマーケットで導入実績があるという。

 仕組み上、同じプラットフォーム上にある各サービスとは連携も容易だと考えられるが、藤岡氏は「技術的には可能だが、戦略的にそういったことをどのタイミングでどう実現していくかは、コカ・コーラ様と弊社の中で検討していく課題」だとしている。