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サントリー、水道水をミネラルウォーターに変えられるキャップ「minel」

5000名を対象にオンラインで抽選販売

2023年2月9日 発表

minelと専用ボトル

 サントリー食品インターナショナルは2月9日、水道水などを植物ミネラルエキス入りに変えられるペットボトル用キャップ「minel(ミネル)」を発表した。専用のECサイトで抽選販売を受け付けている。

 minelは、ヤシ殻活性炭からミネラルエキスを抽出し、手のひらサイズのキャップにこれを仕込むことで、水道水などをまろやかな味わいに変えられるようにしたもの。キャップ1個あたりに2mlの植物ミネラルエキスが入っており、専用のペットボトルに飲用水を約1.5L入れ、キャップを装着してひねることで成分が噴射される。塩素臭を抑える微粉砕竹炭なども配合されている。

 キャップは使い切りで、専用ボトルは洗って繰り返し使用できる。価格は、初回限定の「minelスターターセット」(キャップ6個+専用ボトル1本)が1380円、キャップ6個セットが1080円、専用ボトルが300円。

 専用サイトでの抽選販売は5000人を対象にしたもので、2月28日まで応募を受け付ける。当選者には3月中旬頃からメールで案内が届く予定。

minelのキャップ
ネジ山の切り方が通常のペットボトルとは異なるため、専用のボトルが必要となる

 9日に都内で開催された発表会では、代表取締役社長の齋藤和弘氏から新事業の狙いなどが語られた。

 同氏は、「サントリーが山崎蒸留所を建設してから今年で100周年となるが、そもそも良い水があることから、そこに建てられることになった」とした上で、「商品はほぼ飲み物で、地域と一緒に水の保全に取り組み、“水と生きる”ということを実際にやってきた会社」だと、これまでの歩みを振り返った。

代表取締役社長の齋藤和弘氏

 同氏によれば、健康意識の高まりを受けて近年、水の飲用量は増加傾向にあり、1人が1日に飲む水の量は2012年に546mlだったのに対し、2022年には約1.8倍の992mlに増加しているという。

 その傾向は今後も続く見込みである一方、世界的には人間が飲用できる水が不足するリスクが認識されており、同社としては、いかに水源となる森を守っていくかという観点で植林活動を行なったり、大学や地域と連携して研究活動を行なったりしている。

 そんな中で登場したminelについては、「小さな発明だが、水の新たな選択肢」だと紹介。同社が天然水ブランドで展開するミネラルウォーターは、20年以上かけて育まれた水を提供する“山のめぐみ”であるのに対し、minelはココヤシ由来のミネラル成分をキャップに充填し、家庭の水を一瞬でおいしくする“植物のめぐみ”だとする。

 ミネラルの特徴としては、カリウムを140mg含んでいるほか、塩素分解作用があり、弱アルカリ性に変える効果も併せ持っているとのことで、一般的な水道水と比べ、コクやまろやかさが増すとされている。

 また、従来のミネラルウォーターは、家の中でペットボトルの置き場所に困ったり、重いために買い物が大変だったり、飲み終わった後のリサイクルが面倒だったりといった課題があった。

 minelでは、3か月程度繰り返し利用が可能な専用ボトルを使い、コンパクトなキャップを1回ごとに取り付けて水道水でミネラルウォーターを作る形であるため、こうした課題を解決できる。使い終わったボトルやキャップも、プラスチックのリサイクルにまわす形で廃棄できる。

 齋藤氏は、「minelは植物由来の水を提案していく皮切りということになる。今後もさらにいろんな可能性を追求していく」としている。

minelの使い方