ニュース

スポーツ用品メーカーのミズノがノンアルビール「PUHAAH」を作るワケ

PUHAAH

 ミズノといえばスポーツ用品のメーカーだが、2022年4月からノンアルコールビール(ビアテイスト炭酸飲料)を販売していることはあまり知られていない。

「PUHAAH(プハー)」と名付けられた同商品は、運動後においしく感じられることを目指して同社が南信州ビールと共同開発したもの。開発を担当したグローバル研究開発部 統括課 エキスパートの近藤由佳氏によると、「創業117年の同社の歴史のなかで、口に入るものは、外部から仕入れて販売したことはあったが、イチから開発し、ミズノのマークを付けて売るのは今回が初めて」という。

 開発に着手したのは、コロナ禍の2020年。同社として、大人のスポーツをどれだけ楽しく広げるかを課題としており、「(運動後の)あの1杯のためなら頑張れる」という声に向き合うことから企画をスタート。

 ちなみに、激しい運動をした後には免疫力が低下することが知られているが、ドイツのミュンヘン工科大学のヨハネス・シェル教授らによる研究では、ノンアルコールビールを摂取すると、ホップに多く含まれているポリフェノールの抗炎症作用が発揮され、感染症にかかりにくくなるなどの効果が確認されているという。

グローバル研究開発部 統括課 エキスパートの近藤由佳氏

 さすがにアルコールは脱水症状の原因ともなり得るため、ノンアルコールビールを開発することにしたとのことだが、近藤氏は味わいにはかなりこだわったと振り返る。

 近藤氏によれば、運動後にゴクゴク飲めることをコンセプトに掲げたことから、走り込んだ後に試飲することを繰り返すなど、通常の飲料とは異なる流れでの開発が進められた。アロマが強いホップ(モザイク・カスケード)をしっかり入れ、フルーティーな香りに仕上げ、無濾過で瓶に詰めることでダイレクトにその風味を感じられるようにしたとのこと。同氏は、味わいしてはニューイングランドIPAに近いと語る。

 ノンアルコールビールというと、ビールの代替品のように思われることが多いが、スポーツ用品メーカーらしい発想でホップを使った飲料の新しい可能性を感じさせてくれる。

 現時点ではオンライン中心の販売で、ミズノが運営するフットサルコートやランニングステーションなどで販売されているとのこと。製造する南信州ビールがある駒ヶ根市では、ふるさと納税の返礼品としてPUHAAHを採用しており、そちらで入手するのもアリだろう。

長野県駒ヶ根市ふるさと納税