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新潟県、400g以上の特別な「のどぐろ」を“美宝(びほう)”としてブランド化

2024年6月17日 発表

「美宝」と名付けられた高規格のどぐろ

 新潟県は6月17日、県産の高規格のどぐろを「美宝(びほう)」と名付けてブランド化していくと発表した。

 のどぐろは、アカムツの別名で、赤い姿をした白身魚。喉が黒いことから、その通称で呼ばれている。脂がのったおいしさも手伝い、近年は高級魚として出回るようになっている。

 新潟県では、新潟米、錦鯉、ル・レクチエ(洋梨)、越後姫(いちご)、えだまめ、にいがた和牛、のどぐろ、南蛮えびの8品目を県の推進ブランドとして設定してアピールしているが、農林水産部 水産課長の河村智志氏によれば、観光・飲食業界からブランド化を求める声が多いことから、今回「美宝」というブランドを立ち上げることになったという。

ブランドを披露する新潟県知事の花角英世氏

 美宝というブランド名を冠するには、1尾400g以上と大型で、指定漁法(延縄・刺網)で3つの港(新潟漁協 山北支所および岩船港支所所属、上越漁協 筒石支所所属の指定漁船)の7隻により漁獲されたものであることが要件とされる。魚体に直接手を触れず、漁獲後に氷冷して魚体に氷が直接触れないように荷造りして出荷される。

 河村氏は、「新潟県ののどぐろの強みの一つは高鮮度であるということ。沿岸漁業が主体ということで、漁場の近いところから日帰りでその日のうちに水揚げする。その上で、現場の漁業者の方々がこれならば間違いないと高品質だと認めるようなものについて、今回の新ブランドとして選ぶことにした」と語る。

 サイズについても、400g以上という条件を設け、他県産のものより大きなものをブランド化することで、さまざまな調理が可能になる。また、県外に出荷するのではなく、美宝を目当てに新潟に食べに来てもらうことを目指すとしている。

 17日に都内で開催された説明会には、新潟県知事の花角英世氏が来場し、ブランド名の美宝を披露。美食評論家の中村孝則氏をアンバサダーに任命し、料亭 能登新 1代目店主の山貝誠氏が調理したのどぐろに舌鼓を打ちながら、ブランド化への期待感を語っていた。

「のどぐろ松笠焼き霜お造り 割肝醤油、魚沼山葵」(右手前)と「のどぐろ棒鮨」(左奥)