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北海道東川町、ふるさと納税の返礼品で和食の名店「紀尾井町 福田家」とコラボ

2024年11月22日 発表

(左から)JAひがしかわ 代表理事組合長の牧清隆氏、紀尾井町 福田家 4代目の福田貴之氏、東川町 町長の菊地伸氏

 北海道東川町は11月22日、和食の名店「紀尾井町 福田家」とコラボレーションして開発したふるさと納税の返礼品を発表した。

 東川町は、旭川空港から車で10分ほどの距離に位置する人口約8400人の町。国際的な写真フェスティバルが開催されることから、写真の町としても知られる同町だが、上水道システムがなく、大雪山の伏流水となる地下水で生活が営まれており、その良質な水はおいしい米や野菜の生産にも使用されているという。

 今回の企画は、東川町の地域力創造アドバイザーを務める丸橋裕史氏の発案により、東川町自慢の食材を、18年連続でミシュランガイドで二つ星を獲得している「紀尾井町 福田家」の手によって最もおいしく食べられるように考えられたレシピとともに返礼品として提供するというもの。

「紀尾井町 福田家レシピで味わう東川米と東川野菜」と名付けられた今回の返礼品は、夏(2025年8月上旬)と秋(2025年10月上旬)に届けられる。寄付額は3万円で、100セット限定となる。11月22日18時から特設サイトで予約を受け付けている。

返礼品のボックス
「健康ひがしかわ米ゆめぴりか」と「大雪旭岳源水」

 内容は、健康ひがしかわ米ゆめぴりか(1合×4袋)、大雪旭岳源水(500ml×2本)、東川野菜、レシピ(動画付き)となる。野菜は、夏発送がトマト、ブロッコリー、スイートコーン、ホウレンソウなど、秋発送がじゃがいも、ニンジン、シイタケ、切り干し大根など。

 22日に開催された発表会では、秋野菜用のレシピとして、「東川ポテトサラダ」「切り干し大根サラダ」「切り干し大根煮」「切り干し大根コロッケ」「揚げじゃが芋の味噌煮」「椎茸と筍の肉味噌」の6品が披露された。

今回の発表会では6品が公開された

 紀尾井町 福田家 4代目の福田貴之氏によれば、昨年の夏頃に依頼があり、実際に東川の米や野菜を食べてみたところ、その素晴らしさに感銘を受けたという。そこから1年ほどかけてレシピを開発してきたが、「料理人がいかに勘と経験に頼っているかが分かった。一般の方に分かりやすくレシピを提供するにあたって、しっかりと分量配分を確認しながら、トライ&エラーしながら仕上げてきた」(福田氏)という。

 レシピとしては、高級料亭というよりも家庭料理のイメージに近く、同氏は「料理人もまかないを毎日作るが、料理人にはその延長線上で考えてほしいと伝えて開発してもらった」と語る。レシピでは、難しい技を排除しつつ、素材のおいしさを引き出す方法が紹介される。

 東川町の菊地伸町長は、「今回、福田家さんに素材の魅力を活かしたレシピを作っていただき、ひがしかわ株主制度(ふるさと納税)の返礼品として企画させていただいた。ふるさと納税だけすればいいとは考えておらず、東川米、東川野菜の魅力が向上して価値が上がっていくのがこの取り組みの目的。JAとも連携して東川農業を盛り上げていきたい」と語る。

 JAひがしかわ 代表理事組合長の牧清隆氏によれば、東川町では東川米のブランド化を目指し、世界最先端の精米設備をひがしかわライスターミナルに導入。同設備では微量の糠層を残す形で精米することで、マグネシウム、ビタミンB1、食物繊維といった栄養価を残しつつ、食味も通常の精米と遜色なく仕上げられるという。

炊きあがった「健康ひがしかわ米ゆめぴりか」

 福田氏は「お米が生きれば何でもいい。白米を主役にしたかった」と、今回のレシピ開発において、そんな東川米のおいしさを伝えることに注力したことをアピールする。

 ちなみに、菊地氏のイチオシは「切り干し大根サラダ」、牧氏のイチオシは「切り干し大根コロッケ」とのことだ。

試食の様子