ニュース
日本洋酒酒造組合、ジャパニーズウイスキーのロゴマークを制定
2025年3月27日 10:01
- 2025年3月27日 発表
日本洋酒酒造組合(JSLMA:Japan Spirits & Liqueurs Makers Association)は3月27日、ジャパニーズウイスキーの認知向上に関する取り組みについての記者会見を開催し、ジャパニーズウイスキーのロゴマークを制定したと発表した。
JSLMAでは、2021年2月に「ウイスキーにおけるジャパニーズウイスキーの表示に関する基準」を制定。この自主基準の実効性を高めるとともに、国内外においてジャパニーズウイスキーの認知を向上させ、一目で識別できるようにすることを目指してロゴマークが制定された。
デザインとしては、ウイスキー樽鏡板の中央に「JW」、その周囲に「JAPANESE WHISKY」と「JSLMA」が配置されている。
今後は自主基準の法制化に向け、酒類業組合法に基づく地理的表示(GI)の指定を目指すとともに、製法品質表示基準について国税庁と検討を進めていくとしている。
理事長の塚原大輔氏(サントリー)は、「2021年2月にジャパニーズウイスキーの表示に関する基準を制定した。制定の背景には、外国産の原酒のみを使用したウイスキーをジャパニーズウイスキーとして輸出販売する、日本の酒税法上、ウイスキーとは言えないブランドが海外においてウイスキーとして販売されるなど、お客さまに一部混乱を招いているとの課題があった」と振り返る。
その上で「ここまで培ってきたウイスキーづくりの評価を毀損することなく、ジャパニーズウイスキーの定義を明確化し、国内外に明らかにすることによって、お客さまの混乱を避けるために、この自主基準を制定した」とする。
この基準は一定の経過措置を経た後、2024年4月に本格的に施行。しかし、昨夏に行なった調査では、ロサンゼルスやニューヨークの販売店では定義に適合しない製品がジャパニーズウイスキーとして販売されている事例が20%弱となっており、定義の認知度が十分とは言えない状況になっている。
そこで今回のロゴマークを制定し、改めてジャパニーズウイスキーの定義とそれに伴う品質の高さの認知拡大を図っていくことにしたという。
単にロゴマークを作るだけでなく、地理的表示(GI)の指定を受け、生産基準に合致しない模倣品の流通を防いだり、国税庁に製法品質表示基準の制定を求め、表示全般のルールを定めることで消費者が違いを認識できるように働きかけていく方針。
ただ、国内において「ジャパニーズウイスキー」と「国産ウイスキー」という呼び方で区別していくことは比較的容易だと考えられるが、米国などの英語圏においては日本製のウイスキー全般を一般名詞として「Japanese Whisky」と表現する場合もある。ジャパニーズウイスキーの定義に合致しない国産ウイスキーを海外でどう呼ばせるのかについては議論の余地がありそうだ。