ニュース

これからのサブウェイを表現したヨコハマベイサイド本店がオープン

2025年4月10日 オープン
親会社のワタミ 代表取締役会長兼社長CEOの渡邉美樹氏

 サブウェイ(WATAMI FAST CASUAL)は4月10日、横浜赤レンガ倉庫近くに「サブウェイ ヨコハマベイサイド本店」(神奈川県横浜市中区海岸通4-24)をオープンした。オープンを前に親会社のワタミ 代表取締役会長兼社長CEOの渡邉美樹氏が同店舗での取り組みについて説明した。

 ワタミは2024年10月に日本サブウェイを子会社化。売上については前年比110%の水準で推移しており、渡邉氏は「手応えを感じている」と語る一方、「昼に強く、夜に弱い」「野菜へのこだわりを伝えきれていない」「コーヒーがおいしくない」「居住性がよくない」といった課題を指摘。これからのサブウェイの方向性を明確にするのが今回オープンする旗艦店だとする。

店舗限定の新メニュー

 その上で、焼肉の和民で培ったノウハウを活かした「牛カルビチーズ」(990円)、居酒屋の和民の人気メニューの和民サラダで使っていたカニマヨをアレンジした「シーフードグラタン」(690円)を店舗限定の“グルメサブ”として発売することを明らかにした。

牛カルビチーズ
シーフードグラタン

 さらに、こだわりの野菜をアピールするため、有機のワタミ(ワタミオーガニック)とコラボし、パンではなく、レタスで包むサンドイッチ「サラダラップ」を開発。「チリチキン」(620円)、「てり焼きチキン」(670円)の2商品を期間限定で販売する。

サラダラップ チリチキン
サラダラップ てり焼きチキン

 また、新たに策定したサブウェイ基準に基づき、「日替わりサラダ」(680円)も用意。ハム、たまご、サラダチキン、BLT、ツナといったバリエーションのサラダを日替わりで提供していく。価格についても、今までのサラダより200円ほど値下げしての提供となる。

日替わりサラダ

 渡邉氏がおいしくないと指摘していたコーヒーについては、ファストフードで一番おいしいコーヒーを目指し、アラビカ種100%のスペシャルティドリップコーヒーへとブラッシュアップし、店舗限定で提供していく。豊かなコクと甘みを生み出すブラジル産、適度な酸味を生み出すコロンビア産に加え、フルーティーさを表現するコスタリカ産の豆をブレンドしている。

 価格はSサイズ(165ml)が180円、Mサイズ(210ml)が260円。同氏によれば、価格は25%下げたが、原価は4倍になっているとのことで、「フルーティーさに自信がある」としている。

ブラッシュアップされたコーヒー

 渡邉氏は、「サブウェイの場合、ローカルメニューがうまくいっているところが世界中でうまくいっている。商品の決定権、味の決定権を私たちが持っている。その国、その国で本当においしいというものをサーベイとして作っていいですよと。だから今回、和民の焼肉とか和民の居酒屋とジョイントできたということ。今後についても我々の40年間の外食キャリアがある。例えば、醤油ドレッシングもそう、マヨネーズドレッシングもそう。正直言って、もっとおいしくなると思っている」と語り、日本の消費者にとって魅力的なメニューの開発を推進していく方向性を示した。

 一方で、サブウェイ側から居酒屋や宅食といった既存事業へのノウハウの共有については、「サブウェイとして守らなければいけない約束事もあるので、簡単にはできない」としながらも、「そこで学んだことは、しっかりと他の居酒屋などにも活かしていきたい。ただ、一番大きいのは仕入れや物流。これについてはワタミグループ全体において大きなプラスが生まれてきている」としている。

 このほか、小麦粉アレルギーへの対応を求める声に応えるため、秋頃までをめどに米粉のパンを開発していることが明らかにされた。

これからのサブウェイを表現した旗艦店

 今回の店舗は、「フレッシュフォワード2.0」という位置づけで、新たな内装を採用。パンの種類や焼き方、トッピング、ドレッシングなど、細かくオーダーできるのがサブウェイの魅力の一つだが、その一方で店頭で頼むのが面倒くさいという声もあり、新たにキオスク端末によるセルフオーダーシステムを導入。モバイルオーダーとあわせ、注文が面倒というネガティブなイメージの払拭を図っていく。

 出店計画については、最終的にはマクドナルドに匹敵する3000店舗を目標に掲げつつ、2034年時点で1065店舗まで段階的に店舗数を増やしていく方針。その多くはフランチャイズとなる見込みだが、首都圏の一等地に直営店を出店することでブランド価値を高めていくという。

 アグレッシブな出店計画を支えるのは、いわゆるスキマバイトの仲介を手掛けるタイミーとの業務提携となる。

 タイミー 代表取締役の小川嶺氏によれば、2023年5月に店長以外は全員タイミーのワーカーという居酒屋「THE 赤提灯」を東京・新橋にオープンし、2年かけて事業性を検証してきたが、支障なく店舗を営業できただけでなく、顧客満足度も高評価だったとして、飲食店の運営自体を請け負うビジネスモデルにチャレンジすることにした。

タイミー 代表取締役の小川嶺氏

 スキマバイトではキャリア形成が難しいとされるなか、タイミーではスキルを事業者が認定する「バッジ機能」を導入。バッジを持っていると高い時給の募集が届くようにすることで、労働の質の向上に取り組んできた。

 ヨコハマベイサイド本店においては、THE 赤提灯の場合と同じく、店長はワタミグループの社員だが、それ以外のスタッフはタイミーのワーカーとなる。さらに、今後、新宿にオープンする店舗では、もう一歩踏み込んで、タイミーの社員が店長、他のスタッフがタイミーのワーカーとなる。

 これを実現するため、サブウェイの世界基準のスキルに基づき、タイミーが研修設計を行ない、マニュアルの整備や研修を実施していく。タイミー側で育てた人材は、新店舗に経験者を送るなど、店舗間で融通することも念頭に置かれている。また、ワタミ側では、気に入ったワーカーを無料で引き抜くことができるタイミーならではの制度も活用することで、出店のペースアップを図っていく。