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サブウェイが「サンド専用ドリップコーヒー」を開発した理由

2025年9月26日 取材
サンド専用ドリップコーヒー

 サブウェイ(WATAMI FAST CASUAL MANAGEMENT)は、10月1日から国内全店舗で提供する「サンド専用ドリップコーヒー」に関する説明会を開催した。

 ワタミが2024年10月に日本サブウェイを子会社化し、順次ワタミ流の改革が行なわれてきたが、コーヒーについてはワタミ 代表取締役会長兼社長CEOの渡邉美樹氏が課題として指摘していたもの。全国展開に先立ち、旗艦店として「サブウェイ ヨコハマベイサイド本店」をオープンした際に、試験的に導入していたものを全国展開することになる。

 マーケティング本部 部長の海野徹基氏によれば、渡邉氏が海外の飲食店を視察するなか、ダンキンドーナツがドーナツにあうコーヒーを展開していることに触れ、サブウェイとしてもサンドイッチにあうコーヒーを提供する必要があるとして、コーヒーのリニューアルを決断。パンやハム、チーズといった塩気を感じる食材にあわせ、すっきりとした飲み口のコーヒーを実現するために試行錯誤を重ねたという。

マーケティング本部 部長の海野徹基氏

 サブウェイの看板商品ともいえるBLT(Bacon Lettuce Tomato)を一番おいしく体感できるように設計しているとのことだが、当然、他のサンドイッチにもあうようになっており、海野氏は「好きなサンドイッチと新しいコーヒーのペアリングを楽しんでいただき、自分にベストマッチな組み合わせを見つけてほしい」と語る。

 コーヒー豆の仕入れ担当者によれば、今回のリニューアルでは「アラビカ種100%とすることで、繊細な味わい、甘さ、風味、香りを存分に表現できている」とした上で、クリアな味わい、コーヒー豆そのものが持っている個性、適度な酸味と甘み、滑らかな口当たり、心地よい余韻の5つのコンセプトでバランスを追求したと説明する。

サブウェイのBLTサンドイッチ

 ナッツのような味わいとコク深さを生み出すブラジル産、マイルドな味わいとさわやかな酸味を生み出すコロンビア産、甘さやフルーティーな感じを生み出すコスタリカ産の豆を組み合わせることで、サンドイッチにもあうが、単体でもおいしく飲めるようにしている。

 従来のコーヒーとの違いとしては、豆本来の個性と焙煎の見直しにより苦味を抑えており、その結果として酸味や甘みといった他の要素が生きてくるようになったという。

 また、オペレーションについても、新たにコーヒーマシンを導入し、注文を受けてから一杯ずつドリップして提供する形に変更。これにより、コーヒーの香りしっかりと感じられるようにしている。

新たに導入されたコーヒーマシン

 海野氏によると、今回のリニューアルは主にホットコーヒーを対象にしたものとなっており、価格についてもSサイズ(165ml)が180円、Mサイズ(210ml)が260円と攻めた設定になっている。渡邉氏曰く、価格は25%下げたが原価は4倍になっているとのこと。

 アイスコーヒーについてもアラビカ種への切り替えを行なっているが、こちらは価格は据え置きとなっており、順次アップデートしていくとしている。

10月1日からはリニューアル記念としてコーヒー購入者にコーヒーホルダーがプレゼントされる(なくなり次第終了)