ニュース
アサヒビール、ノンアルのポジティブな印象作りを目指して「スマドリ」施策強化
2025年4月11日 19:14
- 2025年4月11日 発表
アサヒビールは4月11日、「スマートドリンキング」の取り組みに関する発表会を開催し、アサヒビール スマドリマーケティング部長 兼 スマドリ 代表取締役社長の高橋徹也氏が2025年の方針を説明した。
同社では、お酒を飲む人、飲まない人のどちらにとっても、お酒との良い関係を長く楽しめる社会を作ることを目指し、2020年にスマートドリンキングの名称でさまざまな取り組みを実施していくことを発表。
その後、2021年にアルコール度数0.5%の微アルコール飲料「アサヒ ビアリー」、2023年に度数3.5%の「ドライクリスタル」、2024年に度数0.00%の「アサヒゼロ」といった商品を発売。2022年にはスマドリ株式会社も設立され、渋谷にSUMADORI-BARをオープンしたり、吉本興業とコラボしたプロモーション施策を実施したりしている。
高橋氏は、「2025年はさらなる飛躍を目指し、次なるステージへ挑戦していきたい」と語った上で、これまでの目標の達成度合いを紹介。認知率では、2025年までに40%を目標としてきたが、2024年の段階で約50%とすでに達成しており、2025年は60%超を目指していく。
スマートカテゴリーに位置づけられる商品の購入者も、2025年までに2300万人という目標を掲げていたが、2024年時点で2360万人となっており、3000万人を中長期の目標に掲げるという。一方、スマートカテゴリーの商品が全体に占める割合については、2025年までに20%超を目標としているが、2024年時点では16%となっており、商品の選択肢を増やしながら目標達成を目指していくことになる。
同氏は、95%の人が20代でお酒にエントリーするが、最初の体験で楽しめたかどうかがその後の飲用意向に大きく影響するため、エントリー段階でいかに楽しい体験を提供できるかが重要だと指摘する。
エントリー層のノンアルコール飲料に対する声としては、「飲み会でノンアルを飲むことが逃げや甘え」という周囲の発言が気になる、自分向けとは思えない、味への不安、飲用できる場所が少ない、といった声があることから、こうした障壁をいかに取り除いていくかが課題だという。
そこで、2025年は「ノンアルコールのポジティブイメージを醸成する」を戦略テーマとして掲げ、既存の取り組みを強化していく。
新たな取り組みとしては、「スマドリ共創プロジェクト」をスタート。同社とよしもと芸人、日常的にお酒を飲まない若者たちの3者で、飲まない若者たちが本当に試したくなるスマドリの原体験を生み出していく。
具体的には、チョコレートプラネットの2人がアンバサダーに就任し、デジタル上でオリジナル番組を制作し、お酒を飲まない長田、飲む松尾のそれぞれの視点や立場から互いに意見を出し合い、若者からの共感を得ながらプロジェクトを盛り上げていくことを目指す。
また、渋谷に開設したSUMADORI-BARで蓄積した3年間のノウハウを活かし、「#SUMADORI Me」の名称で名古屋、大阪、福岡に加え、韓国・ソウルでポップアップイベントを開催。SUMADORI-BARのシグニチャーカクテルのほか、同社のノンアル商品を活用したモクテル(ノンアルコールのカクテル)を提供したり、アルコールパッチテストの結果に応じて自分に合うオリジナルカクテルを作るワークショップを体験したりできるようにしていく。
高橋氏によれば、日韓の20~30代の若者は文化やファッションのトレンドにおいてポジティブな相互作用を起こす可能性があることから、テストの意味合いも込めてソウルでもイベントを開催することにしたという。
このほか、秋には新商品を発売し、選択肢を広げていく予定。同氏は、「(お酒を)飲む人がスマートカテゴリーを飲むということに関しては比較的取れてきているが、課題は飲まない人がどうやってここに入ってくるかというところ。現在の商品群は基本的にはアルコール文脈のものが多い。それを超えたようなものをポートフォリオとして揃えていきたい。その辺の開発を今している」と述べ、飲まない人の嗜好を反映させた商品の開発を目指していることを明らかにした。
なお、4月12日~13日には岡山国際サーキットで国内最大の自動車レース「SUPER GT」が開幕する。同社では2024年から「ドライゼロ」ブランドでシリーズスポンサーとしてレースをサポートしているが、2025年はGT500クラスに参戦する1号車(TGR TEAM au TOM'S)、3号車(NISMO NDDP)、23号車(NISMO)、100号車(STANLEY TEAM KUNIMITSU)のチームスポンサーとしての活動も行なう。
高橋氏は「ブランドのイメージというところで、気持ちアガる瞬間をどうしていくといったときに、モータースポーツだけでなく、マラソンのイベントなど、気持ちアガるスポーツが終わった後の体験を軸としてやっている。2024年にやらせていただいて、非常に親和性があるというところが分かってきたので、今回少し拡大することにした」と説明していた。