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サントリー、“ベースのノンアル”「ZEROPPA」を飲食店向けに販売

2025年9月16日 発売
ZEROPPA

 サントリーは、さまざまな清涼飲料と割ることでノンアルコールメニューを作れる「ZEROPPA(ゼロッパ)」を飲食店向けに9月16日に発売する。

 ZEROPPAは、さまざまな清涼飲料と割ることで、お酒のような複雑な味わいや余韻を演出できる“ベースのノンアル”。ビールテイスト飲料が中心の飲食店のノンアルにバリエーションを持たせることが可能になる。

 商品としては、焼酎やウイスキーを蒸溜し、アルコール分を取り除いた焼酎エキスやウイスキーエキスを使用することでお酒らしい味わいを実現。ZEROPPA:清涼飲料=1:4で割る飲み方がオススメとされている。

 アルコール“ゼロ”で“パッ”と手軽にノンアルサワーを作れるということで、ZEROPPAという商品名が付けられている。容量は500mlで、価格は400円(税別)。

 発売に先立ち、7月18日に東京タワーフットタウンビルにオープンする「ノンアル∞STAND by ZEROPPA」で、同商品を使用した「ゼロよい 東京タワーサワー」(680円)などが販売される。このほか、8日からは二子玉川プレミアムビアテラス(東京都)、13日からIGアリーナ(愛知県)でも同様の取り組みが行なわれる。

ノンアル∞STAND by ZEROPPA

 ビール・RTD本部 ノンアル部長の福本匡志氏は、「お酒の価値はノンアルコールでも共通している」として、2010年発売の「オールフリー」や、それを機能性表示食品へと進化させた「からだを想うオールフリー」など、同社がさまざまなノンアルコール飲料に挑戦してきたことを紹介。

 消極的な選択肢という従来のノンアルへのイメージから脱却し、楽しいときの積極的な選択肢と認識されるようにしたいとして、「ノンアルをSMARTからFUNな飲み物に」という方向性で市場に向き合っていく方針を示した。

 2025年の上期も「攻めのノンアルしちゃおっか。」をテーマにしたマーケティングを実施しながら、4月にサワーテイストの「オールフリー クリア」を発売するなど、裾野の拡大に取り組んできた。

 しかし、家庭向けの缶商品については、さまざまなバリエーションの商品が展開されているが、飲食店ではビールテイストのノンアルしかないことも多く、さらなる市場拡大には飲食店での選択肢の提供が課題だとして、下期は飲食店でのノンアル体験の拡大に取り組んでいくとする。

 とはいえ、飲食店では商品の保管スペースに限りがあるため、既存のメニューにある清涼飲料と組み合わせてノンアルサワーが作れる“ベースのノンアル”を開発することにしたという。

 スピリッツ・ワイン開発生産本部 スピリッツ・ワイン商品開発研究部の宮嶋麻由氏は、「従来のノンアルはビールやレモンサワーといった既存のお酒のカテゴリーをノンアルに置き換えるというアプローチだったが、ZEROPPAの開発においては、目標とするカテゴリーは置かず、さまざまな清涼飲料と割ることでお酒のような複雑な味わいや余韻を楽しめるようにすることを目指した」と語る。

 さまざまな清涼飲料との相性のよさを実現するため、イメージしやすいジュースや炭酸飲料はもちろんのこと、お茶やコーヒーなど、領域を限定せずに試飲を実施したのだとか。

 味わいとしては、あわせる飲料によっても差が出てくるが、最初に酸味や甘み、お酒のような香りを感じ、飲み込んだあとに長く続く余韻が出るように設計しているとのことだ。

 同社では、年内に1000店舗での取り扱い、中長期的には同社のノンアル取扱店の約10%に相当する5000店舗での取り扱いを目標に掲げている。福本氏は、お酒とノンアルを交互に飲みながら楽しむ「ゼブラ飲み」を飲食店での飲み方として提案していくことで、ノンアルをポジティブに生活に取り入れてもらうことを目指していくとしている。

ビール・RTD本部 ノンアル部長の福本匡志氏(右)とスピリッツ・ワイン開発生産本部 スピリッツ・ワイン商品開発研究部の宮嶋麻由氏(左)