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ソフトバンク傘下のumamill、韓国ファッション大手のPB向けにお菓子を輸出

2025年12月15日 発表
MUSINSA STANDARD HOMEブランドで販売されるクロワッサンラスク

 ソフトバンク傘下のumamill(ウマミル)は、日本食を輸出するB2Bプラットフォーム「umamill」が取り扱うクロワッサンラスクが韓国で発売されることを発表した。

 同社では、日本の食品の海外での需要が拡大する一方、貿易商流が十分に整っておらず、輸出が需要に追いついていないとして、輸出の際に必要とされる書類の作成やメーカーとの調整といった貿易実務もサポートするプラットフォーム「umamill」を立ち上げた。

 今回の事例では、日本の地域メーカーのクロワッサンラスク3フレーバー(シュガーバター、キャラメル、チョコレート)を食品輸入卸AF Solutionを通じて韓国に輸出し、現地ファッション企業のMUSINSAのプライベートブランド「MUSINSA STANDARD HOME」の商品として販売されることになった。

 商品は12月以降にECサイトの「MUSINSA」や韓国国内の「MUSINSA STANDARD ストア」(32店舗)で販売される。

 umamill 代表取締役CEOの松原壮一朗氏は、「日本の人口はこれからも減っていくと言われている。ただ、アジアを中心に世界の人口は増加しており、世界のマーケットに挑戦することが重要」だとした上で、「自由貿易圏が拡大すると、輸出もしやすくなるが、輸入もしやすくなる。どんどん海外のものが入ってくる。輸出をしない食品事業者は日本のマーケットは小さくなり、さらに海外のものが入ってくるという二重苦になってしまう」と述べ、世界の市場に目を向けるべきだと主張する。

umamill 代表取締役CEOの松原壮一朗氏(右)と海外営業部の古川量一氏(左)

 とはいえ、食品の輸出には物流コストや現地の法規制などの壁もあり、貿易商流の構築自体が難しい。そこで同社では、これまで日系のインポーターや華人インポーターというこれまでの流通経路を飛び越え、現地のメインストリームとなる市場にアクセスでき得るプラットフォームを構築。現在では1900のメーカー、6800SKUを取り揃え、11の海外市場で実績を積み上げてきた。

 今回の案件を担当した海外営業部の古川量一氏によれば、日本のメーカーは非日系のインポーターとの取引について、大幅な値引きや賞味期限切れの商品の販売など、ブランド毀損につながるような行為を心配し、慎重になることも少なくなく、現地のインポーターの間に立ち、具体的な流通経路や販売戦略を説明することで信頼醸成を図っているという。

 クロワッサンラスクは岡山県の中小メーカーの商品となるが、物流コストや関税などで販売価格が高くなりすぎないように物流を最適化することで、現地でしっかりと販売していける価格帯を実現。包装資材から見直しをかけ、専用デザインのパッケージを用意するとともに、現地の食品規制に適合した記載に調整。あわせて賞味期限の延長化をメーカーに働きかけることで、輸出に耐えうる品質を担保した。

 松原氏は、今回の事例以外に、よつ葉乳業のロングライフ牛乳をカナダに輸出していることや、世界各地のお菓子を寄せ集めてサブスクリプション型で販売するUniversal Yumsに対し、日本ボックスを来春から供給することが決まっていることを紹介。

 同氏は、2028年頃までに日本ナンバーワンの食品取扱数の供給ベンダーを目指すとしている。