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アサヒ飲料、甘くないカルピス「酸味カルピス」を飲んでみた

2026年事業方針説明会で「泡 MATCHA」「未来のLATTE」など新商品を多数発表

2026年3月12日 発表
アサヒ飲料「2026年事業方針説明会」

 アサヒ飲料は3月12日、2026年の事業方針説明会を開催した。出席者は、代表取締役社長の米女 太一氏、常務執行役員 マーケティング本部長の相田幸明氏、常務執行役員 SCM本部長の近藤佳代子氏。なお、3月24日付けで米女氏は会長に、近藤氏は代表取締役社長に就任する。

 冒頭では2025年9月29日に発生したサイバー攻撃によるシステム障害が起きたことについて陳謝したが、2月までに物流業務が正常化したことに加え、年内に新製品をいくつか発売することが発表された。まずはその新製品を紹介する。

「泡 MATCHA」をはじめとした4つの斬新な商品を発売

 アサヒ飲料では特別な飲用体験創出や社会課題解決につながる新価値創造商品の開発に取り組んでおり、さまざまなアプローチから開発した商品を今後発売する。

「泡 MATCHA」

発売日: 2026年下半期

「泡 MATCHA」は“フルオープン缶”を採用した国産の無糖抹茶。「無糖」と「ラテ」の2種類を展開し、2026年下半期の発売を予定している。現在のところ価格は280円~300円弱を想定している。

 試飲したところ「抹茶の奥深いうまみとほのかな苦みが楽しめる」と紹介したように、抹茶のすがすがしい香りが鼻と口の中を満たしてくれ、ザラリとした抹茶特有の舌触りも感じられた。缶から直接ではなく、今回は小さなカップでの試飲だったが、特徴の一つとして挙げている抹茶を点てた際の“泡”が再現されているのも確認できた。

「泡 MATCHA」
280mLのフルオープン缶で提供する

「未来のBLACK」「未来のLATTE」

発売日: 「未来のLATTE」2026年内、「未来のBLACK」2027年

 コーヒー豆を使用しないコーヒー代替飲料として開発された商品。気候変動の影響でコーヒー栽培に適した土地が減少し、コーヒーの生産量や品質の低下を招く「コーヒーの2050年問題」が開発の背景にある。代替素材、植物由来のカフェインを使用しており、詳細は明かせないが「代替素材としてよく用いられる豆類を使用している」とのこと。「BLACK」「LATTE」の2種類を展開し、BLACKは2027年、LATTEは年内の発売を予定している。

 LATTEを試飲したところ、コーヒー特有の香りはそこまで強くないが、ふんわりとした香ばしさが感じられた。商品化までにさらに味を磨いているというBLACKも期待して待ちたい。

「未来のBLACK」「未来のLATTE」
代替コーヒーの成長を見込んで商品化

「refrezz」(日本版)

発売日: 2026年9月

「refrezz」は海外子会社Asahi Beverages America, Inc.が米国で展開する微炭酸飲料。本商品は日本国内市場向けに味わいを再設計し「レモン&レモンバーム」「アップル&ローズマリー」の2種類を450mLのペットボトルで展開する。発売は2026年9月、価格は200円前後を予定。

 レモン&レモンバームとアップル&ローズマリーの2つを試飲してみたが、果実の香りがすごく立ち、ハーブは後から爽快感とともについてくる感じ。甘味も強くなく、微炭酸と相まって飲みやすさを感じた。乳酸菌飲料系のクセのある酸味を感じさせないように仕上げた印象。

「refrezz」(日本版)
カルピス由来の乳酸菌を配合

「酸味カルピス」

発売日: 2026年末テスト販売、2027年本格展開

「酸味カルピス」はブランド史上初の「甘くない」カルピスで、「一番すっぱい」という特徴も合わせ持つ。2回の発酵で製造されるカルピスだが、ファンイベントで「一次発酵乳」を試飲した参加者から「ぜひ商品化してほしい」という声があり商品開発を始めた。2026年内にテスト販売を開始し、2027年に本格展開を目指す。価格は現在のところ未定。

 試飲カップに顔を近づけると、プレーンヨーグルトのような発酵乳特有の香りがものすごく感じられた。味わいは紹介された通りの「酸っぱ!!!」というテイストで、なかにはむせこむ人もいるくらい、従来のカルピスとは一線を画す。カルピスは生みの親である三島海雲氏がモンゴルで出会ったすっぱい発酵乳が原点であり、オリジナルを感じさせてくれる体験ができた。

「酸味カルピス」
2027年に全国発売
一次発酵乳を使って製造
発酵食品の展望

既存ブランドと新価値領域の商品で成長を目指す

 事業方針については、代表取締役社長の米女太一氏が説明した。システム障害による物流の混乱が生じた中で、2日後には手作業で受注を開始し、マンパワーが足りない部署には人事異動で対応するなど、全社一丸となって問題解決に取り組んできたことを報告した。1月~9月までの実績だが、2025年度は注力商品の「十六茶」は販売数量が前年比111%、「ワンダ」は104%、「アサヒ おいしい水 天然水」は108%を記録した。

 経営方針は「既存ブランドの進化」と「新価値領域の創造」の2本立てで進めていく。既存ブランドは市場成長性やシェアが高い「無糖炭酸」「水」「乳性」「エナジー」に注力するとし、新価値領域については、先に紹介した「泡 MATCHA」「酸味カルピス」などを市場に投入する。そのほか、「CO2を食べる自販機」による資源循環ビジネスの拡大、サステナブルドリンク事業の強化などを挙げた。2026年度は「システム障害からの反転攻勢を目指します」と話したように、アサヒ飲料として前年比+1桁台前半(%)の売上を目指す。

アサヒ飲料株式会社 代表取締役社長 米女太一氏
2025年の総括
注力商品の実績
既存ブランドのカテゴリーポートフォリオ
2026年の販売計画

無糖炭酸や果汁飲料の新製品も投入

 マーケティング方針については、常務執行役員でマーケティング本部長の相田幸明氏が説明した。現在、マーケティングについてはAIを活用したプロセス改革を行っており、インサイト発掘、生声の検証、シーズの受容性の検証から商品コンセプト立案までを行なっている。AI活用によって生まれた時間は、大学生との共創を含む生声の収集、国内外のシーズの探索・収集に当てるなど、より効率的なマーケティング活動に使っているとのこと。

アサヒ飲料株式会社 常務執行役員 マーケティング本部長 相田幸明氏
マーケティング戦略

 先に紹介した商品以外では、炭酸水の新商品として「ASAHI TANSAN ORIGINAL」の発売を4月中旬に予定している。微発泡プレミアムテーブルウォーターとして、高級レストランや料亭をターゲットに販売する予定。もう一つは、フリーズドライ飲料の「OTONA TANSAN」で年内発売を予定している。資料には「グレフル&ボタニカル」と「レモン&ミント」の2つのテイストが記載されていた。OTONA TANSANは固形ブロックに水を注ぐことで炭酸飲料にするもので、作り立て・溶かして飲むワクワク感など「これまでにない体験価値の提供」と、水の運搬を必要としない物流コストの削減・容器レス・プラスチック廃棄量の削減といった「社会課題の解決」を見込んでいる。

無糖炭酸のカテゴリー戦略
「ASAHI TANSAN ORIGINAL」
フリーズドライ飲料の「OTONA TANSAN」

 そのほか、果汁飲料の価値を再提案する「Welch's プレミアム YAKIMA」を東京ミッドタウン日比谷のPOPUP SHOPで5月22~24日にテスト販売する。アメリカ・ワシントン州ヤキマバレー産の高品質なコンコードグレープ4房分の果汁を使用しており、「究極の濃厚ぶどう体験」を提供するとしている。

「Welch's プレミアム YAKIMA」
東京ミッドタウン日比谷で5月22~24日にテスト販売を行なう