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ニッカウヰスキーのフラッグシップバー「THE NIKKA WHISKY TOKYO」を一足先に見てきた

熟成樽を活かした店内で「生きるを愉しむウイスキー」を体感

2026年7月2日 オープン
ニッカウヰスキーのフラッグシップバー「THE NIKKA WHISKY TOKYO」が常設店に

 ニッカウヰスキーは、フラッグシップバー「THE NIKKA WHISKY TOKYO(ザ ニッカウヰスキー トウキョウ)」を創業記念日である7月2日に東京・南青山にオープンする。

 2024年に期間限定で運営し、想定を大きく上回る約1万5000人を集めたバーを常設店としてオープンするもので、同社のコミュニケーション・コンセプト「生きるを愉しむウイスキー」を体感できる場と位置付けている。オープンに先立ち6月12日に報道関係者向けの内覧会が開催され、ニッカウヰスキー 代表取締役社長の小野直人氏らが、バーに込めた思いを語った。

THE NIKKA WHISKY TOKYO(ザ ニッカウヰスキー トウキョウ)

オープン日: 2026年7月2日
営業時間: 月~金曜 17時~23時30分、土日曜祝日 14時~23時30分(ラストオーダーは23時)
所在地: 東京都港区南青山5-6-6 1階
席数: スタンディング含めておよそ30席
想定客単価: 3500円~4000円(「竹鶴 ゴッドファーザー」1杯が2300円+サービス料の予定)

THE NIKKA WHISKY TOKYO(ザ ニッカウヰスキー トウキョウ)
店内イメージ

創業90周年から100周年へ。「生きるを愉しむウイスキー」を体感する場

ニッカウヰスキー株式会社 代表取締役社長 小野直人氏(中央)、マーケティング部 スポンサーシップ&イベントチーム リーダー 友吉直紀氏(右)、同 グローバルマーケティング ミクソロジスト 中村純氏(左)

 小野氏がまず、ニッカウヰスキーの取り組みと本店に期待する役割を説明した。ニッカウヰスキーは2024年に創業90周年を迎え、次の100周年に向けた新たなコミュニケーション・コンセプトとして「生きるを愉しむウイスキー」を策定した。創業者・竹鶴政孝の「英国人がウイスキー相手にじっくり生(いきる)を愉しむように、酔うためでなく愉しむために飲んでほしい」という願いに沿い、ウイスキーが持つ豊かな個性や多様な楽しみ方を通じて、人生そのものを愉しんでほしいという思いを込めたものだ。このコンセプトのもと制作した新たなブランドアセットは、2025年のカンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバルで、インダストリークラフト部門のゴールドライオンを受賞している。

 課題であるウイスキー原酒の不足には、継続的な設備投資で対応を進める。北海道の余市蒸溜所には約70億円の設備投資を実施しており、ニッカウヰスキー全体として、2027年以降の貯蔵能力は2015年比で約5割増となる見込みだ。

 主力商品の価値向上にも取り組む。フラッグシップブランドの竹鶴ピュアモルトは、2030年に迎えるブランド発売30周年を見据えて「竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ」シリーズを開始し、第1弾を6月16日に国内外で数量限定発売する。2024年に立ち上げた「ニッカ フロンティア」は2026年春から韓国やフランスへの輸出を開始し、香港や台湾でも展開中。国内では7月14日に缶ハイボールを数量限定発売する。こうした取り組みを通じて、将来的にはプレミアムウイスキー以上のカテゴリーでグローバルトップ10入りを目指すという。

 そして創業記念日の7月2日にオープンするのが、THE NIKKA WHISKY TOKYOだ。小野氏は「デジタル化が進み、人々は利便性を享受する一方で、リアルなコミュニケーションの場が減少していると感じている」と現代の空気感を述べ、「私たちが作る商品や場を通じて、人と人との意味ある関係性構築の一助となることで、社会課題解決に貢献できれば」と、バーに込めた思いを語った。海外からの来店客には「ニッカウヰスキーというブランドを通じて、日本のウイスキー文化の奥深さを感じていただきたい」とした。

2024年のバーには想定の1.5倍、約1万5000人が来場

夜のTHE NIKKA WHISKY TOKYO

 THE NIKKA WHISKY TOKYOは、2024年8月7日~12月25日に期間限定で運営され、約1万人の来客見込みに対して約1万5000人が来場した実績を持つ。来場者は20~30代の若年層が約半分を占め、男女比はおよそ6対4。客単価は4000円強と高単価だったという。

 その後も、ウイスキーライブ・パリ、東京インターナショナルバーショー、世界のベストバー50(The World's 50 Best Bars)、ローズウッド香港など、国内外のイベントや会場でバー体験の発信を続けてきた。

 常設店として再始動する本店では、ウイスキーやカクテルの提供に加え、イベントやセミナーを開催し、ウイスキーの文化や魅力を広める発信拠点としての取り組みに注力する。利用客の多様なニーズに応えるため、ノンアルコールやローアルコールの選択肢も拡充するほか、グッズ販売も行なう。来店者数は、7月のオープンから12月までの6か月間で7000人を目標としている。

使用済みの熟成樽が迎える店内が「日常から非日常へ」

 続いて登壇した友吉氏は、店舗の詳細を説明した。目指したのは「新しいウイスキーの楽しみ方を、自由に、押し付けられることなく体験できる空間」だという。

 エントランスにはブランドアセット「NO LABELS」の実物を展示。入口から入ると、ウイスキーの熟成樽をモチーフにしたデザインが来店客を迎え、日常から非日常へと切り替わる演出が施されている。あえて天井を低くした廊下は「外界から切り離す移行の場」で、奥に進むにつれて開放的なバー空間が広がる構成だ。

「ニッカウヰスキー」のネオンがレトロかっこいい

 店内のオブジェやカウンターの素材には、使用済みのウイスキーの熟成樽を使用。ウイスキーが刻む時間やクラフトマンシップを感じられる展示も配置されている。

店内のオブジェやカウンターの素材には、使用済みのウイスキーの熟成樽を使っている

「ウイスキーは、好きに飲むのがいちばんおいしい」クラシックからネオクラシックまで

 メニューの冒頭に掲げられているのは、ニッカウヰスキー チーフブレンダー 井関潤治氏による「ウイスキーは、好きに飲むのがいちばんおいしい。」というメッセージ。ストレート、ハイボール、フロートハイボール、水割り、オン・ザ・ロック、ミスト、トゥワイスアップ、カクテルと多様な飲み方を挙げながら、「正解はないから、今日の気分でご自由に。迷ったら、目の前にいるバーテンダーが相談に乗りますよ」と呼びかける内容だ。

 ドリンクは、クラシックなウイスキーの飲み方から、最新のトレンドを取り入れた「ネオクラシック」カクテルまで幅広くそろえる。カクテルは、各ブランドのブランドマネージャーと1対1で対話を重ね、一つ一つにストーリーを持たせたという。メニューにはミクソロジストの中村氏が考案したカクテルも並ぶ。

オープン後に提供予定のドリンク

 内覧会では2種類のカクテルが披露された。「Taketsuru Godfather(竹鶴 ゴッドファーザー)」は、イタリア生まれのカクテル「ゴッドファーザー」のアレンジ。竹鶴ピュアモルトをベースに、開発中のニッカ アロマティック ビターズ、アマレットコーヒー(バレルエイジドコーヒー)、そして仙台味噌を加えた、日本のウイスキーの父・竹鶴政孝を感じさせる優しくも芯のある一杯だ。アルコール度数は34%で、価格は2300円+サービス料を予定する。

 もう1種の「Coffey Gin Bee's Knees(カフェジン ビーズニーズ)」は、1920年代の禁酒法時代に生まれた「最高のもの」という名を持つカクテルがモチーフ。ニッカ カフェジンにレモンと、京都の有名バー「Bee's Knees」のオリジナルはちみつを合わせたショートカクテルで、アルコール度数は26%となっている。

中村純氏がデモンストレーション
コースターのデザインにもこだわりが

若年層にも海外客にも「肩肘張らない」一杯を

 質疑応答では、若年層へのアプローチについて質問が挙がった。バーテンダー出身という友吉氏は「日本のバーの美しさは、どうしても敷居が高く感じられがち」としたうえで、立ち飲みもできるスタンディングスペースや、SNS映えするカクテルの用意により「気軽に入りやすい雰囲気を作っている」と回答。小野氏も「バーというと少し緊張してしまう方も多い。音楽や照明も含めて、肩肘張らずに楽しめる空間作りを意識した」と補足した。

 インバウンドの来店客に向けては、英語メニューを用意するほか、日本ならではの素材を使ったカクテルでアピールしていく考え。「ネオクラシック」という言葉については「伝統的なカクテルを現代風にアレンジするネオクラシックは、現在グローバルで非常に注目されている。ニッカの質の高いウイスキーをベースにすることで、世界中の方々に新しい驚きを提供できると確信している」(友吉氏)と説明した。

 創業記念日に産声を上げる、ニッカウヰスキーの新たな発信拠点。ウイスキーの個性や多様な楽しみ方を「押し付けられることなく」体験できるこの場所が、若い世代や海外の人々にとって日本のウイスキー文化の入口となっていく。