トピック

星野リゾート、リゾナーレ那須で味わう冬のディナー。旬の野菜や金目鯛、牛フィレをイタリアワインとともに堪能する

メインディッシュの「朴葉で包んだ牛フィレ肉のグリル」

 那須岳の山裾には豊かな自然を活かしたリゾート施設が数多くありますが、2019年11月にオープンした星野リゾートの「リゾナーレ那須」は、その土地の農業体験や自然体験ができる「アグリツーリズモリゾート」を掲げていることなどを特徴として、ファミリーやカップル、友人同士など、多くの人が訪れています。

 現在はメインダイニング「OTTO SETTE NASU」で、白葱やゆり根、金目鯛に苺など旬の味覚を堪能できる冬限定のディナーコースが2025年3月18日まで楽しめます。今回はこのディナーコースをメインに紹介します。

星野リゾート「リゾナーレ那須」の「OTTO SETTE NASU 冬限定のディナーコース」

期間: 2024年12月1日~2025年3月18日
コース料金: 大人 1万5730円、7~11歳 9100円、4~6歳6500円、ワインペアリングは別途8000円(サービス料込み)
提供時間: 17時30分開始/18時開始/18時30分開始
抵抗対象者: 宿泊者
予約方法: 公式サイトで3日前15時までに予約
Webサイト: リゾナーレ那須「OTTO SETTE NASU 冬限定のディナーコース」
※仕入れ状況により、提供内容を変更する場合あり

敷地内はウインター仕様のライトアップで美しく彩られているリゾナーレ那須

 OTTO SETTE NASUは、イタリア語で「地域×地域」を意味する「Regione×Regione(レッジオーネ×レッジオーネ)」をコンセプトにしており、イタリア・トスカーナ州の郷土料理を栃木県・那須に親しみのある食材を使用して提供するスタイルです。

 那須は農業や酪農が盛んな地域であり、野菜やチーズなどが豊富にあることもトスカーナ州に似ている点であり、コンセプトに通じるものがあるそうです。ちなみに那須塩原市の2020年の生乳産出額は北海道別海町に続く第2位で、北海道のほかの地域よりも盛んなのには驚きます。そして、OTTO SETTE NASUでは、厳選された自然派ワインを軸に、料理に合わせたワインペアリングも提供しています。料理と重なり合う至福のマリアージュに誰もが笑みがこぼれることでしょう。さぁ、珠玉の8皿を楽しめる冬限定ディナーコースを見てみましょう。

美術館のような趣きのOTTO SETTE NASU
夜にはさらに一段と落ち着いた雰囲気に
ワインは常時100種類をストックしているセラーの中から料理に合うものをチョイス
8品が登場する冬限定ディナーコース

1皿目:彩り豊かな小さな前菜

ペアリングワイン: ミネラルとフレッシュ感が特徴の白「ORI Vernaccia Di San Gimignano Rizerva」

芸術品のように彩り美しくディスプレイされた前菜

 華やかな見た目が美しい、誰もがテンション上がること間違いなしのアンティパスト(前菜)がまずは登場します。鱈とじゃがいものバッカラマンテカート、ホウレンソウとパプリカのパネトスカーナ、鶏レバーのソテー、ペルノー酒の泡を合わせたハマチのインサラータ、トマトのパン粥パッパコルポモドーロ、バルサミコ酢とカカオの茄子のカポナータ、季節の野菜のクロケット芽キャベツソース、カリフラワーのローストとリコッタチーズとカラスミ、豚肉のソプレッサータと、9種類の手の込んだ料理が始まりの合図がごとし、甘味、酸味、塩味、辛味、苦味とありとあらゆる味覚を揺り起こしてくれます。

細部まで手の込んだていねいな仕事に驚かされる

2皿目:農園のピンツィモーニオ

ペアリングワイン: 柑橘系の香りとすっきりした酸味を持つ白「Gavi」

イタリア語の「アグリクルトゥーラ(農業)」と「ツーリズモ(観光)」を掛け合わせた“アグリツーリズモ”を体験できる一品

 今度は食欲をわきたてる香りがサーブされる前から漂います。アンチョビとオリーブとニンニクが三位一体となったバーニャカウダソースで食べる自慢の野菜たちの登場です。近辺でとれた20~25種類の野菜をメインに、生産が盛んなチーズやヤシオマスも彩り豊かに舌を喜ばせてくれます。スティック状の野菜は収穫したような感覚で口に運びましょう。時には敷地内の農場でとれた野菜も並ぶので、アグリツーリズモの醍醐味を感じとれます。

濃厚なソースと旬な野菜の取り合わせは抜群!

3皿目:白葱のカラバッチャ

ペアリングワイン: サルディーニャ産で豊かで深みのある白「Vernaccia di Oristano」

栃木の白葱とトスカーナの掛け合わせがとても美味

 そろそろ温かいものが欲しいタイミングで登場するのがトスカーナ版のオニオングラタンスープ「カラバッチャ」。実はオニオングラタンスープのルーツであるともいわれています。タマネギではなく、栃木で生産が盛んな白葱を使ってアレンジすることで、ほのかな甘みとほどよいコク、チーズを使っている割には意外なほどスッキリとした軽やかなスープに仕上がっています。卓上で仕上げに振りかけるシナモンが上品かつ奥ゆかしさをプラスしているのもポイント。

シナモンの香りとわずかな辛味が料理を引き立てる

4皿目:岩魚と韮のトンナレッリ

ペアリングワイン: 柑橘系の爽快感のある香りと滑らかな舌触りの白「Sauvignon Winkl」

見た目からは感じられない濃厚な味わいに驚かされる

 舌の準備運動ができたところでパンチのあるパスタ料理の登場です。仕上げに杜松果(ジュニパーベリー)を使用したスモークで燻しているので、煙をまとった状態から料理が見えるまでは銀幕のスターが登場するかのようなワクワク感に否が応でも気持ちがたかぶります。鮮やかな緑のソースはニラと牛の小腸(パイヤータ)を使ったもので、ドスンと来るコクと旨味、ほのかな苦みが、食べ応えのあるトンナレッリ(断面が四角の極太パスタ)と相性抜群で、フォークを持つ手を止めさせてくれません。香ばしく焼き上げた岩魚も山の幸を感じさせてくれます。

スモークをまとって登場

5皿目:金目鯛のテガマッチョ ミントの香り

ペアリングワイン: 苺の香りが漂う日本ワインの赤「Kusaka Vineyards Rouge」

上品な身質の金目鯛にこれまた上品な色合いのハーブサラダが美しい

 熱を加えると燻製香が立ち昇るスカルモッツァアフミカータというチーズを金目鯛で挟んで焼き上げた5皿目。上にはアマランサス、シブレット、レッドソレルなどを使用したハーブサラダを美しく散らし、下には蕪や蕪の葉が入ったリゾットを敷き詰めるなど、大変手の込んだ一品です。赤ワインベースのテガマッチョスープが金目鯛の旨味を上手に引き出し、仕上げにひと回し注ぐミントオイルが爽快な香りを料理と一緒に口の中に運んでくれます。多種多様な香りと食感、それぞれの素材の味をじっくり堪能できる一皿です。

仕上げにテガマッチョソースとミントオイルをひと回し

6皿目:朴葉で包んだ牛フィレ肉のグリル

ペアリングワイン: 日本人がトスカーナで作ったミネラルたっぷりの赤「LUNA」

那須の自然という言葉が似合う、朴葉&味噌&牛フィレの取り合わせ

 メインディッシュは朴葉で包んだ牛フィレが登場。香りが楽しめる朴葉と味噌の組み合わせは昔からの鉄板レシピとして知られています。こちらの料理も上質な牛フィレ肉を味噌に漬け込み、炭火でじっくりと焼き上げたものを色づく秋の山をイメージさせる朴葉の香りが優しくエスコートしてくれます。そのまま噛んで口の中にあふれる旨味を味わうもよし、フレッシュトマトに柚子と唐辛子を加えたケッカソースを絡めて多重奏的な味わいを堪能してもよしと、味わいの楽しみがいくつも用意されています。素揚げした芽キャベツ、高温でローストした黄色人参、スチームしたゆり根といった冬に旬を迎える野菜たちも主役に負けない存在感を発揮しているので、口に運ぶ順番を迷うかもしれません。

ピリッと辛味のあるケッカソースが美味しさを引き立ててくれる

7皿目:林檎とヨーグルトのプリモドルチェ

スッキリとした味わいが心地よいドルチェ

 いよいよフィナーレに向けて、口の中を落ち着かせるかのように登場するのは林檎とヨーグルトを使ったドルチェ。エルダーフラワーのシロップと蜂蜜を絡ませた林檎の上には、甘口ワインのジュレとヨーグルトのエスプーマをトッピング。甘味と酸味で舌を洗い流すような、さわやかなひと時を楽しめます。

8皿目:苺とビーツのコンポジツィオーネ

最後を締めくくるのは苺づくしの一品。鮮やかな苺のコンポーネントはスパークリングワインで煮込んでいる

 ディナーコースの幕を下ろすのは苺づくしのメインドルチェ。赤の三重奏に緑色の差し色が美しく、大事に育てられた花のようなフォルムにはため息がもれます。トップのチュイルから味わうのも一興ですし、リモンチェッロとミントのソルベからでもOK。もちろん、栃木名産の苺やビーツを加えたムースもフレッシュでしっとりとした甘さを存分に味わえます。お腹も心も満たされ、那須の居心地のよさが記憶にしっかりと残るディナーであることは間違いありません。

自然林に溶け込んだリラックスできる客室

 リゾナーレ那須の施設についても紹介しておきます。客室は本館と別館に分かれており、6つの部屋タイプを用意しています。本館の「デラックスメゾネット」(定員4名)は、1階にリビング、2階にベッドルームを備えた62m2の客室。内装は緑をテーマカラーにしており、生い茂る森をイメージしたものになっています。大きな窓からも抜群のビューを楽しめますが、両フロアのテラスに出れば自然と一体になれる爽快感に包まれます。

天井が高く、開放感のあるデラックスメゾネット。床暖房完備なので冬でも暖かい
広いテラス席で自然に触れ合うこともできる

 別館にある「プレミア」(定員4名)は、水庭を設けた美術館のような外観の客室です。リビングとベッドルームは一体で、仕切りのない開放感のある作り。どこからでも大きな窓から景色を楽しめます。こちらの内装は赤がテーマカラーで、那須に咲き誇る花々をイメージしています。

別館のプレミアの前には水庭が設えてある
リビングとベッドルームを一つにした作り

いろいろな楽しみを見つけられる「POKO POKO」

 リゾナーレ那須の特徴の一つである施設が「POKO POKO」です。館内にある「Books&Cafe」では、アイスクリームやコーヒーなどのカフェメニューに加え、石窯で焼き上げた本格的なピッツァも楽しめます。加えて、生地を伸ばすところから始めるピッツァ作りも人気のアクティビティで、大人も子供も楽しめます。POKO POKOでは約4万2000坪の広大な土地を活かした自然に親しむ体験を案内しているので、新しい発見がきっとあるはずです。そして冬季は薪を使ったストーブが煌々と明かりを灯しているので、何気ない会話も暖かくはずむことでしょう。

カフェと子供向けのプレイルームが併設されたPOKO POKO
薪ストーブを中心に広々としたカフェスペース
ミルクジャムを活用した「牧場を救うミルクジャムフラッペ」(990円)
ピッツァ作りも体験できる(2000円)。仕上げはスタッフが石窯で焼き上げてくれる

本館にある朝食会場のビュッフェレストランと大浴場

 本館にはレセプションのほか、ビュッフェレストラン「SHAKI SHAKI」と大浴場があります。SHAKI SHAKIが用意する朝食では、たくさんの種類の焼きたてパン、和洋の美味しそうな料理、高原で育った野菜やフレッシュな牛乳など、多くのラインアップから好きなものを選べます。提供されているご飯は敷地内の水田でとれたコシヒカリなので、一度は味わってみてください。

ビュッフェレストランの「SHAKI SHAKI」では朝食も提供している
バラエティ豊かな和洋の料理から自分好みに選べる

 大浴場で提供されているお湯は実は温泉であることも紹介しておきましょう。星野リゾートが全国に7つ展開しているリゾナーレで温泉を提供しているのは熱海と那須だけなので、訪れた際はしっかりとお湯につかることをオススメします。夜は25時まで、朝は5時からオープンしているので、数回に分けて入浴するのもオツなものです。

源泉名は那須温泉。泉質は含硫黄-カルシウム・マグネシウム-硫酸塩温泉(硫化水素型)で、適応症は関節リウマチ、神経痛、アトピー性皮膚炎など

農作業を手軽に体験できるアグリガーデン

 農業体験も時間があればぜひとも参加してみてください。水田から畑やハウス栽培まで、その時期だけの農作業が貴重な体験になるはずです。同じ野菜でもあまり見かけないレアな品種も栽培しているので、野菜をもっと知る機会にもなります。タイミングが合えば、野菜の収穫体験も。

アグリガーデンでは年間100種類ほどの野菜を露地とハウスで無農薬栽培している
スタッフの指導のもと、さまざまな農作業を体験できる。収穫した野菜を持ち帰れるのもうれしい

 都会の喧騒から離れて、豊かな自然のなかでリラックスできるリゾナーレ那須。自然や農業体験、露天風呂を楽しんだあとは、少し贅沢な冬の味覚をじっくりと味わってみてはいかがでしょうか。満たされた時間は、明日からの活力になるはずです。

水田から見た那須の山々。ちなみに水田で収穫できたコシヒカリは2トンに上り、これから1年ほどはビュッフェレストランで提供する予定

星野リゾート「リゾナーレ那須」

所在地: 栃木県那須郡那須町高久乙道下2301
チェックイン/チェックアウト: 15時/12時
客室数: 43室
アクセス: 東北自動車道 那須ICからクルマで約20分、JR東北新幹線 那須塩原駅から無料送迎バスで約35分
通常料金: 1泊2万4000円~(2名1室利用時の1名あたり。朝食付き)
Webサイト: 星野リゾート「リゾナーレ那須」