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古民家風の店内でモーニングを味わう「珈琲屋らんぷ 大垣北店」に行ってみたら出光「スマートよろずや構想」に出会った
- 提供:
- 出光興産株式会社
2025年3月12日 00:00
バラエティに富んで高コスパなことが魅力の東海エリアの「モーニング」文化。朝の時間帯にドリンクを1杯注文すると、トーストやゆで卵などが無料で付いてくる独特のサービスですよね。
今でこそ愛知・岐阜発祥の喫茶店チェーンの全国展開で知られるようになりましたが、私が初めて利用したときは「えっ、どういうこと!?」と、おトク感にびっくりしたものです。今回はそんな東海エリアの喫茶店をご紹介! 向かったのは岐阜県大垣市です。
コーヒーがメインの純喫茶「珈琲屋らんぷ 大垣北店」
東海エリアを中心に約80店舗をフランチャイズ展開する「珈琲屋らんぷ」をご存知ですか? 今回おじゃましたのは、大垣駅からクルマで約10分の立地にある「珈琲屋らんぷ 大垣北店」です。交差点の角にあるので入りやすく、駐車場も広々(なんと50台以上!)。蔵造りの大きな店構えが目を引きます。
クラシックが流れる店内は、天井が高くてレトロな古民家風の造り。温かみのある照明でゆったり落ち着く空間です。ガラス窓からは日本庭園を模した中庭スペースを眺められるのもポイント。禁煙席、電子タバコ専用席、さらに喫煙ボックスも備えていて、総座席数は109席です。
注文したのは、一番人気だという「珈琲屋らんぷ大垣北店限定モーニング」。ドリンク代にプラス150円でトースト、ゆで卵、ミニデザートが付くというもので、トーストはエッグ、シナモン、あずき、マーガリンの4種類から選べます。らんぷレギュラー(ホットコーヒー)が480円なので、トータルでも630円です。
香り高い高級食パンを3cmほどに厚切りしたトーストは、もっちりやわらかでボリューム満点。セットのゆで卵とミニデザートまで食べるとかなりの満足感です。そして、深い苦みとコクを味わえる焙煎コーヒーがとっても美味しい! 「珈琲屋らんぷ」本部の前身が、コーヒー豆焙煎・販売会社だというのも納得です。ちなみに「珈琲屋らんぷ」は、スパゲッティやカレーといった食事メニューはなく、コーヒーを楽しむための“純喫茶”スタイルです。
店長の髙木由太さんによると、ここ大垣北店は、朝の散歩の途中でモーニングに立ち寄るご近所さんも多く、週末は6時半の開店時から並ぶ人もいるのだとか。11時過ぎからは、お昼ごはんついでにモーニングを注文する人が多いそうで、午後は14~15時の“ちょっとお茶でも”という時間帯に賑わうのだそう。
客層は時間によって変わり、6時半~12時までのモーニング帯のほとんどは年配客。お昼~夕方までは主婦や打ち合わせなどで使うビジネス用途、18時以降は勉強する近隣大学生の姿が多くなります。
店舗限定のサイドメニューが人気だという大垣北店では、旬の食材をとりいれたお昼12時以降の限定メニューを季節ごとに展開中。4月からは満を持してケーキセットが始まるそうですよ。
「おじいちゃん、おばあちゃんが、お盆や正月に帰省した家族を連れてファミリーで立ち寄ってくださったりします。“実家に帰ったらココ!”と思っていただいているようですね」と髙木店長。“帰る場所”のようなお店が地元にあるなんてうらやましい!
居心地がよすぎて長居をしたくなってしまう「珈琲屋らんぷ 大垣北店」ですが、なんとサービスステーションやクルマ販売・整備などを営む富士和商事という会社が運営しているのだそう。さらに髙木店長は、「道路の向かいの整備工場や駐車場の隣にあるコインランドリーも富士和商事がやっているんですよ」と言うではありませんか。
「ぇええ~!? サービスステーションをやっている会社が純喫茶!?」と興味津々になったところで、その富士和商事におじゃまして、そのユニークな経営方針を社長さんに伺うことになりました。
珈琲屋らんぷ 大垣北店をやっている富士和商事ってどんな会社?
ということで、珈琲屋らんぷ 大垣北店をあとにして向かったのは大垣市の東、安八町に本社を構える富士和商事株式会社です。今年で設立75年を迎えるという富士和商事ですが、藤井社長によると、創業は1866年と江戸時代の慶応まで遡るのだそう。
藤井社長「木曽川、長良川、揖斐川という3本の大きな川が流れているこのエリアは、昔は渡し船が欠かすことのできない交通手段でした。そこで、行き来する人が必要な塩や味噌・たまりなど提供する、今でいうコンビニみたいな生業から始まったと聞いています」
昭和25年(1950年)に富士和商事を設立したのが3代目。4代目がサービスステーション事業をスタートし、クルマの整備や修理・販売など今のモビリティ事業の基礎を作り上げたのが5代目で現会長、藤井社長のお父さんです。
そんな富士和商事は、出光興産が全国約6000か所に展開するサービスステーション「apollostation」を、このエリアで運営する特約販売店です。
現在富士和商事はセルフ3店舗、フルサービス1店舗の合計4店舗を運営。市場を見て、これ以上店舗を増やすことよりも「地域の足であるクルマの安全を守るということが、ガソリンを売ることと同じくらい重要なこと」だと考えた富士和商事は、クルマの整備工場を作ります。そのうちの1店舗がらんぷの向かいにあったフジワ・カーサービス大垣店です。
藤井社長「脱炭素社会へ向けた世界的な動きや人口減少で、サービスステーションが減少していくのは自明の理です。それでもガソリンなどの燃料はなくてはならない、必要なものですよね。だからこそ、拠点を維持するためにも、それ以外で提供できるものを用意しておかないと、と思いました」
出光興産は、全国に広がるサービスステーションというインフラ拠点を活用して、地域の課題を解決する「生活支援基地」へと形を変えていこうとする「スマートよろずや構想」を掲げています。
スマートよろずやは、多様なエネルギーを供給する「エネルギーよろずや」、モビリティサービスを提供する「モビリティよろずや」、生活面で役立つ「コミュニティよろずや」の3つのよろずやに分類されますが、「サービスステーションに来てくれたお客さまに、車検代を割引しますよというような声掛けをして、クルマの整備全体へとつながりを深めていくことは、スマートよろずやに通じるものがあるかもしれませんね」と藤井社長は話します。
また出光興産では、特約販売店向けのビジョン経営研修「出光経営カレッジ」を実施していて、藤井社長は10年前の第1期生なのだそう。
「それまでおぼろげにしか聞いたことがなかった会社の過去を調べて、富士和商事ってどういうことを目的にできたんだろう? 何を理念としてやってきたのだろう? ということをあらためて見直す機会になりました。自分のなかで“この方向性でいいんだ”という確信を持つことができたのは出光経営カレッジのおかげだと思っています」
今年で12年目の「珈琲屋らんぷ」を始めたきっかけ
「珈琲屋らんぷ 大垣北店」をオープンした12年前は、整備工場(フジワ・カーサービス)の店長を任されていたという藤井社長。富士和商事が珈琲屋らんぷをフランチャイズ運営するに至った経緯についてお聞きしてみました。
藤井社長「整備工場の南側の土地が空いたときに、何社かで競合となったのですが、整備工場などの敷地を広げるのではなく、来店されたお客さまがゆっくりしていただけるサービスを提供できないかと考えた現会長の頭の中に喫茶店が思い浮かんだようです。それが地主さんの思いと合致した感じです。想像なのですが、会長はリタイアしたら喫茶店をやりたいと思っていたんじゃないかなと(笑)それが少し早まった形ですね」
サービスステーションや整備工場を利用してくれる地域の人たちに、「1杯の珈琲で醸し出す静かで豊かなひとときを提供したい」と始めた事業が「珈琲屋らんぷ 大垣北店」なのです。珈琲屋らんぷに来る人は富士和商事が運営していることを知っている人は多いのでしょうか?
藤井社長 「なかにはご存知ない方もいらっしゃいます。クルマの整備やオイル交換などに来ていただいた際に、うちが喫茶店もやっていることを知ってくださるケースがありますね。ちょっと時間がかかる整備でも、1時間くらいなら待ちますというお客さまには、それじゃチケット出しますよという感じで珈琲チケットをお渡しするなんてこともあります」
もちろん、サービスステーションからも声掛けやDMなどで送客を実施しているそうで、サービスステーションから整備工場へ、整備工場から喫茶店へという循環ができあがっているとのこと。自然な感じでモビリティとコミュニティが融合していて、事業全体がまさに“よろずや化”していますよね。
2022年からはフィットネスジムの運営もスタートしたという富士和商事。高校生から60代まで幅広い世代が利用しているといいます。フィットネス事業は、「地域の人の健康を支える」を使命にさらなる事業展開を目指しているそうです。
面倒なカーメンテをちょっと楽しい時間に
藤井社長「クルマをぶつけたり壊れたりしたときの修理って、イヤだけど受けなくちゃいけないんですよね。車検だってやりたくてやる人はなかなかいません(笑)。やりたくないけど、富士和商事だったらおトクにできるよね、待ち時間にカフェで美味しいケーキを食べたり、ほかと違ってプラスアルファがあるよねと選んでもらう。不安や不満をうちならちょっとした楽しみにしてあげることができる、富士和商事は地域の皆さまにとってそんな存在でありたいと思っています。物価高の世の中では、そういった新しい付加価値を打ち出していかないとだめだと思っています」
サービスステーションを通じて知った頼れる整備工場の近くにコインランドリーがあって、その向かいには居心地がよくて美味しいコーヒーが飲める喫茶店がある。そんな場所が地元にあったら心強いですよね。藤井社長のお話を思い出していたら、また珈琲屋らんぷのモーニングが食べたくなってしまったのでした。
珈琲屋らんぷ 大垣北店
所在地: 岐阜県大垣市領家町1-83
営業時間: 6時30分~22時(ラストオーダー21時30分)※年中無休