おいしさの秘密と私のこだわり

王道のビーフの旨味ともっちり感を追求した「ファミマ・ザ・カレーパン」

ファミマ・ザ・カレーパン:130円

ファミリーマート 商品本部 ファストフーズ部 パン・半生菓子グループの佐々木高行氏

 ファミリーマートは、全23種類のカレー味の商品を一斉に展開する“ファミマ 夏のカレー祭り”を実施している。同キャンペーンに先立ち、今年3月23日には「ファミマ・ザ・カレーパン」が発売され、同時発売のファミマ・ザ・メロンパンとあわせて2週間で400万食を売り上げた。同社 商品本部 ファストフーズ部 パン・半生菓子グループの佐々木高行氏に開発の背景やこだわりのポイントを伺った。

――商品開発の経緯を教えてください。

佐々木氏:弊社でもカレーパンは惣菜系のパンでは定番ではあったんですが、決して売れ筋という数字にまでは至っていませんでした。一方で世の中では、惣菜系の代表はカレーパンということで、ランキングや食べ比べが行なわれる話題性もある商品であり、我々のところでの販売順位は妥当なのか、ということからスタートしました。

 お客さまによりおいしいと言っていただけるよう、製パンメーカーや原料メーカーとチームで研究・開発したのが今回の「ファミマ・ザ・カレーパン」になります。これまでは毎年リニューアルしてきましたが、商品名が示す通り、“ファミマのカレーパンはこの味”と思っていただけるよう、定番のロングセラーにすることを目指しました。

――どんな特徴があるのでしょうか。

佐々木氏:一番はやはり中のカレーです。王道のカレーとは何だろう? ということで、今回はビーフを選択しました。ビーフの旨味やソテーしたオニオンの旨味がしっかり感じられるような欧風カレーに仕上げました。

 従来の商品では、ポークを使ったり、チキンを使ったり、それはそれでおいしいのですが、若干ぼんやりしていたところもありました。一口にカレーパンと言ってもその定義は実に広く、おいしいカレーパンに答えはありません。つまり、選択肢がたくさんあり、北海道から沖縄までお客さんがいらっしゃるなかで、共通項は何だ、となった時、基本に立ち返ってビーフに挑戦しようとなりました。

 激辛だとか、特徴的な味のカレーを出せば一時的に話題にはなりますが、私たちの幅広い客層を考えると、それでは食べないという人も出てきてしまいます。何度も食べたくなるビーフカレー、それがゴールだと考えました。

ファミマ・ザ・カレーパン

――こだわりのポイントは?

佐々木氏:食べた時のパンの“もっちり感”にこだわりました。小麦粉の配合や製法の工夫により独特のもっちり食感を実現しました。

 また、値段を上げればもっとおいしさを追求できるかもしれないのですが、130円という価格も含めた上で最上級のものを提供することにもこだわりました。

――どんな人に食べてもらいたいですか?

佐々木氏:コンビニで惣菜パンを買われる方というと、男性が主なターゲットということになりますが、「ファミマ 夏のカレー祭り」を実施していますので、普段コンビニで惣菜パンを買わないという人にも試していただきたいと思っています。

 弊社の惣菜パンの中では「大きいウインナー」が絶対王者としてトップに君臨しており、「たまごドッグ」「焼きそばドッグ」なども根強い人気があります。そんな中で発売した「ファミマ・ザ・カレーパン」ですが、「大きいウインナー」に次ぐ人気商品となっています。

 常温でもおいしいですが、レンジで温めたり、トーストして軽く表面を焼いてカリッとさせて通常の食べ方とは違った美味しさも楽しんでもいただきたいですし、他社の商品も含め色んなカレーパンと食べ比べていただき「ファミマ・ザ・カレーパン」のおいしさを知っていただきたいですね。