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KDDI、フードデリバリーの「menu」に50億円出資

2021年6月2日 発表

KDDI パーソナル事業本部 サービス統括本部 副統括本部長の多田一国氏(左)とmenu 代表取締役の渡邉真氏(右)

 KDDIは、フードデリバリー事業を展開するmenuと資本業務提携契約を締結したと発表した。6月1日付で50億円を出資して株式の20%を取得、持分法適用関連会社化している。

 両社では、今回の提携を契機に、キャンペーンなどを通じてアプリ上での相互送客を図るほか、7月中旬をめどにmenuの決済手段としてau PAYを利用できるようにしていく。

 6月2日からは、auスマートパスプレミアム会員を対象にmenuの利用料金が最大4000円割引となるキャンペーンを展開。au PAY支払いへの対応にあわせ、Pontaポイントを還元するキャンペーンも実施される。

 6月2日に開催されたオンライン発表会において、KDDI パーソナル事業本部 サービス統括本部 副統括本部長の多田一国氏は、デリバリーサービスの課題として、店舗側から利用者の属性や購入履歴が分からないといった点を挙げ、単なるキャンペーンにとどまらず、ID連携により、店内飲食とデリバリーの紐付けを可能とする意向を表明。小売事業者のプライベートブランド商品開発など、他業種向けの活用なども視野に入れている。

 同氏は、「menuをau以外で使えなくする、auでmenu以外のデリバリーサービスを使えなくするということではない」とした上で、「昨年、Uber Eatsともキャンペーンを実施したが、ID連携して、マーケティングを行なうとなると、本国側の意向もあり、日本独自の対応までは行かない」とし、国内ベンチャーのmenuと組む意義を説明。

 KDDIは「食べログ」を運営するカカクコムとも提携しているが、こうした飲食店の予約サービスとの連携などについても、同氏は「詳細は言えないが、十分にあり得る」とコメントしている。

 一方、menu 代表取締役の渡邉真氏は、2020年4月のサービス開始から1年で47都道府県、加盟6万店となっている現状を説明。最初の1年間で足場を固めた上で、今年に入ってから人気漫画の「ワンピース」とのコラボなど、プロモーションを強化したことで急速に利用者が増えているという。

 ガチャシステムや予約の取れない有名店をラインアップするなど、競合他社に無いサービスで差別化を図っているが、同氏は、今回の提携をきっかけに、さらに事業拡大を図っていくとしている。