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キユーピーの「魚の消費拡大共同プロジェクト」、異業種コラボで魚の魅力を訴求

2021年6月8日 発表

キユーピー 代表取締役 社長執行役員の長南収氏(右)と上席執行役員 新規市場開発室の藤原かおり氏(左)

 キユーピーは6月8日、フレッシュストック事業の戦略発表会をオンライン開催し、さまざまな企業とのコラボレーションによる「魚の消費拡大共同プロジェクト」の立ち上げを発表した。

 同社では、2020年秋にフレッシュストック事業を立ち上げ、今春から本格始動。スーパーマーケットの青果売場、精肉売場、惣菜売場で販売されている食材にあう調味料をラインアップしてきた。今回発表された「わたしのお料理 鮭の蒸し焼き」は、鮮魚売場をターゲットにした新商品となる。

 同社 代表取締役 社長執行役員の長南収氏は、キユーピーと魚の関係についてのエピソードとして、キユーピーが日本で初めて製造販売した1925年当時のマヨネーズの広告を紹介。当時は、鮭や蟹、ホワイトアスパラといった缶詰商品をおいしく食べるソースとしてマヨネーズを提案していたという。このため、「今回の新商品はキユーピーの食卓提案のルーツと縁が深い」としている。

『缶詰時報』掲載広告(画像提供:キユーピー)

 同氏は、1984年をピークに急速に減少してきたという魚の生産量の推移データを示す一方で、コロナ禍の巣ごもり需要などもあり、魚の食卓出現回数が前年比120%となるなど、伸長傾向にあることに紹介。中でも通年でよく食べられ、老若男女を問わず幅広い層に好まれ、栄養価も高いとされる鮭をテーマに鮮魚向けの商品開発に取り組んできたと説明した。

 同社 上席執行役員 新規市場開発室の藤原かおり氏によれば、魚料理が食卓にあがりづらい背景には献立のレパートリー不足があるという。こうした課題を解決することで、魚の消費拡大につながるのではないか、として立ち上げられたのが今回の共同プロジェクトということになる。

 豊洲市場で仲卸業を営む山治 代表取締役の山崎康弘氏や料理家・食育インストラクターの和田明日香氏にアドバイスを受けてレシピ開発を行なったほか、金沢まいもん寿司では今回の新商品を使ったメニューを店頭で期間・数量限定で販売することで商品や食材の魅力をアピール。BRUNOとはホットプレートを活用したBBQの形を提案、ABCクッキングスタジオとはレシピ提案やオンラインレッスンなどを通じて魚料理のコツを伝えていく。

 さらに、家庭内での調理の課題として、「調理に時間がかかる」こと以上に「後片付けが面倒」と感じる人が多いという実態があることから、「除菌JOY」などの食器洗剤を販売するP&Gと組んで共同キャンペーンも展開。「JOY」シリーズと「わたしのお料理」シリーズを購入し、キャンペーンサイトにレシート画像をアップロードすることで、抽選で200名に2000円分の商品券がプレゼントされる。

 なお、長南氏によれば、フレッシュストック事業全体で今年度25億円の売上を目指しており、上期は約12億円という進捗となっているという。中でも「そのままパクっと食べられる ゆでたまご」の売れ行きが好調で、7月からはカップ入りのゆでたまごのテスト販売も地域を限定して行なうとしている。