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「マチのデリ」で個店最適化を目指すローソン、専用什器設置店を披露

2021年6月22日 実施

「マチのデリ」の専用什器

 ローソンは6月22日、小容量惣菜の「マチのデリ」の専用什器を設置した店舗の内覧会を都内で実施した。

 内覧会が実施されたのは、ローソン江東東雲店(東京都江東区東雲2-3-22)。18日に開催されたオンライン発表会でもプレゼンテーションを行なった同社 執行役員 マーケティング戦略本部 副本部長 兼 商品本部 副本部長の大谷弘子氏が専用什器を前に報道陣からの質問に答えた。

 そもそも、なぜ小容量の惣菜に同社としてここまでこだわるのか。大谷氏は「忙しくてなかなか料理ができない、料理に手間や時間がかけられないという女性のお客さまがたくさんいらっしゃって、でも自分の好きなものをちょっとずつ自由に組み合わせて食べたいというニーズが高く、メイン、サイド、サラダ、デザートと、できるだけ種類の多いものを、その日の気分や体調によって組み合わせて食べたい、というニーズがすごく高い。そのニーズに応える形で小容量で、見栄えも色とりどりで気分がアガるような商品を用意した」と語る。

ローソン 執行役員 マーケティング戦略本部 副本部長 兼 商品本部 副本部長の大谷弘子氏

 商品のラインアップについては、「今回は夏バージョンなので、サラダみたいなものが多くなっているが、秋になればスープやグラタン、ドリアといった風にメニューも広げていく。昨年からいろんなテストをしており、夏に人気があったサラダや揚げ物に加え、なかなか無かったリゾットコロッケのような目新しく新鮮な感じがするものから始めることにした」という。

 同氏によれば、専用の新しい什器を入れたのは1200店舗のうち10%程度。その他の多くの店舗では、既存の棚をアレンジして売場を作っている。専用什器については、「ミラーを入れたり、おいしく見えるライトをつけたり、今までコンビニではあまり無かったような工夫をした。積み上げてしまうと、おいしそうに見えないとか、取りづらいとか、気分がアガらないというような話があったので、棚の段をずらしたり、ライトをつけたりすることで、どれにしようかな~、と迷う楽しみの演出も狙った」のだとか。

夏の時期にスタートするということで、サラダを中心とした商品構成
揚げ物も小分けしたパッケージで取り揃えられている
テスト販売で人気だった「海老といかの明太子サラダ」

 テスト販売を通じて一番売れたのは、「海老といかの明太子サラダ」(330円)とのことで、「海老といかと明太子を買ったら、結構お金もかかる。おいしいく作ったものを手軽に買えたら、という女性のぴったり」だとしている。

 今回の取り組みは、女性をメインターゲットにしているとのことだが、同氏は「男性にもしっかりアプローチしていきたい」と語る。テスト販売では、お酒のあてとして購入する人も多く、家飲みのニーズにもマッチしているようだ。

 一方、長期間の保存がきかない食品を多数取り揃えることは、店舗としてはリスクにもなり得るが、「データを見ながらの補充も行なっているが、実は値引きなども行なっている。値引きをすることで環境にいいことをしているというのをお客さまも感じられ、ちょっと安くなっていると皆さんラッキーと思っていただけるようで、私たちとしてはトライアルのチャンスにもなる。昨年行なった実験では、値引きしていった方が手元に残る利益も大きくなるということが確認されている」としており、店舗側での柔軟な対応により、課題の解決が可能だとしている。

内覧会の会場となったローソン江東東雲店
入口では幟を立てて「マチのデリ」をアピールしている
対応店舗はWebサイト上の店舗検索で調べられる