ニュース

大電流でアニサキス殺虫、熊本大学とジャパンシーフーズが開発

2021年6月22日 発表

パルス処理のイメージ。大電流を流すことでアニサキスが死亡し、白濁している

 熊本大学とジャパンシーフーズの共同研究グループは6月22日、パルスパワーにより刺身の品質を保ったままアニサキスの殺虫を可能にする方法を開発したと発表した。

 アニサキスは、アジやサバといった魚に寄生する寄生虫の一種で、生きたまま食べてしまうと食中毒の原因となる。殺虫するには加熱処理や冷凍処理が有効とされているが、刺身の場合、冷凍により旨味が流出したり、色が悪くなったり、商品価値を下げてしまうことが課題となっていた。

 今回開発された技術は、200Vもしくは100Vの電源からの電気エネルギーをコンデンサーに蓄積し、マイクロ~ナノ秒のレベルで取り出すことで得られるパルスパワー(瞬間的超巨大電力)を魚の身に流すことで、アニサキスを殺虫しようというもの。殺虫試験では、すべてのアニサキスを死亡させることができたという。解凍品に比べて品質の劣化も少なく、冷凍処理に代わる殺虫手法として期待される。

 両者が開発したアニサキス殺虫装置のプロトタイプでは、3枚におろしたアジ3kgを約6分で処理できるとされており、同装置で処理した刺身のサンプル出荷も予定しているという。実用化に向けては、より低コストかつ省エネルギーで同様の効果をもたらす条件を検証し、大量処理が可能な装置を開発する必要があるとしている。

冷塩水生成装置、パルス電源、処理槽で構成されるプロトタイプ機。処理槽に魚身を入れて処理する
パルス処理を行なったアジ