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サントリー「金麦」、シリーズ初の縦書きロゴに込めた想い

2022年2月24日 発表

サントリービール 執行役員 マーケティング本部長兼宣伝部長の田中嗣浩氏(中央)

 サントリービールは2月24日、1月製造分からリニューアルした「金麦」についての発表会を開催し、執行役員 マーケティング本部長兼宣伝部長の田中嗣浩氏が2022年の方針などを説明した。

 新ジャンルに位置づけられる金麦シリーズは、2021年に新ジャンル市場全体が前年比89%となる中において、前年比93%の出荷実績を記録。酒税改正の影響が一巡し、直近では前年を上回る状況で推移しており、2021年累計では150億本(350ml換算)を出荷したという。

 2007年に発売され、今年で15周年を迎える同シリーズでは、「家」を中心にしたマーケティング活動を続けてきたが、コロナ禍において「家飲み」の需要が高まり、田中氏は、こうした変化は一時的なものではなく、定着していくものだとして、「家時間の充実」に貢献できるようにブランド活動を刷新すると語った。

 1月のリニューアルでは、同ブランドでは初となる縦書きのロゴを採用。これまでは、贅沢麦芽仕込み、天然水仕込み、季節ごとの味の調整、うまみ三段仕立てといった形で、こだわりのポイントを個々に訴求してきたが、それらすべてをまとめて「新・ていねい製法」と名付け、こうした想いを縦書きロゴに込めてアピールしていく。

 こうした表現の見直しとは別に、1月製造分からは同シリーズとして過去最大量の麦芽を使用することで、ブランドの軸とも言える麦の風味を強調し、家での時間をゆったりと過ごせるように工夫しているという。

 プロモーションとしては、「金麦晩酌」をキーワードに、おつまみ付きのパッケージを用意したり、晩酌セットのプレゼントキャンペーンを実施したり、晩酌向けのレシピを提案したりしていく予定。2月26日からオンエアするテレビCMには、新メッセンジャーとして柳楽優弥と黒木華を起用する。

柳楽優弥
黒木華

 同社では、2022年は新ジャンル市場全体が前年比97%で推移すると推定する一方、こうした活動を通じて、金麦ブランド全体で前年比100%となる3400万ケース(大瓶換算)の販売を目指すとしている。

2021年の実績
2022年の販売計画

 田中氏は、2023年にも酒税改正が予定されていることから、「長期的に見て新ジャンルとビールの酒税差が縮むことになり、新ジャンル市場で生き残っていけるブランドは、かなり絞られてくる。今回のリバイバルは、金麦ブランドをより強くして、来たるべく酒税改正を乗り越えていくという意味合いもある」としている。