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「麒麟百年 極み檸檬サワー」発売を前に“麒麟百年新幹線”が東京駅を出発

2023年4月3日 取材

執行役員 マーケティング部長の山田雄一氏と西島秀俊

 キリンビールは、4月4日に「麒麟百年 極み檸檬(レモン)サワー」を発売することにあわせ、3日に「麒麟百年」についてのブランド発表会を開催するとともに、東海道新幹線を貸し切って車内で試飲する「麒麟百年新幹線」の出発式を開催した。

 同商品の発売については、すでに2月末に発表されていたが、今回の発表会では、執行役員 マーケティング部長の山田雄一氏、マスターブリュワーの田山智広氏、マーケティング部 商品開発研究所 中味開発グループ 主査の永井次郎氏から改めて注力したポイントなどが語られた。

 山田氏は、RTD(Ready To Drink)市場の動向について、「直近の10年間で約2倍に成長しており、今年10月には2回目の酒税改正があるが、RTDは2026年まで税率が変わらないことから、今後も緩やかに拡大していく」として、同社としてこのカテゴリーに注力していく方向性を示した。

 その上で、RTDに対して本格感や品質貫、満足感を求める消費者ニーズが高まっており、それに応えるのが、同社の伝統や技術を生かして開発した「麒麟百年」だという。

麒麟百年 極み檸檬サワー

 永井氏は、味覚の設計にあたり、満足感を満たす要素として「複雑味・うまみ」「鮮烈な香りと味わい」「口当たりの良さ」の3つを設定し、そこに「飲みやすく飲み飽きない味わい」を加えることで、何度でも飲みたくなるような味わいを目指したと語る。

 鍵となったのは「ビール酵母発酵果汁」の使い方とブレンド技術。今回の商品では、同社の醸造技術を生かしたビール酵母発酵果汁が用いられているが、香りや酸味のバランスを最適化するため、レモン果汁・酵母種・発酵条件の組み合わせを41パターン検証。使用するレモン果汁についても、さわやかさだけでなく、心地よい苦味にもフォーカスし、皮ごと搾った果汁など、複数のレモン果汁を用いることにしたという。

 さらに、これまでのRTD商品には無かったような“泡”による表現にもこだわった。泡の効果によるビールの口当たりの良さに着目し、一般的なRTD商品と比べ、1/8のきめ細かさを持った泡が出るようにしたとのことで、同氏は「少し高いところから注いで泡立てた上で、五感で楽しんでほしい」としている。

 続いて登壇した田山氏は、社内向けの技術仕様書「醸造技術標準」の冒頭に記された「醸造フィロソフィー」の一部を紹介。原材料となる麦やホップが農産物であり、酵母という生き物の力を使って作るのがビールであり、まだまだ分からないことが多い命の複雑さを畏れ敬う「生への畏敬」と、ビール造りは単なる技術ではなく、芸術でもあり、取り組むべきはMakingではなく、Brewingで、人間的な感覚をもって五感を駆使して開発を行なうという「Brewingの精神」の2つを挙げ、改めてこの点に立ち返って開発したのが今回の商品だと説明した。

マーケティング部 商品開発研究所 中味開発グループ 主査の永井次郎氏
マスターブリュワーの田山智広氏

 その後、同商品のテレビCMに出演する俳優の西島秀俊が登場。「麒麟百年 極み檸檬サワー」を飲んだ感想を、「常に新鮮に何か新しい今まで飲んだことのないレモンサワーの豊かな味わいで、きめ細やかな飲み口が本当に滑らかでレモンの香りもすごくさわやか。でも、飲み終わるとさっぱりしてて、また飲みたくなる」と述べ、田山氏から理想的なコメントだと満点をもらっていた。

 発表会終了後には、一同が東京駅に移動し、「麒麟百年新幹線」の出発式が行なわれた。この日のために貸し切られたのは最新型のN700Sで、車内は麒麟百年を象徴するような伝統を感じさせるデザインにアレンジされ、床や天井、窓、テーブル、ヘッドレストカバーがオリジナルデザインにラッピングされていた。

西島秀俊