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ファミマ、「生しっとりパン」シリーズ3品を2月27日発売

2024年2月27日 発売

「生しっとりパン」シリーズ(手前中央)

 ファミリーマートは、生コッペパンに続く新シリーズ「生しっとりパン」3品を2月27日に発売する。

 今回発売となるのは、「生クロワッサン(ダブルチョコ)」(145円)、「白生コッペパン(カスタード&ホイップ)」(138円)、「生コッペパン(コロッケ)」(185円)の3種。

 生しっとりパンシリーズは、「パンは生でうまくなる」をコンセプトに開発されたパン。それぞれ“しとふわぁ”“しともちぃ”“しとむちぃ”といった食感が楽しめる生地を目指したという。

 生クロワッサン(ダブルチョコ)では、生クリームに加え、小麦粉とほぼ同量の水分を加えることで、しっとりとした生地に仕上げるとともに、クロワッサン生地の層の空間を大きく不均一にすることでふんわりとした食感を表現している。チョコホイップとチョコクリームの食感と口溶けが異なる2種類のクリームを使うことで、最初から最後までチョコの風味を楽しめるようになっている。

生クロワッサン(ダブルチョコ)

 白生コッペパン(カスタード&ホイップ)は、生クリームを加えた生地を低温で焼き上げることで、しっとりもちっとした白いコッペパンに仕上げられている。生クリーム入りのカスタードクリームとミルクホイップを挟むことで、口にしたときにミルクの風味が広がり、後味としてカスタードの風味が残るように工夫されている。

白生コッペパン(カスタード&ホイップ)

 生コッペパン(コロッケ)では、ボリュームのあるコロッケに負けないように食べごたえを目指し、弾力のあるむっちりとした食感の生クリーム入りの生地が使用されている。北海道産のきたあかりを使用したコロッケでは、じゃがいもを丁寧にすりつぶすことでなめらかな食感を実現。野菜と果物のフルーティーな味わいのソース、グレービーソースやマッシュルームを入れたビーフの旨みやコクが楽しめるソースが合わせられている。

生コッペパン(コロッケ)

 発売にあわせ、3品のうちの1品と引き換えられるクーポンを1万5000名にプレゼントするSNSキャンペーンや、ファミマル Bakeryのパンの購入で次回購入が20円引きになるレシートクーポンのキャンペーンも実施される。

 26日に開催された発表会では代表取締役社長の細見研介氏が挨拶。今回の「生しっとりパン」について、「挑戦する方のコンビニとして情熱を込めて企画した。昨年の生コッペパンシリーズは発売以来1億2000万食を突破しており、お客さまの胃袋を鷲掴みにしているが、それを超える新しいおいしさをぜひお楽しみいただきたい」と述べた。

代表取締役社長の細見研介氏

 その後登壇した商品本部長の島田奈奈氏は、2023年度を振り返るとともに2024年度の戦略について説明した。

 2023年度では「ファミマルの育成」「定番商品の品質向上」「看板商品づくり」の3つの重点課題に取り組んできた結果、日商、客数、客単価のすべての指標で毎月前年超えを達成できたと胸を張る。

 2024年度については、物流問題や法人税・たばこ税などの増税、物価の高止まり、実質賃金の減少など、市場全体で課題が多い年になるとする一方、外出機会の増加やインバウンドの増加など、プラスの要素もあると指摘。

商品本部長の島田奈奈氏

 コロナ禍でのネガティブ消費が2023年にはリベンジ消費に転じ、2024年にはポジティブ消費へと移行するとされるなか、物価高によるネガティブ要素も小さくないことから、贅沢と節約のメリハリ消費が続くとして、「2024年度は“ワンストップで完結する品揃えの実現”を継続するとともに、ココロもカラダもご機嫌になれる品揃えで、お客さまのウェルビーイングを実現していきたい」との方向性を示すとともに、「気分がアガったり、気分を切り替えられるような気持ちに寄り添った商品を開発すること」を重視していくという。

 来店目的の最上位にある「おむすび」では、低・中・高の価格帯をバランスよく品揃えするとともに、手巻きおむすびの強化を図り、差別化できる商品を展開していく。また、おむすびと並んで来店目的となっている「パン」については、今回の「生しっとりパン」のように驚きと感動につながるような話題づくりに取り組んでいく。チキン類についても、ファミチキを中心にスパイシーチキン、香ばしチキン、クリスピーチキンの4本柱の強化で売上拡大を目指すとしている。

 気分がアガる、気分転換という観点では、スイーツカテゴリーに着目。パンやお酒など、甘いものすべてをスイーツと捉え、ジャンルをまたいで来店目的となり得る商品を断続的に投入していくことでスイーツの強化を図っていくとする。具体的には、素材にこだわった高品質な商品や、砂糖や甘味料不使用のスイーツ飲料、スイーツ感の高い酒類の強化などが挙げられている。

 食品以外では、コンビニエンスウェアとして展開してきたアパレル販売において、トータルコーディネートを実現できるような品揃えの拡充に取り組んでいくほか、コクヨと共同開発した文具の販売をスタート。植物性由来の原料を使用したブルーグリーン商品についても継続して展開していく。

 また、価格戦略においては、地域によって商品の内容や価格、品揃えを調整。例えば、高価格帯のおむすびでは、関東・首都圏で贅沢感のある「ごちむすび」を販売する一方、その他の地域ではボリューム感のある「大きなおむすび」を販売することで、地域のニーズにあわせた商品展開を行なっていく。

 このほか、店頭サイネージの「ファミリーマートビジョン」を活用し、商品の価値や割引サービスなどを来店客にアピールすることで売上の増加を目指すことや、容器や包材の改良や生産地を応援する商品の開発、フードロス対策などを進めることでサステナブルな取り組みを推進していくことなどに注力していくとしている。

 続いて商品本部 FF・スイーツ部長の木下紀之氏が登壇し、「生しっとりパン」の開発背景が紹介された。

商品本部 FF・スイーツ部長の木下紀之氏

 同社では、2023年2月に生コッペパンを発売。パサつくという従来のコッペパンのイメージを払拭するしっとりとした食感がウケ、累計1億2000万食を販売するヒット商品となった。その後、外側だけが注目されるメロンパンのイメージを変えることを目指し、10月には「中までおいしいメロンパン」を発売。こちらも高い人気を得たという。

 木下氏は、こうした成功事例には、「定番商品をさらにおいしく、驚きを作るといった共通ポイントがある。誰もが食べたことがある定番商品を、新たな製法開発をもっておいしさを向上すると同時に、従来の提供価値に囚われないギャップを持たせ、新しい商品として展開することがお客さまにご支持いただけるポイント」だと語り、同様のコンセプトで作り上げたのが今回の「生しっとりパン」だと説明する。

 商品本部 FF・スイーツ部 パン・半生菓子グループの鈴木崇義氏によれば、3商品ともにこだわりをもって開発が行なわれたという。

商品本部 FF・スイーツ部 パン・半生菓子グループの鈴木崇義氏

 クロワッサンについては、一般的にはサクサクしたイメージが持たれているが、袋パンは苦手な食感ということで、あえてしっとり、ふんわりした食感を目指したとする。その食感を実現するためには、生地のなかに空洞を維持することが重要で、つぶれないように不均一な特殊な層を作っているとのこと。

 白生コッペパンについては、菓子パンにおいてももっちりした生地で食べたいという声に応えるため、女性を中心に人気が高い白生地を採用。タンパクが多い粉と少ない粉を使ったり、少し油を使ったりといった工夫で、独特の食感になるように調整しているという。

 コロッケ入りの生コッペパンでは、コロッケの具材感に負けない食感を目指した。鈴木氏はその食感を「従来のものもしっとり、もっちりだったが、もっちりを超える“むっちり”」と表現する。同氏によれば、時間が経ってもしっかりとした食感が続くように設計されているとのことだ。

 今回の発表会には、同商品のテレビCMに出演する吉田鋼太郎と八木莉可子も登場し、“訛りで生食レポ”という演出で3品の魅力を伝えることにチャレンジ。「これはほんまにめっちゃおいしい」「もうこれはごっつおいしい」などと、普段は使わないという関西弁で生しっとりパンを絶賛していた。