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カルビー、三國清三シェフと東京江戸味噌監修の「堅あげポテト 幻の江戸味噌味」
2024年3月7日 13:02
カルビーは、東京江戸味噌(日出味噌醸造元)が監修した「堅あげポテト 幻の江戸味噌味」を3月18日にコンビニエンスストアで発売する。25日からはその他の販路でも販売される。
同社では、日本各地の食文化や食材の魅力を伝える「日本を愉しむ」プロジェクトの第6弾となるポテトチップス。堅あげポテトの30周年記念企画商品の1つともなっている。
「日本を愉しむ」プロジェクトでは、フレンチの巨匠・三國清三シェフをアドバイザーに迎え、「ア・ラ・ポテト 羅臼昆布しょうゆ味」「堅あげポテト 七味味」「夏ポテト 天草のレモン味」「かっぱえびせん 淡路島たまねぎのかき揚げ味」「堅あげポテト ほたて醤油味」を開発、販売してきた。
その集大成に位置づけられる今回の商品は、堅あげポテト×江戸をテーマに、三國氏と東京江戸味噌がダブル監修。戦後に姿を消してから70年あまりが経過し、東京江戸味噌が復活させた江戸味噌の味わいを堅あげポテトで再現している。
味わいとしては、雑味が少なく、甘みと豆の旨みがあり、カドの丸い塩味が特徴とされる江戸味噌の風味を活かしながら、江戸時代の味噌にあわせられていたとされる鰹だしや胡椒を隠し味に使い、厚みのある風味を狙ったという。
内容量は60gで、店頭価格は185円前後になる見込み。
同商品の発売を記念し、3月11日~4月25日には、東京江戸味噌で江戸味噌を含む商品を1000円以上購入した人に、もれなく「堅あげポテト 幻の江戸味噌味」をプレゼントするキャンペーンも実施される。
7日には発売に先立ち、三國氏がプロデュースするレストラン「ラー・エ・ミクニ」で発表会が開催された。
カルビー マーケティング本部 スナック2部 堅あげポテトチームの福原椋太氏は、「堅あげポテトは30周年を迎えたブランド。1993年の発売以来、そのこだわりの製法は一度も変えたことがない。今回、歴史を感じる江戸味噌とのコラボレーションで、この記念の年にふさわしい商品ができあがった」と紹介。
日出味噌醸造元 代表取締役社長の河村浩之氏は、同社が10年前に復活させた江戸味噌について解説。「江戸味噌は江戸の町中で生まれて江戸中で作られていた。当時180軒~200軒ぐらいの味噌屋があったと言われている。いろいろと調べていくと、江戸の味覚の中心で、あまり醤油が普及していなかったので、ほぼこの味噌で味が作られたと考えられる」という。
しかし、製造にあたって米を多く使うため贅沢品とされており、戦時中に製造が禁止になり、世の中から消えてしまった。同社では、小学校からの味噌に関する授業の依頼を受け、さまざまな文献を調べ上げ、10年前に当時の味わいを再現した。
河村氏によれば、現在の一般的な味噌とは作り方が異なり、蒸した大豆とたっぷりの米麹、少なめの塩を高温下で2週間かけて発酵・熟成させるとのこと。塩分が少ないぶん、日持ちはしないが、それだけにフレッシュで、雑味が少なく、すっきりとした味わいで、他の調味料が不要なほど、甘み、旨み、塩味のバランスがよく、味噌独特の臭みが少ない。
今回の発表会では、江戸味噌と信州味噌のみそ汁の飲み比べも実施された。飲み比べてみると、信州味噌のほうが明らかに塩味が強いが、江戸味噌は塩味がマイルドに感じられた。
ちなみに、いずれのみそ汁も三國氏が作ったものだが、江戸味噌を使うにあたっては、河村氏から出汁を取る際には、昆布を使わず、鰹節だけを使うように言われ、驚いたという。というのも、北前船で北海道から昆布が届けられる京都とは異なり、江戸では鰹節だけが使われていたとのことで、江戸味噌に多く含まれるアミノ酸がこれを補う役割を果たしているのだとか。
その後、三國氏から今回の「堅あげポテト 幻の江戸味噌味」の風味の開発へのこだわりが語られた。同氏は「味噌が来ているか来てないか。味噌が来すぎてもダメ。最初はちょっと足りないようで、一袋食べたら味噌か、と。最初からガツンと来ると飽きてしまうので、その辺のバランスが大事」と絶妙なバランスを狙ったと振り返る。
福原氏によると、「江戸時代に使われた鰹だしも配合しているが、どうやって味に厚みを出したらいいか河村氏に相談したときに、意外に江戸の方は味噌に胡椒をあわせたという話を聞き、これを隠し味に使うことで味が完成した」という。
そのまま食べてもおいしい「堅あげポテト 幻の江戸味噌味」だが、今回の発表会では、同商品を用いたアレンジレシピ『“TOKYO X”のエスカロープ、江戸サラダと「堅あげポテト 幻の江戸味噌味」添え』が披露された。
TOKYO Xは北京黒豚、バークシャー種、デュロック種をかけあわせて東京で誕生したブランド豚で、これに江戸野菜と堅あげポテトを和えたサラダをあわせたメニューとなる。
ドレッシングがかかり少ししんなりした堅あげポテトと、周囲にあるカリカリの堅あげポテトの食感の違いをさっぱりとした味わいで楽しめる一皿になっており、その作り方は三國氏のYouTubeチャンネルで公開される予定だ。