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食べ残しはどうなるの? びっくりドンキーのSDGs。傷がついた木皿は削り直して修理

2024年7月17日 取材

びっくりドンキーの環境への取り組みを紹介

 ハンバーグレストラン「びっくりドンキー」チェーン本部のアレフは、「安全・安心で健康な食」を提供し続けるため、農業だけでなく、農業を取り巻く環境にまで視野を広げ、持続可能な循環型社会を目指す取り組みを行なってきた。

 今回、編集部はアレフの本社がある北海道で行なわれたプレスツアーに参加し、店舗で発生した食べ残しやロスがどうなるのかをはじめ、びっくりドンキーを運営するアレフが取り組んできた食・農業・環境・文化を発信するエコロジーテーマガーデン「えこりん村」を見学してきたので、レポートする。

「食は人を良くする」との信念のもと、美味しさは大前提として、食材だけではなく、その先にある農業や環境までを徹底的に探究

店舗で出た食べ残しはどうなるの?

 1店舗あたり1日約20~30kg排出される食べ残しやロスなどの生ごみは、一部店舗に設置してある生ごみ粉砕乾燥処理機「ゼロワンダー」で、粉砕・乾燥、発酵され、黒い土のような発酵促進材に変えられる。

 店舗で一次発酵までを行なった資材を協力農場へと運び、農業残さや家畜の敷きワラ、ふん尿などと混ぜ合わせ、堆肥づくりの発酵促進材として活用しているほか、自家利用や園芸肥料として販売もしている。

生ごみを資源化し活用
一部店舗に設置している生ごみ粉砕乾燥処理機「ゼロワンダー」
コーヒーかすと生ごみ
ゼロワンダーの中に入れ、粉砕・乾燥、発酵させる
黒い土のような発酵促進材に
協力農場へと運び、農業残さや家畜の敷きワラ、ふん尿などと混ぜ合わせ、堆肥づくりの発酵促進材として活用
生ごみ活用の説明

 また食べ残しをできるだけ減らす取り組みとして、小学生以下の子供を対象にした完食応援イベント「もぐチャレ!!」を実施している。「もぐチャレ!!」はチャレンジを宣言し、注文した料理を完食すると表彰状がもらえ、チャレンジに2回成功し、スタンプカードとなっている表彰状のスタンプをためると、次回デザートをプレゼントするというもの。

「もぐチャレ」をとおして食品ロス削減・食育の推進などに貢献

傷がついたお皿は再利用

 店舗で使用しているハンバーグディッシュの木皿には、北海道産シラカバとタイ産ゴムノキなどを使用。傷んだ皿は捨てずに、直して再利用している。年間で約1万枚が修理に出されるそうで、1枚ずつ修理している。

樹液の取れなくなったゴムノキを使って木皿をつくり、傷がついたお皿は再利用

エコロジーテーマガーデン「えこりん村」

「えこりん村」(北海道恵庭市牧場277-4)は、びっくりドンキーを運営するアレフが取り組んできた食・農業・環境・文化を発信するエコロジーテーマガーデン。

 敷地総面積150haを有し、羊を最大1000頭、豚を約500頭飼育している。村内には四季折々の花が咲く英国式庭園やキャンプ場、2013年に世界一大きなトマトの木に認定された「とまとの森」などの観光施設があり、近年はSDGs(持続可能な開発目標)をテーマとした環境教育も行なっている。

 また、恵庭と札幌をつなぐお土産ショップとしても機能しており、びっくりドンキーのドレッシングやバッグなどのグッズ、食品、キャンプグッズ、園芸品なども販売している。

びっくりドンキーで取り組んできた食・農業・環境・文化を発信するエコロジーテーマガーデン「えこりん村」
恵庭と札幌をつなぐお土産ショップとしても機能

「とまとの森」では水耕栽培により、トマトの持っている潜在的な力を引き出し、トマトの木の大きさとして世界一の記録「85.46m2」を持つ(2013年11月10日に世界ギネス記録認定)。

 取材した7月17日現在では、実の個数は全体で4667個、そのうち赤い実は755個、収穫個数は6657個、収穫重量は約620kgとなっている。さらに茎の太さは7cm、木の広がりは9.7mと、こんなに茂って実がたわわについているトマトは見たことがない。

とまとの森
茎の太さは7cm
2013年10月にギネス世界記録認定
種をまいて234日目
取材時の7月17日時点
トマトがたわわになっている
「きれいだね」「かわいいね」とほめてはげますと元気に育つそう
トマトにモーツァルトを聴かせて免疫力を上げているという。1日中聴かせていると飽きるので、朝と夕方の30分音楽を流している
ビニールハウスの上部はわさわさ茂っている
とまとの森ができるまで

「とまとの森」は、ストレスなど成長を阻害する要素を可能な限り排除し、トマト本来の力を引き出すことで、自然が持つ生命力の凄さを感じてもらいたいという想いから設置されたという。

 このほかにも、びっくりドンキー(アレフ)は、食材へのこだわりだけでない、農業やその先の環境まで視野を広げ、持続可能な循環社会を目指す取り組みをしている。さまざまな企業努力を頭の片隅おいていたら、食べ残しを少なくしようなど今日から自分でできる小さなことが見つかるかもしれない。