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キンレイ「お水がいらない あんかけうどん」8月20日発売

2024年8月19日 取材

「お水がいらない あんかけうどん」をアピールする企画部の若生直浩氏

 キンレイは、「お水がいらない あんかけうどん」を8月20日に発売する。発売に先立ち、19日に同商品に関する説明会が開催された。

 同社は、液化天然ガスを気化させる際に発生する冷気を有効活用する目的で大阪ガスの技術部門としてスタートし、うどんをはじめとする麺類の冷凍食品を幅広く手掛けてきた。

 中でも「鍋焼きうどん」シリーズは同社を代表するロングセラー商品になっているが、麺や具材がスープに浸かった状態でそのまま凍らせると、解凍した際に麺が伸びてしまうため、凍らせたスープの上に麺と具材を乗せて急速凍結させる“二段凍結三層構造”により、手軽さとおいしさの両立を実現している。

 そんな二段凍結三層構造は、今回発売される「あんかけうどん」でも採用されている。

「お水がいらない あんかけうどん」の二段凍結三層構造

 企画部の若生直浩氏によれば、商品を開発するにあたっては文献調査から着手。“のっぺい”や“こくしょ”など、さまざまな呼び名で日本全国に点在するあんかけ料理の文化を紐解きながら味作りにこだわったという。

 関西にはうどんを具材にしてだしを食べる文化があり、いかにして最適な味わいととろみ、色合いを持っただしを実現するかを追求。京都の料亭で好んで使用されるシビ節とサバ節に、香りを高めるために追い鰹を加えることで上品な味わいを目指すとともに、本醸造うすくち醤油を使うことで旨味を強化しつつ、食欲をそそる黄金色を実現。家庭ではダマになったり、とろみが足りなかったりと再現が難しい専門店のようなとろみを三層構造で安定して再現できるようにしている。

 麺についても、北海道産の「きたほなみ」の1等粉を使用することでモチモチとした食感を実現。同社の鍋焼きうどんで使用している麺よりも1段階細い麺にすることで、あんがほどよくまとわりつく太さに調整した。

 具材も彩りを意識し、玉子焼、椎茸、人参銀杏切、九条ねぎ、豆乳入り五目しんじょを盛り付け、アクセントにジンジャーペーストを加えることで本格的な味わいと、カラダがポカポカと温まる“おもてなし”が表現されている。

 説明会では、新商品のほか、5月13日の発売から2か月で100万食を販売したという「お水がいらない 天下一品」や、電子レンジで温めるだけの「ソース焼そば」「うま塩焼そば」(2月発売)についても紹介された。

お水がいらない 天下一品

「お水がいらない 天下一品」は、人気ラーメンチェーンの天下一品が監修した冷凍ラーメンで、こちらでも二段凍結三層構造が採用されている。天下一品の鶏ガラ特有の舌触りを表現するため、スープだけでも40回以上の試作を繰り返すとともに、家庭で絶妙なとろみを持ったこってりスープを再現できるように調理手順の検証を50回行なったという。

 一方の焼そば2商品では、さまざまな焼そばを分析し、カップ麺やチルド麺では表現しにくい専門店のような太麺を選択。味付けについても、あんかけや上海といった中華系が冷凍焼そば市場の7割を占める中、王道のソース味と塩味に挑戦することにした。

「ソース焼そば」と「うま塩焼そば」

 麺については、単に太くするだけでなく、一般的な工業製品では角張ってしまうところを、特殊な切り刃を使うことで角が取れた形状を実現。専門店の作り方を再現するため、鉄鍋で具材を炒めることで、野菜の水っぽさを軽減しつつ、しっかりと炒めた香りが出るように工夫しているとのことだ。