ニュース

ローソン、ロボットやドローンが働く“未来のコンビニ”発表会。auスマートパスは「Pontaパス」へ

三菱商事・KDDIと「Real×Tech Convenience」

2024年9月18日 発表

三菱商事/KDDI/ローソン「未来のコンビニ」発表会

 三菱商事、KDDI、ローソンは「未来のコンビニ」に向けた取り組みを共同で発表した。

 今年2月の資本業務提携契約を受けたもので、三菱商事のサプライチェーンなどの事業基盤、KDDIのAI・DX技術を使ったサービスと連携し「Real×Tech Convenience」を旗印として未来の小売業として新しい価値を生み出していくという。

 まずは人手不足や食品ロスなど小売店の運営上の課題をデジタル技術の活用で解決する“リテールテック”の取り組みを推進するため、KDDIが2025年春に本社を移転予定の「TAKANAWA GATEWAY CITY」に、リテールテックの実験ラボとしてローソン2店舗を開店。その実証結果をもとに他店舗へも拡大していくとしている。

 同時にKDDIが提供している「auスマートパス」を「Pontaパス」にリニューアル。ローソン店舗で無料・割引きクーポンが使える「ウィークリーLAWSON」やau PAYを利用して支払いするとPontaポイント還元率が最大4倍になる「Pontaパス ブースト」どさまざまな特典が受けられるようになる。また、開始に合わせてお得なキャンペーンも実施する。

KDDI「Pontaパス」

提供開始日: 2024年10月2日10時
月額料金: 548円
特典:
[ウィークリーLAWSON]ローソン商品の無料・割引きクーポン(毎月計600円以上相当)の提供
[Pontaパス ブースト]毎月エントリーのうえ、au PAYを利用して支払うとPontaポイント還元率が最大4倍。また、期間中のau PAY利用者から100名に1万ポイントが当たる抽選を3か月ごとに実施
[auシネマ割の割引額増額]ローソン・ユナイテッドシネマの劇場鑑賞料金(大人 2000円)が800円引きの1200円に(通常は600円引き)
Webサイト: KDDI「Pontaパス」

KDDI「Pontaパス」

 また、Pontaパスの提供開始を記念して、「からあげクン」の無料クーポンの提供やPontaポイントの還元率が最大10倍になるキャンペーン「あげすぎチャレンジ 第1弾」を実施する。Pontaパスをリアルに体験できるポップアップストア「Pontaパス Station」も10月3日から13日までオープンする(詳細は10月2日公開予定)。

Pontaパス「あげすぎチャレンジ 第1弾」

実施期間: 2024年10月2日~11月30日
内容:
[ウィークリーLAWSON増量]からあげクンが無料でもらえるクーポンなど月3枚以上のクーポンを追加で提供
[Pontaパス ブースト増量]au PAYで支払うとPontaポイント還元率が最大10倍
[ポップコーンセット割引]ローソン・ユナイテッドシネマ/ユナイテッド・シネマ/シネプレックスでポップコーンとドリンクのセットが半額以下(400円)で買えるクーポンを提供 ※同伴者2名まで利用可能

Pontaパス「あげすぎチャレンジ 第1弾」

 さらにPontaパスサービス開始コラボ商品第1弾として「大きなピザパン」と「切れてるシュガーバターフランスパン」を10月1日に発売する。価格はどちらも214円で、Pontaパス会員はクーポン利用で半額の107円で購入できる(クーポン提供期間は10月2日~14日)。

ローソン「大きなピザパン」(214円)
ローソン「切れてるシュガーバターフランスパン」(214円)

 発表会ではまず三菱商事 代表取締役社長 中西勝也氏が登壇し、三社提携に至る経緯とグローバル展開などのこれからのビジョンを語ったあと、ローソン 代表取締役社長 竹増貞信氏が登壇。ローソンにおける「Real×Tech Convenience」の取り組みを説明した。

三菱商事株式会社 代表取締役社長 中西勝也氏
ローソン50年の歴史

 人手不足への対策としてDX技術を活用して自動化などによって2030年には店舗オペレーションを30%削減することを目標としている。そして削減してできた余裕で新しい付加価値を生み出すサービスを展開していく。

 店舗だけではなく本部システムも刷新を進めており、2028年にはシステムを総入れ換えする予定で、KDDIの知見を大いに活かして汎用性があり応用が利くシステムに変えていくという。

株式会社ローソン 代表取締役社長 竹増貞信氏
自動化やDXなどで店舗オペレーションを30%削減

 また、店舗の発注システムには6、7月にAIを活用した「AICO」に総入れ換えしており、導入後の現場からの評価は非常に高い。今後KDDIと三菱商事の知見も取り込みさらにブラッシュアップしていく。

 販促施策としてはKDDIの有料会員サービス「auスマートパス」を「Pontaパス」にリニューアルする。ローソンで使えるお得なクーポンなどを追加し、au PAYで支払うとPontaポイントが最大4倍になるなどの特典によってまずローソンに来てもらい、実際に店舗を体験してもらって評価を上げていきたい。また、デリバリーは自動配送ドローンの活用なども計画している。

ローソンにおける店舗体験の向上
TAKANAWA GATEWAY CITYに実験店をオープンし検証していく

 また、暮らしのよろず相談窓口としての役割も想定しており、介護や金融、健康など生活の悩みなどを気軽に相談できる窓口として活用できるようにし、これらの「Real×Tech Convenience」技術を核としてハッピーなローソンタウン作りにチャレンジしていく。

ローソンを核としたハッピー ローソン・タウン構想

 最後にKDDI 代表取締役社長 CEO 髙橋誠氏が登壇し、DX技術などを活用した店舗の具体的な内容について解説した。

KDDI株式会社 代表取締役社長 CEO 髙橋誠氏

 高輪新本社にオープンする実験店では新たなスタンダードとして5つを実現していく。1つ目はネットショップのように買い物ができ、スマホをかざすだけで決済が完了し、イベントや天気に連動してデジタルサイネージが変化するAIカメラを使ったリコメンドシステムなどの新しいコンビニ体験。

AIを活用した新しいコンビニ体験
入り口の端末にスマホでタッチするとインストールされている買い物アプリが起動
スマホで店内の商品をスキャンしてカートに入れネットショッピング感覚で決済できる
前後2つのカメラで来店客の属性と手に取る商品を判断し、最適なプロモーションを行なうAIサイネージ
Pontaパス会員かどうかも判断でき、時間や季節に合わせた商品を提示する

 2つ目がAIロボティクスを使った店舗業務支援で、飲料の品出しのような従来は手作業でしかできなかった業務をテクノロジの力で解決し人手不足を解消していく。

AIロボティクスを活用
バックヤードから商品を取り出し、ドリンク棚に補充していく自動陳列システム
自動清掃ロボットや自動配達ドローンなども

 3つ目がクイックコマースで、中国で実現している超短時間デリバリーのようなソリューションをデータ分析の基盤をフルに活用することでローソンでも進めていきたい。

クイックコマースの推進

 4つ目はリモートで接客ができるコンシュルジュゲートウェイをさまざまな窓口として店舗に設置していく。

多様なサービスに対応するリモート接客
スマートフォンの購入相談からファイナンシャルプランの相談、遠隔医療までさまざまなサービスを想定している

 5つ目はスタートアップ企業と協力し、AIおよびGPU基盤を使用したデジタルツイン環境を構築し、バーチャル世界で店舗のシミュレーションを行ない、その結果を経営に活用していく。

デジタルツインの活用

 また、集客はKDDIの格安スマホサービス「povo」と提携し、2025年初旬からローソン全店舗でeSIMギフトカードを販売するのに加え、ローソンの商品とデータ転送量がセットになった商品を用意。また、povo 2.0ユーザーはローソン店舗に来店すると1回100MB、1か月で最高1GBをチャージできる「povo Data Oasis」を開始するとしている。

ローソンでpovo 2.0のeSIMギフトカードの販売を開始
ローソンに来店するたび100MB、1か月で最大1GBをチャージできる「povo Data Oasis」を開始
災害時を想定したドローンの活用デモも実施