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無印良品とにしき食品、直江津小学校の生徒考案の「シャークカレー」を発売

2025年2月20日 発売

シャークカレー

 無印良品(良品計画)は2月20日、新潟県上越市の直江津小学校の生徒と一緒に開発したレトルトカレー「シャークカレー」の販売を開始した。無印良品の各店舗のほか、銀座にある新潟県のアンテナショップ「THE NIIGATA」、にしき食品の公式オンラインショップなどで550円で販売される。

 無印良品は、2020年に世界最大の店舗を上越市にオープン。以来、新潟県との連携協定に基づき、地域への貢献をテーマに「いつものもしもCARAVAN」と称して防災イベントを実施したり、県産品の販路拡大を目指して「Local MUJI」と称した県外での販売イベントを実施したりしてきた。

 さまざまな商品を取り扱う無印良品だが、レトルトカレーは人気商品の一つになっている。直江津小学校で防災をテーマにした出張授業を行なうなかで、そんなレトルトカレーに関心を持ち、地元の活性化につながるような商品を作れないかと提案。同社のレトルトカレーを製造するにしき食品の協力の下、プロジェクトが動き出した。

 生徒たちは直江津の食文化を反映したレトルトカレーのアイデアを出し合い、最終的にシャークカレーとシーフードカレーで多数決をとり、シャークカレーを商品化することになった。パッケージデザインのほか、原価や利益率を考えながら具材の量と価格のバランスを決めるのも生徒たち。500円と550円の案が残ったが、具材の量が減ると商品の魅力が損なわれるとの理由で、クオリティ優先の550円で販売することにしたのだとか。

シャークカレーの商品化にチャレンジした直江津小学校の生徒たち

 その名の通り、シャークカレーのメインの具材はサメの肉となる。日本海に面する直江津は古くからの港町で、サメ食文化があり、家庭で食べられることはあまりないが、給食では甘じょっぱい味付けで出てくることがあるという。

 にしき食品 常務取締役 営業本部本部長の菊池洋一氏は、「今回は使ったことがないサメの肉を使うということで、通常のレトルトカレーの時よりも開発に苦労した」と振り返る。サメの肉には臭みがあり、カレーとマッチしないため、生姜汁に一晩漬けてから使うなど、試行錯誤を繰り返した。

 実際に食べてみると、かつお出汁を使い、隠し味に米味噌を加えることでコクのある味わいは、思った以上に本格的で、ゴロッとしたサメの肉やジャガイモがしっかりと存在感を主張している。

 都内で開催された発表会には、リモートで商品化に携わった生徒たちも参加。「レトルトカレーは災害時にも使え、いつでも食べられる保存食なので、みんなに食べてもらいたい」「サメを食べたことがない人もシャークカレーを食べて直江津に興味を持ってほしい」などとアピールしていた。

新潟県のアンテナショップ「THE NIIGATA」の販売コーナー
地酒をはじめ、新潟県の特産品も購入できる