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「キリン 生茶」リニューアル、パッケージの2次元コードに隠された秘密

2025年4月10日 取材
「キリン 生茶」をアピールする鈴木亮平(右)と出口夏希(左)

 キリンビバレッジは4月10日、「キリン 生茶」に関する発表会を開催し、マーケティング部 ブランド担当 主務 ブランドマネージャーの森部勇氏が2025年のリニューアルについて説明した。

 生茶は今年で発売から25年目を迎えるロングセラー商品となっているが、2024年4月にパッケージデザインと中味を大きく刷新。その効果もあり、年間販売量が前年比112%の3000万ケース超となった。

 森部氏は、「緑茶や麦茶といった無糖茶市場は、おいしさというニーズが一定数満たされたことで、お客さまから価格や容量以外の魅力が感じづらくなっており、コモディティ化が進んでいる」と指摘。昨年のリブランディングの際には「生茶ブランドを浸透させることはもちろん、ペットボトル緑茶への期待取り戻すという思いで取り組んできた」と振り返る。

マーケティング部 ブランド担当 主務 ブランドマネージャーの森部勇氏

 リブランディングにあたっては、「緑茶はこうあるべき」という固定概念からの脱却を意識。「緑茶だから緑、緑茶だから和、伝統といった固定概念を捨てて、白を基調としたシンプルで上品なボトルに茶葉の甘みと爽やかな香りを閉じ込めた」(森部氏)という。

 その結果、生茶本体が前年比110%、生茶ほうじ煎茶が同160%となり、市場を上回る成長を実現。とりわけお茶への関心が薄いとされる20~30代の若い世代からの支持を獲得した。

 森部氏はその理由について、「おいしさ、価格、容量といった既存の価値ではなく、モノとしての価値、持ち物としての価値という今までのペットボトル緑茶にはなかった新しい選択基準を提案したことが、緑茶の新しい選び方につながったのではないか」と分析している。

生茶のボトルデザイン

 4月15日に発売が予定されている2025年のリニューアル商品については、こうしたトレンドを踏まえ、パッケージデザインは2024年のテイストを踏襲。生茶本体の味わいについては、新茶のような甘みを感じつつ、すっきりと飲みやすいおいしさへの進化を目指し、生茶葉鮮度搾り製法、かぶせ茶マイクロ粉砕、凍結あまみ製法といった技術を注ぎ込んだという。

2025年のリニューアルのポイント

 こうした世界観を伝えていくため、同社では「NAMACHA LIFE&TEA ACTION」と題したキャンペーンを展開する。

 同キャンペーンでは、B:MING by BEAMSとのコラボや、スマートフォンでパッケージ記載の2次元コードを読み取り、写真をアップロードするか、Xのアカウントと連携させることで、AIがアート作品とストーリーを生成するサービスが提供されることが明らかにされた。

 発表会後半には、15日から放映されるテレビCMに出演する鈴木亮平と出口夏希が登場。それぞれが用意した写真を生成AIがを使ってアート作品化するデモンストレーションが行なわれた。どんなアート作品が飛び出すかはお楽しみだが、リニューアル商品を購入したら、ぜひ試していただきたい。

監督からリクエストがあったという通称“鈴木持ち”を紹介する鈴木亮平
鈴木持ちに対抗して“出口持ち”をその場で考案してアピールする出口夏希
写真をアップロードするとAIがアート作品を生成する