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キリンビバレッジ2026年事業方針、ヘルスサイエンス領域の取り組みを加速。3月17日には子供向け健康飲料を発売

2026年1月22日 発表
キリンビバレッジ事業方針説明会

 キリンビバレッジは1月22日、2026年の事業方針説明会を開催し、代表取締役社長の井上一弘氏と執行役員 マーケティング部長の鈴木郁真氏がプレゼンテーションを行なった。

今後も成長が見込めるヘルスサイエンス飲料に注力

 2025年の実績と2026年に向けての取り組みについては井上氏が説明した。2025年の販売実績については、清涼飲料の売上収益は前年比で100%(速報値)であったが、ヘルスサイエンス飲料は111%と成長を見せており、売上収益の構成比においても24年の14%から15.5%に上昇した。円安による原材料コストの高騰、価格改定による消費の減少が見られる一方で、健康や環境などの社会的価値を生み出すモノやサービスの消費は引き続き堅調であるとの認識を示し、「ヘルスサイエンスビジネスカンパニーの実現に向けた戦略が、着実に成果を出していると考えている」と話した。

キリンビバレッジ株式会社 代表取締役社長 井上一弘氏
2025年販売実績(速報値)

 2025年の活動については、厳しい市場環境でありながらも、戦略の柱として掲げたプラズマ乳酸菌入り飲料が伸長し、高収益化に向けて着実に前進していると説明した。環境への取り組みについては、自治体と連携した水平リサイクルとケミカルリサイクル実施によるプラスチック使用量削減の推進、スリランカにおけるネイチャー・ポジティブに向けた生態系調査を実施した。また、午後の紅茶ブランドがmottainaiプロジェクトへ参加したことや、紅茶農園の持続的発展支援としてスリランカの子供たちの教育支援や豪雨被害に対する復興を支援したことについても紹介した。

2025年の活動振り返り

 井上氏のプレゼンテーションの途中では、スリランカの特命全権大使であるピヴィトゥル・ジャナック・クマーラシンハ氏が一言お礼を述べたいとのことで登壇した。長きにわたるパートナーシップに加え、サイクロンによって被害を受けたセイロンティーの産地であるスリランカ中央高地への復興を支援する義援金、学校への図書寄贈などについて感謝を述べた。「スリランカはSDGsの推進、そして持続可能で強靭な紅茶産業を築くため、今後もキリンビバレッジ社との協力をさらに強化していきたい」と話した。

駐日スリランカ特命全権大使 ピヴィトゥル・ジャナック・クマーラシンハ氏

 2026年の事業戦略については、引き続き井上氏が説明した。人口減少によって清涼飲料市場は中長期的には減少していくなかで、超高齢化社会や世の中の健康意識の高まりによって、健康カテゴリは今後ますます伸長していくであろうと予測。また、環境意識が高まるなかでSDGsをはじめ、企業価値の創出が重要になるとも説明した。それらを踏まえて同社は「ヘルスサイエンスの成長加速」「無糖茶カテゴリーにおける健康提案」「紅茶カテゴリーの価値拡大」の3つを柱に事業を進める方針。

2026年の飲料業界予測

 ヘルスサイエンスは2035年には売上収益で2025年と比べて200%以上の成長を目指す。そのためにも市場領域の拡大を目指して、「子供健康飲料の拡大」「プラズマ乳酸菌入り飲料の海外展開」「ヘルシアを中心とした脂肪領域の拡大」「免疫領域以外の柱の確立」を進めていく。具体的には、2025年にテスト販売した子供向け健康飲料「キリン つよいぞ!ムテキッズ」を3月17日より全国展開し、海外向けではまず台湾にプラズマ乳酸菌入り飲料を春を目途に輸出する予定であると説明した。

ヘルスサイエンスのリーディングカンパニーを目指す
海外への輸出は日本人と味覚が近く、経営資源のある台湾から始める

 2026年の販売計画については、清涼飲料全体の売上収益比は100%、ヘルスサイエンス飲料は115%を目指す。

2026年の販売計画

プラズマ乳酸菌入り飲料やヘルシアの新製品を投入

 マーケティング戦略については鈴木氏が説明した。2026年に注力するのは「ヘルスサイエンス」「生茶・ヘルシア」「午後の紅茶」の3つ。ヘルスサイエンスでは、プラズマ乳酸菌入り飲料の成長が継続していることから、テスト販売で好評だった「キリン つよいぞ!ムテキッズ」を3月17日に全国発売する。子供が飲みやすいテイストに仕上げ、成分はプラズマ乳酸菌500億個に鉄分を配合した。また、パッケージは子供が手に取りやすい明るく親しみやすいデザインにしてあるとのこと。それ以外では、肌のバリア機能(保湿力)を高める「米由来グルコシルセラミド」を配合した「キリン おいしい免疫ケア セラミドプラス」を3月3日に、プラズマ乳酸菌を手軽に摂取できる「キリン iMUSE フルーツリフレッシュ グレープフルーツミックス」「キリン iMUSE フルーツリフレッシュ アップルミックス」を4月14日に発売する。鈴木氏は「免疫ケアの習慣というものは、もっともっと日常的にしていけるポテンシャルがあると思いますし、そうした提案をこれからも継続していくことで、ヘルスサイエンス領域の成長を実現していきたいと思います」と説明した。

キリンビバレッジ株式会社 執行役員 マーケティング部長 鈴木郁真氏
2026年のマーケティング戦略
3月17日発売の「キリン つよいぞ!ムテキッズ」
販促現場には子供向けのカプセルトイも用意する予定
中身はキャラクターが描かれたマスキングテープ
3月3日発売の「キリン おいしい免疫ケア セラミドプラス」
4月14日発売の「キリン iMUSE フルーツリフレッシュ グレープフルーツミックス」「キリン iMUSE フルーツリフレッシュ アップルミックス」

「生茶・ヘルシア」などの無糖茶カテゴリーでは、2024年に花王から事業譲渡されたヘルシアに注力する方針であると説明。「トクホのパイオニアの商品として、非常にポテンシャルの高い商品である」とし、“内臓脂肪対策のために飲むお茶”という位置づけにとどまらず、普段飲みしてもらえるようにリブランディングした「キリン ヘルシア うまみ緑茶」を4月7日に発売する。

4月7日発売の「キリン ヘルシア うまみ緑茶」

 発売40周年を迎える「午後の紅茶」は近年好調であり、3年連続で売上が増加していることを紹介。理由としては、新たな提案として発売した「FRUITS & ICE TEA」や「モッタイナイ!を、おいしい!に。プロジェクト」に参画した商品が市場に受け入れられたのではないかと説明した。本年も引き続き、本格的なスリランカ産茶葉から「クリアアイスティー製法」で抽出した商品の品質のよさを広めるとともに、紅茶の文化なども含めて楽しみ方を提案していきたいと話した。

「午後の紅茶」ブランドの2026年戦略