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アサヒビール「スーパードライ3.0」始動。「辛口×冷え」の最高傑作へリニューアル

2026年5月29日 発表
アサヒビールが「スーパードライ3.0」を掲げてリニューアル

 アサヒビールは、主力ブランド「アサヒスーパードライ」を「スーパードライ3.0」と位置づけて刷新すると発表した。独自価値である「辛口×冷え」をさらに磨き、新しい辛口でもう一度ビールの流れを変える挑戦をする。同時に「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」と「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」もリニューアル。あわせて、2026年10月の酒税改正に伴う価格改定と、夏場の最盛期に向けた「冷え」の取り組み強化についても発表された。

「アサヒスーパードライ」「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」は8月上旬以降の製造分から順次切り替え、「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」は10月6日から発売する。

 説明会には常務執行役員 マーケティング本部長の古澤毅氏と、ビールマーケティング部長の野間和香奈氏が登壇。古澤氏が「スーパードライ」のブランド戦略について、野間氏が中味の刷新の具体的な内容について説明した。

スーパードライ3.0

発売時期:
2026年8月上旬以降の製造分から順次「アサヒスーパードライ」「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」
2026年10月6日「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」
刷新内容: 中味、パッケージデザイン、コミュニケーション
スーパードライの年間販売目標: 2025年比103%(2024年実績は7334万ケース/対前年97%)

ビール構成比は57%まで上昇。酒税改正後はユーザーの34.6%が「買う量が増加」と回答

1987年に発売された「アサヒスーパードライ」は、2026年10月に「スーパードライ3.0」へ進化する
アサヒビール株式会社 常務執行役員 マーケティング本部長 古澤毅氏

 古澤氏はまず市場動向について説明。ビール類の数量構成比はビールと発泡酒・新ジャンルで見ると、2020年と2023年の2度の酒税改正を経てビールの構成比が上昇しており、昨年は57%まで上がってきているという。さらに同社の調査(2026年4月)では、2026年10月の酒税改正後にビールを「買う量が増加する」(「増加する」「やや増加する」の合計)と回答した人がビールユーザー全体の34.6%を占めており、酒税改正後はビールがさらに伸長すると予測する。

「酒税が統一されて価格差が縮小するなかで、もう一度お客さまが『本当にうまいビールってどれなんだろう』と求める瞬間がやってくる。そのときに選ばれるブランドになるために、ブランド価値を明確化して磨いていくことが重要」と古澤氏。消費者の期待に応え、その期待を超えていくために、2026年10月に「スーパードライ3.0」を始動するとした。

1.0→2.0→3.0、「辛口」を磨き続けてきたスーパードライの歩み

1987年3月17日の発売以降、節目ごとに「辛口」と「ビール体験」を磨いてきた「スーパードライ」の歴史

 古澤氏は「スーパードライ3.0」の位置づけを、ブランドの歴史と合わせて解説した。

 1987年3月17日の「スーパードライ」発売前、日本のビールは「重くて苦い味わい」が主流であり、それがビールのおいしさだという常識があった。その流れを変えたのが、「辛口」という新しい価値を掲げて発売されたアサヒスーパードライ。「さらりとした飲み口、キレ味、さえる辛口の生ビール」をコンセプトに、辛口でビールの常識を変えた。これが「スーパードライ1.0」となる。

 その後、市場の嗜好や酒類を取り巻く環境が変化。RTDの台頭などもあり、時代が求める商品とスーパードライとの間にずれが生じてきた。これを受け、2022年に辛口のコンセプトはそのままに、中味・パッケージ・コミュニケーションをすべて刷新するフルリニューアルを実施。発売36年目で初のフルリニューアルとなった。嗜好と時代の変化を捉えた辛口のアップデート、これが「スーパードライ2.0」だった。

 そして2026年10月、「辛口×冷え」の良さを非連続なレベルで高める“新 辛口”への刷新が「スーパードライ3.0」となる。

「冷え」はビールの本質的価値。「生ビールに期待すること」第1位は58.1%の「よく冷えている」

「生ビール」に期待する1番の価値は「よく冷えている」で58.1%(アサヒビール調べ/2024年6月)

 なぜ「冷え」に着目したのか。古澤氏は2つのポイントを挙げる。1つ目は、ビールに期待する一番の価値が「冷え」であること。同社の調査(2024年6月)によると、「生ビール」に期待することの1位は「よく冷えている」で58.1%。2位以下の「泡立ち」35.8%、「鮮度」35.0%、「銘柄」34.6%、「注ぎ方」33.8%を大きく引き離した。「ビールというカテゴリーにおいて、『冷え』は単なる温度ではなく味を構成する本質的な価値の1つ」と古澤氏は説明する。

 2つ目は、スーパードライの辛口がよく冷やすことで真価を発揮する特性を持つこと。温度を下げると炭酸が液体によく溶け込み、喉で感じる炭酸刺激が増えて飲みごたえが向上する。さらに、温度が下がることで苦味が感じづらくなり、後味のすっきりさが増す。結果としてキレのよさが向上する。

 同社は2025年から「辛口×冷え」の活動を進めてきた。同社調査(2026年3月)で「キンキンに冷えたときに、特においしそうなビールは?」と尋ねた結果、スーパードライが45.6%と圧倒的ナンバーワン(商品Aは7.5%、商品Bは2.7%)。「キンキンに冷えたスーパードライのCMを見て実際に飲んでみた。最高!これを機にスーパードライを買うようになった」「キンキンのスーパードライを飲んで、改めて、『やっぱりビールってうまい!』と思った」といった消費者の声も寄せられているという。

「辛口」×「冷え」を独自価値とし、冷えた状態で最高にうまい“新 辛口”に刷新

 また、スーパードライが「全消費財 販売規模ランキング(金額)」(インテージSRI+ 2025年1月~12月)で圧倒的ナンバーワンを確立していることに触れ、「圧倒的存在のスーパードライだからこそ、ビールの流れを変えられる」と古澤氏。

「酷暑日という新しい気象が生まれるほど暑くなってきた日本で、辛口×冷えという価値を磨き続けたい。キンキンドライで日本を元気にしていきたい」とし、スーパードライで実現した新辛口について、「私は辛口の最高傑作と言っていいレベルのものができあがっていると思う」と自信を示した。

1987年発売以来2度目の中味刷新。麦芽比率UPで飲みごたえ、ホップ最適化でキレ感を強化

アサヒビール株式会社 ビールマーケティング部長 野間和香奈氏

 続いて野間氏が中味の刷新の具体的な内容について説明した。「アサヒスーパードライ」の中味変更は、1987年の発売以来2度目(前回は2022年のフルリニューアル)となる。

 今回の刷新で重視したのは、「冷え」に特化することで生まれる課題を中味で解決すること。冷やすことで麦芽の旨味感や飲みごたえが減ったように感じる傾向があるため、麦芽の使用比率を高めてこの部分を補強し、トップの飲みごたえを向上させた(ターゲット温度帯:3℃)。さらに、煮沸直後に投入するホップ品種の配合を最適化し、ホップ由来の香りを引き出して後味のキレのよさを高めた(ターゲット温度帯:8~10℃)。なお、ガス圧は変更していないという。

麦芽比率を上げてトップの飲みごたえを向上、煮沸直後に投入するホップの品種・配合最適化でキレ感を強化

 飲み始めの3℃前後と、飲み終わりの8~10℃のどちらの温度帯でも、消費者への調査でおいしさが向上しているという結果を得たとのこと。家庭での飲用量も平均で約120%に増えており、「今回のスーパードライは本当にうまい辛口、最高傑作ができたと自信を持っている」と野間氏は語った。

飲み始め(3℃)と飲み終わり(10℃)の両方の温度帯でおいしさ評価が向上。1週間の飲用意向本数も5.4本から6.6本へ

パッケージは「示温インキ」で辛口カーブが浮かぶ仕掛けを継続採用

 パッケージデザインは、長年のブランドであることから「大きな顔」は変えず、刷新する辛口を伝える「New」訴求を加える程度に留めた。「辛口〈生〉ビール」の表記の視認性も上げている。

 裏面には、消費者評価の高い「示温インキ」を継続採用。冷やすと「辛口カーブ」が浮かんで見える仕掛けで、手元で冷えのうまさをビジュアルとしても楽しめるデザインに改良した。

「辛口刷新」を伝える新パッケージデザイン。「New」訴求と「辛口〈生〉ビール」の視認性UPに加え、裏面は「示温インキ」で冷やすと「辛口カーブ」が浮かぶ仕掛けを継続採用

生ジョッキ缶・ドライクリスタル・樽生・瓶も中味リニューアル、ブランド全体でデザイン統一

「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」と「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」もリニューアル

「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」も中味を変更し、刷新する。スーパードライと同じ中味を採用するが、生ジョッキ缶の容器がもつ独自の魅力もアピール。自己発泡する泡はお店のビールサーバーと同等というきめ細かさで、クリーミーな舌触りを実現。さらにフルオープン缶の広い飲み口によりひと口あたりのビールの流入量は通常缶の約1.4倍となり、豊かな麦の香りが口いっぱいに広がるという。

「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」(アルコール3.5%)は、2023年発売以降「10年後のど真ん中」を目指して提案してきた商品。今回はホップの使用量を増やすことで飲んだ瞬間の飲みごたえを高め、醸造工程で使用するホップ品種の配合比率を調整することで、麦の香りが引き立ち、「スーパードライ」らしい辛口のキレをより感じられる味わいを実現した。消費者への調査では、全体のおいしさが104.8(2023年比)でビール類トップクラスのスコア、飲みごたえも108.2(同)と評価されたという。アルコール3.5%の「理想的なビール」構成比は2023年5.1%から2025年7.9%まで拡大している。

 ブランド全体のデザインも刷新。表面は「DRYブランドのデザインフォーマット」に統一し、「New」訴求と「辛口〈生〉ビール」の視認性を上げた。裏面は消費者評価の高い「DRY」ロゴをスーパードライ本体・生ジョッキ缶・ドライクリスタルで展開し、売り場でDRYブランド全体を認識しやすくする。また、業務用の樽生・瓶も中味リニューアル、瓶のデザインも変更する。

「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」も中味を刷新

夏場の最盛期に向け「冷え」の取り組みを強化。「仕上げに3分冷凍庫DRY」を提案

 あわせて、夏場の最盛期に向けて「アサヒスーパードライ」の“辛口のうまさ”を一層引き立てる「冷え」に着目した取り組みを強化することも発表された。「日本の夏は、キンキンDRYがうまくする」というテーマを掲げ、継続的に販促・広告活動を展開する。

 飲用前に冷凍庫で3分間冷やす「仕上げに3分冷凍庫DRY」を店頭・Webで訴求。冷蔵庫で冷やした状態からさらに冷凍庫で3分間入れることで温度が約1℃下がり、「スーパードライ」の特徴である「キレ」「飲みごたえ」がより一層引き立つという。広告キャラクターである俳優の阿部寛さんを起用したWebCMや店頭販促物を通じて、“辛口のうまさ”をより一層引き立てる楽しみ方を訴求していく(冷凍庫には20分以上入れないこと)。

 ジョッキやグラスを冷やしビールの温度を4℃未満で提供する「スーパーコールド」認定店、-2℃から0℃未満で提供する「スーパードライ エクストラコールド」設置店、キンキンタンブラー取扱店などの「冷え」にこだわった体験ができる拠点は全国で3万店を突破。飲食店での「スーパードライ」の年間消費量は約6億杯(400mL換算)となっている。

 また、原則製造後3日以内に工場から出荷する数量限定「アサヒスーパードライ 工場できたてのうまさ実感パック」を5月29日から販売。工場できたての味わいが自宅でも楽しめる。

 ブランド常設型コンセプトショップ「BEER DINER SUPER DRY TOKYO」(2026年3月オープン以来2万人が来店)では、5月29日からカップの底から渦を巻きビールを注出する「トルネード・ディスペンサー」を導入し、「スーパードライ エクストラコールド」を提供する。

酒税改正で350mL換算でビールが9.1円減税、新ジャンルが7.26円増税

 あわせて、2026年10月1日に施行される酒税改正に伴う商品の価格改定について発表があった。国内で販売するビール、発泡酒、新ジャンル、RTDなどを対象に、同日から生産者価格を改定する。

 350mL換算での税額の変動は、ビールが9.1円の減税、発泡酒・新ジャンルが7.26円の増税、RTDが7円の増税となる。改定対象は同社の全504品中176品(約35%)で、内訳はビール類104品、RTD 59品、シードル6品、その他7品。

 主な対象商品は、ビールが「アサヒスーパードライ」「アサヒ生ビール」など、発泡酒が「アサヒスタイルフリー〈生〉」など、新ジャンル(発泡酒2)が「クリアアサヒ」「アサヒ ザ・リッチ」など、RTDが「アサヒGINON」「アサヒ贅沢搾り」など、その他が「樽ハイ倶楽部」「ブラックニッカクリア 樽詰めハイボール」、ワイン(発泡性)が「ニッカ弘前 生シードル」となる。

 価格差の縮小によりビール需要の増加が見込まれる一方、発泡酒・新ジャンルからRTDへ流れる需要も一定数あり、RTD全体は増加方向と予測。同社は「アサヒGINON」「アサヒ贅沢搾り」「未来のレモンサワー」を主力RTDブランドとして注力するほか、「まるごと食感サワーシリーズ」のような本物の果実を使った差別性の高い商品で独自価値を提案していくとした。

 なお、新ジャンルの「クリアアサヒ」については10月の酒税改正のタイミングでビール化を予定。詳細は改めて案内するとした。

2025年から続けてきた「辛口×冷え」の活動をさらに加速し、10月の「スーパードライ3.0」へつなげていく

 マーケティング施策としては、2025年から続けている「辛口×冷え」の戦略をさらに加速。家庭での体験施策として「仕上げに3分冷凍庫DRY」の習慣を普及するほか、街頭サンプリング、料飲店体験、コンセプトショップ、TVCM/Web広告、屋外/交通広告など、刷新する「新 辛口」と消費者の接点を最大化していく。

 1987年の発売以来、ビールの新しい流れを切り拓いてきたスーパードライ。アサヒグループが掲げる“期待を超えるおいしさ、楽しい生活文化の創造”の実現に向け、「これからも辛口のうまさに挑戦して、お客さまのうまいために活動していく。ビール市場の活性化に貢献し、ビールの新しい未来を拓いていきたい」と締めくくられた。