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モスの新作がセットで1000円になった理由と実はスゴイ“とろったま”の魅力

2021年11月2日 開催

モスフードサービス 上席執行役員 マーケティング本部長の安藤芳徳氏

 モスバーガー(モスフードサービス)は11月2日、「とびきり とろったま スキヤキ仕立て」と「スマートパイ<チョコ>」を含む新商品に関する発表会を開催した。発表会には同社 上席執行役員 マーケティング本部長の安藤芳徳氏が登壇し、「とびきり とろったま スキヤキ仕立て」発売の狙いなどを語った。

 安藤氏はプレゼンテーションの冒頭で「年末にあわせて自信作を用意した」と述べ、新商品の「とびきり とろったま スキヤキ仕立て」への自信を示した。パティ(肉)が1枚のシングルで150万食、2枚のダブルが70万食で計220万食の販売を目指すという。

 その一方で、「ポテトやドリンクとセットにすると1000円になる。1000円を超える単価は久しぶり」と価格設定の面でやや不安要素もあるが、それでも「(単品価格の)590円はミートショック(牛肉価格の高騰)が起きる前に設定した価格で、当然、今はこの価格では全くできない。実際にやろうとすると(セットで)1200円くらいになるかもしれない」と、工夫を重ねた上でどうにかこの価格に収まったという事情を説明。

 その上で「高ければいいというわけではないが、おいしいものをできるだけ安価に提供しようというのが元々の企画。セットで1000円というのは思い切った価格」だとしている。

とびきり とろったま スキヤキ仕立て

 肉の上に肉を乗せることで贅沢感を表現した同商品だが、実は商品名にある“とろったま”が苦心作だという。安藤氏は、「食品の安全性を考えると、サルモネラ菌などの問題もあり、これまで卵を生で使うのは避けてきた。他社にも卵を使った商品はあるが、結構ハードに焼き付けられてしまい、あまりおいしくない」とこれまでの課題を指摘した上で、「メーカーと共同で卵の部分をもう少しよくしようということで、加工卵を使うことにした」と語った。

 加工卵は、テイクアウト時に20分経ってもとろっとした感じが失われないように工夫されているほか、電子レンジで温め直しても爆発しないといったメリットもある。開発に約1年、検討段階から数えると約2年の月日をかけて実現できたという“とろったま”だが、安藤氏の評価は75~80点だという。同氏は「本当の卵よりも栄養価が高くて取り扱いもしやすい、味付けも担わせられるといった方向を目指してメーカーと一緒に開発を続けていきたい」と述べ、第2弾、第3弾につなげていく意向を示した。

 同商品についてのその他の工夫については、第一商品開発グループ チーフリーダーの堀谷直人氏が解説。スキヤキの牛肉には、赤身でしっかりとした食感があるウデ肉と、やわらかく脂身の旨みが感じられるバラ肉を使用してバランスを整え、割下をイメージしたタレには、隠し味として赤ワインを加えることで、キレのある味を目指したという。ハンバーグも通常の約1.8倍のボリュームで、テーマとする「プレミアムな満足感」を表現している。

 続いて、第二商品開発グループ リーダーの堤由貴氏がサイドメニューとドリンクの新作について解説。「トマトチキンチャウダー」(320円)、「スマートパイ<チョコ>」(210円)、「ゆず ジンジャーエール<高知県産ゆず果汁0.1%使用>」(S:230円、M:290円、L:360円)、「塩キャラメルラテ<クリスマス島の塩使用>」(360円)といったメニューをラインアップするが、中でも「トマトチキンチャウダー」は“打倒定番スープ”をテーマに開発した自信作とのことだ。

第一商品開発グループ チーフリーダーの堀谷直人氏
第二商品開発グループ リーダーの堤由貴氏
トマトチキンチャウダー
スマートパイ<チョコ>
ゆず ジンジャーエール<高知県産ゆず果汁0.1%使用>
塩キャラメルラテ<クリスマス島の塩使用>