ニュース
ロボバリスタ「Ella X」JR東京駅に登場! 人間の約4~5倍のスピードで高品質なコーヒーを提供するぞ
2021年12月9日 13:26
- 2021年12月8日~2022年2月28日 営業
JR東日本(東日本旅客鉄道)は12月8日より、東京駅と横浜駅構内でロボットコーヒーバリスタ「Ella(エラ)」のテストマーケティングを開始した。
Ellaは次世代型全自動コーヒーマシンとして、シンガポールのCrown Technologies Holding Pte. Ltdが、バリスタが淹れたコーヒーと同等のクオリティで提供することを目的に開発されたもの。
Ellaの中枢を担うコーヒーマシンユニットは、デロンギ・ジャパンの取り扱う業務用ブランド「Eversys(エバシス)」の業務用大型フルオートコーヒーマシン「カメオC'2m」で、本格的なエスプレッソ抽出をベースに多彩なメニューを提供できる性能を持っているという。
Ellaは設置場所と目的に合わせて複数のラインアップが用意されているが、東京駅構内の銀の鈴広場に設置されるのは完全自動でスタンドアローン型の「Ella X」だ。こちらのElla Xはロボットアームを備えており、バリスタのような動きをロボットが行なう。オーダーを受け付けるとコーヒーマシンにカップを置き、コーヒーを抽出して注いだカップを提供口まで運ぶまでの一連の作業をスムーズにこなしていく。
なお、横浜駅に設置されるものはインテグレーション型の「Ella Y」。JRE MALL Cafe内に置かれ、カフェオペレーションの効率化について検証する。実施期間は2022年2月28日までとなっている。
ロボットコーヒーバリスタ「Ella(エラ)」テストマーケティング
実施期間: 2021年12月8日~2022年2月28日
設置箇所:
[JR東京駅地下 銀の鈴広場]Ella X(7時~22時 ラストオーダー21時30分)
[JR横浜駅中央北改札内JRE MALL Cafe]Ella Y(7時~21時 ラストオーダー20時30分)
東京駅のElla Xを利用する方法は2通りある。専用のアプリケーションをスマートフォンにダウンロードして行なうモバイルオーダー(クレジットカード決済)か、タッチパネルで直接オーダーするタッチオーダー(Suicaなど交通系電子マネー決済)。
オススメはモバイルオーダーで、特別価格で提供されるので、タッチオーダーよりもお得になっている。到着前に前もって注文しておけば待ち時間の短縮にもつながる。Keith Tan氏は「時間がなくてもスペシャルなコーヒーを購入することができます。例えば、お昼休みにお弁当を選んで並ぶとします。同時にモバイルオーダーをしておけば、並ばずに美味しいコーヒーも手に入れることができます。このような新しいライフスタイルを多くの人に体験しもらいたい」と話した。
オーダーからできあがりまではそれほど時間はかからないが、ほかの注文者もいた場合は順番なので待つことになる。1時間でおよそ200杯のコーヒーを提供することができ、人間の約4~5倍のスピードで、しかも営業時間中ずっとクオリティを保てるのはロボットならではだ。
日本の消費者の好みに合わせた味の調整を行なっているが、基本的には酸味が少な目で香りが立つイタリアンローストに近いテイストになっているそうで、もちろん、ブラックが苦手な人のためにカフェラテなども用意されている。さらに、50円プラスのオプションとして、キャラメル、マカデミアナッツ、ヘーゼルナッツ、バニラのシロップを加えることも可能だ。
今回はブラックの「アメリカーノ」を試しに飲ませてもらったが、とにかく香りがよいのが印象的。これだけでリラクゼーション効果がありそうだ。酸味も苦みもほどよく、ワンパンチだけではない重層的な味わい深さを楽しめる。また、提供されるカップが厚みのあるしっかりとしたものなので、ペラペラのカップによくあるような、熱すぎて持てる場所を探すような苦労はせずにすむのもポイントだ。ラインアップは5種類なので、機会があればいろいろと試してみたい。
JR東日本では利用客目線での駅利用の改革を進めており、その一環が今回のEllaによるコーヒーの提供だ。常務執行役員 事業創造本部副本部長の表輝幸氏は「労働力不足や人件費の問題などありますが、とくに大きなターミナル駅においては早朝からのサービス提供のために人を集めるのは大変な仕事になっています」と話し、ロボットやAIを活用した新しいサービスを模索していることに言及した。
国内だけでなく、海外も含めたスタートアップ企業との提携も進めており、その第一弾がCrown Technologies Holding Pte. Ltdで、海外企業でありながらセキュリティの厳しいSuicaにも対応するEllaを開発した実力を高く評価していると話した。今後は、集めた販売レポートを精査し、どのように展開していくかを検討していくとのことだ。