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ミスタードーナツ、シンガポールに初進出。5月に1号店をジャンクション8に開業

2023年2月1日 発表

2023年5月21日 開業

ミスタードーナツはシンガポールに初進出することを発表した

 ミスタードーナツ(ダスキン)はシンガポールに初進出し、ジャンクション8にテイクアウト専門の店舗形態で5月21日に1号店を開業する(一部店舗では座席を設けた店舗も展開予定)。

 3年以内に9店舗の展開を計画しており、日本でも人気のポン・デ・リングなど定番商品約20種類をラインアップ。今後は現地オリジナルのご当地商品の展開の可能性もあるという。

 シンガポール進出にあたり、1988年の創業から長年シンガポールで日本食を中心とした飲食店の運営を行なうR E & S Enterprises Pte Ltd(アールイーアンドエスエンタープライズ プライベートリミテッド)と、ミスタードーナツ事業のマスターフランチャイズ契約を締結した。

「アジアの情報・人流・ビジネスのハブとして注目されるシンガポールへ進出することで、海外の既存出店地域へ波及効果が見込めるとともに、成功事例をつくることでダスキンの海外展開を加速していきたい。シンガポールでも愛されるブランドへ育てていく」と展望を示した。

日本の定番商品をラインアップするが、今後シンガポールオリジナルメニューも開発予定

ミスタードーナツ(ダスキン)6年ぶりの海外進出「成功につなげたい」

株式会社ダスキン 代表取締役 社長執行役員 大久保裕行氏

 ダスキン中期経営方針2022の基本方針に基づく3つのテーマの1つ「事業ポートフォリオの変革」で“新しい成長機会への投資”として、M&A・R&D投資の積極化とあわせて、海外戦略を打ち出した。

 その第1弾として約6800億円の外食市場が存在し、持ち帰り・デリバリーの需要も高く多様な食文化があるアジア有数の先進国“シンガポール”でのミスタードーナツ展開を検討。

 ダスキン 代表取締役 社長執行役員の大久保裕行氏は「シンガポールでの成功は、東南アジアをはじめ、未展開の他国での展開を活気づけるもの」と語った。

新しい成長機会への投資として、海外進出を打ち出した。未展開国へ展開したい思いから外食・テイクアウト市場の高いシンガポールが選ばれた

ミスタードーナツの海外展開は5地域目。「シンガポールの皆さまに美味しいドーナツを提供したい」

株式会社ダスキン 取締役 執行役員 上野進一郎氏

「ダスキンは成長の著しいアジアを中心に3つの事業を展開しており、ミスタードーナツは現在、台湾・タイ・フィリピン・インドネシアの4地域で9557拠点を展開。シンガポールは5地域目の進出となる」とダスキン 取締役 執行役員の上野進一郎氏。

ビッグアップルはマレーシアやカンボジアでハラル食品を展開
シンガポールは5地域めの進出となる

 シンガポールでの展開にあたり、R E & Sを契約締結先として選んだ理由を3つ挙げた。

1. 長年日本食をシンガポールで展開しており、飲食ビジネスに精通していること
2. ダスキンやミスタードーナツの理念に賛同していること
3. 日本と同等の味と品質を提供するための徹底した衛生管理と高品質の商品・サービスの提供が可能であること

 本締結により、ミスタードーナツは営業権とノウハウを提供。主要原材料の供給は日本からで、日本での研修や定期的な訪問による指導など運営面のサポートを行なう。それ以外はR E & Sに任されており、「ある程度自由度の高い展開が可能になると考えている」とのこと。

現地法人による地域に応じた展開が行なわれる
シンガポール進出にあたり、日本食をシンガポールで展開してきた実績を持つR E & Sを選定

ミスタードーナツとの契約締結は「最大のチャンス」

R E & S Holdings Ltd 代表取締役 創業者 多田羅博氏

 R E & S Holdings Ltd 代表取締役 創業者の多田羅博氏は、1977年にシンガポールに移住し、在住歴46年となる。1988年に設立した同社では、当初現地に住む日本人御用達の日本食レストランだったのを、現地の人が納得して楽しめるように運営・展開をしてきたという。

 人口が約563万人と少ない中で、シンガポールには多様な文化が共生している。食の選択肢も多数ある中で、日本食を展開する会社として長年運営してきた。

 また「エクセレントサービス アワード」「ザ ベストオブ シンガポールサービススター」といった賞も受賞している。今後の発展のためには、「日本からの技術や知恵を取り入れるための関係強化とシンガポールでのオペレーション力、現地の嗜好理解を最善の形で組み立てるのが成功の秘訣」と述べた。

長年日本食をシンガポールで展開し、飲食ビジネスに精通。数々の賞も受賞している

シンガポールの食事情は“甘い物・揚げ物”が好まれる傾向。外食率も高め

R E & S Holdings Ltd Chief Operating Officer Lim Shyang Zheng(リム シャン ツェン)氏

 R E & S Holdings Ltd Chief Operating OfficerのLim Shyang Zheng(リム シャン ツェン)氏はシンガポールの食事情について「甘い物、揚げ物が好まれ、外食が多い傾向」を説明。多文化社会であり、マレー、中華、インド料理を主体とした料理が中心。4人に1人が毎日外食をしており、コロナ禍を契機にテイクアウトやデリバリーの需要もさらに上がったという。

シンガポールは東京23区と同じ面積で兵庫県と同じくらいの人口にもかかわらず、GDPは日本の約1.8倍
特に甘い物や揚げ物が人気という

 また、日本のスイーツやデザートは人気があり、シンガポールのジュロンポイント(Jurong Point)ショッピングセンターでテストマーケティングをした際は、5時間待ちの行列ができたという。

 5月21日に開業する1号店はジャンクション8を選定。シンガポールの西エリアに位置し、比較的裕福な人が多く生活する場所という。シンガポールの用地の特性上、タイミングごとに空いている場所が限られているよう。「ジャンクション8で1号店を開業することに意味を見出している」という。

ジャンクション8は人口密度が高く、バスや地下鉄も多く通る。多くの住宅や学校があり、毎日多くの人が行き買う場所
ジャンクション8

 シンガポールでのミスタードーナツ1号店として、「R E & Sは安心安全と高品質の商品提供に最大限の努力をします」と抱負を述べた。

R E & S 品質へのこだわり

シンガポール 第1号店「ミスタードーナツJUNCTION8ショップ」

開業日: 5月21日(予定)
所在地: 9 Bishan Place, #02-27A Junction8, Singapore 579837
営業時間: 10時~22時
店舗形態: テイクアウト専門店
取扱商品: ドーナツ(日本と同等の原材料を使用した、日本でも販売している人気の定番ドーナツ約20種類を販売予定)