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メルシャン、レッド・ブレンドの潮流を取り入れた2つの赤ワインを発売

2023年3月20日 取材

中央が「メルシャン・ワインズ ブレンズ パーフェクト・ブレンド リッチ レッド」、右が「フロンテラ プレミアム レッド・ブレンド」

 メルシャンは3月20日、同社のブレンドワインに関するセミナーを開催し、3月中に発売する新商品を紹介した。

 同社では、昨年立ち上げた輸入ワインの新ブランド「メルシャン・ワインズ」の新商品として、「メルシャン・ワインズ ブレンズ パーフェクト・ブレンド リッチ レッド」を3月22日に発売する。

 これにあわせて「メルシャン・ワインズ ブレンズ パーフェクト・ブレンド レッド/ホワイト」が「メルシャン・ワインズ ブレンズ パーフェクト・ブレンド マイルド レッド/ホワイト」に名称変更され、3月上旬からリニューアル販売されている。

 マーケティング部 ブランドグループの伊藤佳奈子氏によれば、国内のワイン市場は2008年以降拡大傾向にあったが、新型コロナの影響などもあり、直近5年は停滞気味となっている。酒類全体に占める構成比も4.3%と小さく、新たな価値提案で市場を活性化していく必要性があるとする。

 同社では、米国を中心に広がりを見せている「レッド・ブレンド」というスタイルに着目。ワインというと、小難しく感じられ、敬遠されてしまう側面もあるが、そんな中でぶどうの産地や品種にこだわらず、凝縮した果実感で、ほんのりと甘味が感じられるスタイルの赤のブレンドワインを楽しもうというレッド・ブレンドがブームになっており、米国市場においては、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワールといった品種に次ぐ4位にランクインしている。

 同社の調査では、日本においても、店頭でワイン選びに困る消費者が多いという実態が浮き彫りになっていることから、レッド・ブレンドの考え方を取り入れ、日本の消費者の嗜好にあう味わいを目指しながら、「マイルド」「リッチ」といった商品名やラベルから味をイメージしやすくなるようにリニューアルを実施したという。

 伊藤氏によると、「マイルド」は煮物や照り焼き、お好み焼きなど、日本の家庭料理とのマッチングも抜群とのこと。これに対し、イタリアのコロンバ・ビアンカ社とオーストラリアのアンドリュー・ピース社の原酒をブレンドし、新登場した「リッチ」では、長い余韻や飲みごたえが楽しめる。

 いずれも750ml瓶での販売となり、価格は970円前後(税別)となる見込み。

 また、3月28日には「フロンテラ プレミアム レッド・ブレンド」も登場する。

 こちらは、チリNo.1のワイナリーとされるコンチャ・イ・トロのミドルレンジに位置づけられる新商品となる。500円前後で入手できるスタンダードな「フロンテラ」と、1500円前後で販売されている「カッシェロ・デル・ディアブロ」の間にポジショニングされており、1060円前後(税別)で販売される。

 マーケティング部 ブランドグループの水野俊介氏は、手頃な価格で楽しめるチリワインの市場は近年ダウントレンドにある一方、ディアブロのようなプレミアムブランドは売上を伸ばしている。コロナ禍における消費者の意識の変化として、「週末ぐらいはちょっと良いものを」といったプチ贅沢ニーズが顕在化しており、そうした声に応えられる“手の届くプレミアム”が市場から求められているとして、コンチャ・イ・トロ側の同意も得た上で、今回の商品の発売に漕ぎ着けたという。

 水野氏が同商品を“本格ワインの登竜門”と表現するように、上位の商品と同様のワイン作りのノウハウを投入し、スタンダードシリーズの2/3となる収量制限を実施。オークを使うことでブラックチェリーやチェリーのような果実の香りと、なめらかな味わいを実現するとともに、タンニンの心地よい渋みも楽しめるようにしているとのこと。

マーケティング部 ブランドグループの伊藤佳奈子氏(左)と水野俊介氏(右)