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ローソン、配送パターンの変更で物流2024年問題に対応

2023年3月24日 発表

 ローソンは3月24日、各店舗への配送を工夫することで、物流2024年問題やCO2排出量削減を行なっていくと発表した。

 同社では、弁当、おにぎり、惣菜、紙パック飲料、生鮮品など、冷蔵で配送する「チルド・定温商品」、カップ麺や袋菓子、ペットボトル飲料、日用品など、常温で配送する「ドライ商品」、冷凍食品、アイスクリーム、氷、店内調理食材などを冷凍で配送する「フローズン商品」の3つの温度帯ごとに配送センターを設け、各店舗への商品供給体制を整えている。現状、チルド・定温商品は毎日2~3回、ドライ商品とフローズン商品は週5回といったペースで配送を実施しているという。

 そんななか、物流の2024年問題とも言われる時間外労働時間の上限設定への対応を進める必要があるほか、CO2の排出量を削減が求められる社会環境の変化、人手不足、燃料費や人件費といった各種コストの上昇への対応が求められるようになっており、物流全体での改革を行なう必要に迫られている。

 商品本部 ロジスティクス部 マネジャーの藤井洋志氏によれば、同社として、最適な配送モデルを再構築することで、こうした課題の解決に取り組む。

商品本部 ロジスティクス部 マネジャーの藤井洋志氏

 毎日2~3回の配送を行なっているチルド・定温商品については、2023年12月から1日2回配送に順次切り替えていく。これにより、2024年4月から適用される労働基準法や改善基準告示に対応する。

 藤井氏によると、従来どおりの配送ペースを継続しながら法令を遵守しようとすれば、車両や人員の追加が必要となり、年間で約20億円のコスト上昇が見込まれることから、1日2回配送化が事業を継続していく上での重要な課題と捉えられている。

 現状で1日3回の配送を行なっているのは、5大都市圏を中心とする全体の70%に相当する店舗で、深夜、朝、午後の3回に分けて商品を運んでいる。これを深夜~早朝、午後の2回とすることで配送回数を減らし、ドライバーの拘束時間を適正範囲内に収める。全体で運ぶ商品の物量自体に変更はないため、深夜~早朝に積載量を増やす形になるという。

 この工夫により、チルド・定温商品の配送においては、1日あたりの総走行距離は9000kmから6750kmに短くなり、CO2の排出量は1拠点あたり25%の削減が可能となる。その他の商品の配送を含めて試算すると、配送全体で8%のCO2排出量削減が見込めるとのこと。

 これにあわせ、朝の時間帯には他社協業枠を設定。自社内の配送に使われていない車両の輸送能力を他社向けに供給することも検討していく。

 また、週5回の配送を行なっているドライ商品、フローズン商品については、新商品の発売サイクルにあわせ毎週火曜日の物量が多くなる傾向にあり、これまでは他の曜日でもピークとなる火曜日にあわせた車両台数や人員を確保していたが、2024年1月からは2パターンの配送ダイヤを作って、稼働する車両台数を日によって増減させることで、配送の効率化を行なっていく。同社では、こちらの施策でも4~6%のCO2排出量削減が見込めるとしている。

 このほか、2015年に全店に導入した「セミオート発注」システムについても2023年度にバージョンアップを実施。AIを活用して、消費期限の短い商品の品揃えや発注数、値引きといった点でレコメンドを提供し、個々の店舗での機会ロスや食品ロスを抑え、効率的な発注を促すことで、物流への負荷を下げていく。