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サントリー、「友達がやってるカフェ/バー」の世界観を缶で表現

ファミリーマートとドン・キホーテで2月13日発売

2024年2月13日 発売

「友達がやってるバー<ジントニック>」「友達がやってるバー<サングリア>」

 サントリーは、東京・原宿の「友達がやってるカフェ/バー」(kakeru)と共同開発した「友達がやってるバー<ジントニック>」「友達がやってるバー<サングリア>」を2月13日に発売する。ファミリーマートとドン・キホーテで先行販売される。

 友達がやってるカフェ/バーは、友達のバイト先に遊びに行っているような感覚で楽しめるお店で、エンタメ業界で働くアドリブ力が豊かな店員が友達のようにタメ口で接客してくれる。メニューも友達との会話のようになっており、「大変そうだから簡単なので大丈夫だよ」と注文すればドリップコーヒーが出てくる。

 運営するkakeru 代表の明円卓氏は、「大阪にある行列ができる老舗の町中華を訪れたとき、老夫婦2人で営んでおり、オペレーションがまわらず、接客としては破綻しているが、どこかうれしく、そのお店ならではの体験で新鮮だった。翌日、京都に行くと、社員の一人から友達がやってるカフェに寄っていいかと言われ、うらやましいと思った」と、店舗オープンのきっかけを説明する。

 こうした“友達接客”が若者を中心にSNS上で話題になっていたことから、サントリー スピリッツカンパニー RTD・LS事業部 RTD部の中村美保子氏は、開発メンバーと一緒に店舗を訪れたところ、その世界観にハマったという。同氏は「おいしいお酒を味わうのも大事だが、コミュニケーションが生まれるところに興味を惹かれた」と振り返る。

友達に話かけるようなユニークなメニュー名が並ぶ

 商品化を持ちかけられた明円氏は、「接客コンセプトがユニークなお店を、どう缶に落とし込めばいいのかが開発のチャレンジポイントだった」と語る。中村氏によると、通常の商品開発では、商品の方向性がある程度決まったところからスタートするが、今回はゼロからフレーバーを考え、デザインや伝え方にもこだわって作ったという。

 フレーバーはジントニックとサングリアの2種類で、実際に飲んでみると、さほど驚きのある味わいではなく、ごくごく普通のジントニックとサングリアだと感じる。中村氏にそれ以外のフレーバーの候補があったのかを尋ねると「候補はいくつかあったが、今回はネーミングで飛ばすので、フレーバーは20代がイメージしやすいものを選んだ」とのこと。

 フレーバーは2種類だが、缶のデザインはそれぞれ2パターンが用意されており、ジントニックは『あの田中が一杯目に必ず飲むやつ』『飲んだ瞬間に思わず「え?うまっ」と言うやつ』、サングリアは『スペイン旅行でめっっっちゃ美味かった酒』『飲むと人のことを褒め始めてしまう酒』と大きな文字で記されている。

 デザインについては、通常は味わいや製法などをアピールするのがセオリーだが、最も大事なのが擬似的な友達体験ということで、友達との会話を目につくようにし、そこからコミュニケーションが生まれることを狙っているという。

 缶の側面にはQRコードが用意されており、これをスマートフォンで読み取ると、友達がやってるバーの世界観を表現したWebサイトに繋がる。サイトにアクセスすると名前の入力を求められ、自分の名前を入力すると、サイト上の表記が自分仕様になる仕掛けだ。

 容量はいずれも350mlで、価格は各156円(税別)。アルコール度数は、「友達がやってるバー<ジントニック>」が5%、「友達がやってるバー<サングリア>」が4%となっている。

kakeru 代表の明円卓氏(左)とサントリー スピリッツカンパニー RTD・LS事業部 RTD部の中村美保子氏(右)