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くら寿司、プレミアム回転寿司「無添蔵」関東1号店での取り組みを発表
2025年5月22日 19:44
- 2025年5月29日 オープン
くら寿司は5月29日、プレミアム回転寿司ブランド「無添蔵（むてんくら）」の関東1号店を中目黒にオープンする。これに先立ち、22日に店内が報道関係者向けに公開された。
同社では、くら寿司のハイグレード版に位置づけられる無添蔵を、大阪で2店舗、兵庫と和歌山で1店舗ずつの計4店舗展開してきた。くら寿司と異なり、全国規模では提供できない希少価値の高いネタや手の込んだメニューを、隠れ家風の落ち着いた雰囲気のなかで楽しめる。くら寿司の代名詞ともなっている「ビッくらポン」や大型店を効率よく衛生的に運営する水回収システムなども省略されている。
中目黒店をオープンするにあたり、同社では無添蔵をリブランディングし、新たなコンセプトとして「日常の中の“非日常”」を掲げることにした。従来の無添蔵は古民家風になっていたが、新店舗では大人の隠れ家をイメージした内装で、やや暗めの照明の下、和を感じさせる落ち着いた雰囲気のなかで食事が楽しめる。地酒やウイスキーなどのアルコールメニューの充実も図られている。
店内に入ると、従来の無添蔵よりも薄暗い大人な雰囲気のなかでジャズが流れ、ボックス席には目隠し用のロールカーテンも設置されている。各テーブルには注文用のタブレットが置かれているが、回転寿司でおなじみの給湯用の蛇口がなく、必要に応じて給茶機に取りに行くか、タブレットから飲み物を注文することになる。
提供するネタについても、くら寿司とは一線を画した内容となっており、その日の朝に福井県で水揚げされた魚を北陸新幹線で運んで提供する取り組みをスタート。「福井 朝獲れ 石鯛」「福井 朝獲れ きじはた」「福井 朝獲れ しいら」「福井 朝獲れ ほうぼう」「福井 朝獲れ ばしょうかじき」「福井 朝獲れ めじな」などが各380円で提供される。
また、同店では、生の本マグロを使ったメニューも常時取り揃える。2023年8月に委託養殖の形で愛媛県宇和島市で生産を開始した本マグロが初めて活用され、「生本まぐろ三種盛り（赤身、中とろ、大とろ）」（980円）、「生本まぐろ 中落ち セット」（1480円）といったネタとして提供される。
このほかにも、くら寿司の規模感では展開しにくい希少ネタも取り揃え、通常のくら寿司より多い、200種類以上のメニューが提供されることになる。飾り包丁や醤油の刷毛ぬりなど、ひと手間を加えることでおいしさのアップグレードも行なわれ、刺身盛りについては長野県安曇野産の本わさびが使用される。
オープン記念商品として、「地中海本まぐろ中とろ（一貫）」（通常380円）と「地中海本まぐろ大とろ（一貫）」（通常580円）が6月8日まで100円で提供される。このほか、活きたまま届く車海老を油でさっと揚げることで甘みを感じられるようにした「鹿児島県 活車海老 油霜」も5月29日～6月1日、6月27日～6月29日の期間限定で530円で提供される。いずれも数量限定となる。
取締役 広報宣伝・IR本部長の岡本浩之氏は、回転寿司業界の課題として、これまで成長を支えてきた地方のロードサイドへの出店が飽和状態となり、競争が激化した結果、事業縮小や撤退を余儀なくされる事業者も出てきていると指摘。一方で、都心部には新型コロナの影響で空きスペースが生まれ、インバウンド需要も手伝って都心部に事業拡大の可能性があるとする。
しかし、都心部は郊外に比べて狭いスペースしか確保できないことも多く、水回収システムなどを導入している大型店スタイルのくら寿司と同じ形での出店が難しく、小回りのきく店舗スタイルが必要になるとして、そのイメージに近い無添蔵を活用していくことにしたという。
外食ニーズについても、コスパ志向と高付加価値志向の二極化が見られ、多様なニーズに応えていくため、無添蔵の関東進出に踏み切ったとしている。岡本氏によれば、グルメ系回転寿司を超えるラグジュアリーも兼ね備えた新ジャンルとして「プレミアム回転寿司」を確立することで、新たな回転寿司の楽しみ方を提案していく意向。
同社としては、主要な都心部に無添蔵を100店舗展開することを目標に掲げている。
店舗の所在地は、東京都目黒区上目黒3-7-11 松村ビル 2F。営業時間は11時～24時（23時30分ラストオーダー）。座席数は、ボックス7席、カウンター31席の計59席。
