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Amazon「パールライス(国産米・5kg)」を3868円で販売。小泉農林水産大臣「早ければ6月の頭には棚に2000円台の備蓄米が並んでいる可能性」

2025年5月23日 会見
コメ価格「5kgあたり2000円台」について説明する小泉進次郎農林水産大臣(農林水産省のWebサイトより)

 小泉進次郎農林水産大臣は5月23日に開いた会見で「水田における作付意向について」説明し、コメ価格「5kgあたり2000円台」について言及した。

 農林水産省は水田における作付意向について、令和7年産の主食用米は買い入れを当面中止している備蓄米とあわせて、133.4万ヘクタール、昨年から40万トン増の719万トンが主食用に回る見込みであるとしている。

 この133.4万ヘクタールは過去5年間で最大の生産面積になる見込みであるとともに、主食用米の生産量の調査を開始した平成16年産以降最大の増加となる。

 小泉大臣は「このような見通しが出たことによって、秋以降のコメはこれだけ多く出てくるということも世の中に受けとめていただくこと、これからの備蓄米の放出も含めて、効果的に世の中に伝えていきたい」と述べている。

水田における作付意向について(令和7年産第2回中間的取組状況・令和7年4月末時点)

 小泉大臣は政府備蓄米の放出では、競争入札ではなく随意契約で出していくことが現時点での基本的な方針であり、来週早々にも始めていくとしている。そして随意契約に参加する企業の努力にもよるが、「早ければ6月の頭には棚に2000円台の今回の備蓄米が並んでいる姿を実現できる可能性が出てきた」という見通しを示した。

 入札で大手流通にのせるよりも政府側が価格をコントロールしやすい随意契約だが、反面、全国あまねく「5kgあたり2000円台」を実現できるというわけではないという課題について小泉大臣は「国産米離れを防ぐため」に「スピード感を持って早く届けられるところには2000円台で届けていく」と説明している。

 デフレからの脱却の重要性には触れつつも、前年同月比でコメの価格が約2倍になっていることは「日本の経済全体にも水を差している状態」であり、「今の異常な価格高騰は日本の国産米の米離れをこれから加速させかねない」と懸念を示し、この状況を抑えるための2000円台であり、米の価格も落ち着いてきたなという世の中のマインドが生まれないと、生産者にもプラスにならないのではと語った。

 本稿執筆時点でAmazon.co.jpでは「パールライス(国産米・5kg)」が3868円で販売されているが、6月にはこの価格も影響を受けるのだろうか。